永青文庫の春画展 | mizusumashi-tei みずすまし亭通信
永青文庫8973
 季刊 永青文庫 No.92:春画展(2015.09)

数奇者としても知られた細川幽斎のコレクションを引継いだ、元細川護煕首相・永青文庫〝春画展〟がずいぶん話題にっている。大英博物館での成功もあって「世界が最初に驚いた。」と銘打たれた展覧会だったが、国内の公的美術館では皆腰がひけて開催がかなわず、結局自前展示の運びになった。しかも、春画を掲載した週刊文春編集長は〝配慮を欠いた〟として休養を勧告され、春画掲載の週刊誌4誌に警視庁が口頭指導したとの報道もあった。情けない。

一方、春画展は連日カップル、特に若い女性が押し寄せて賑わっている。立寄った知人が「季刊 永青文庫 No.92」を土産にくれたのだが、やはり若い女性が列をなし、なんとはなしに親父は目のやり場に困ったそうである。「春画」は今でいうならば贅を尽くしきった〝豪華限定地下出版本〟だから、江戸時代の印刷(木版画)技術の粋が結集されている。AVビデオが溢れまくって、春画で欲情する時代でもないだろうから、ぜひ多くの方々にご覧に頂きたいものです。

「春画」の研究的側面は以前いろいろ書いたので割愛します。