噂の真相1979-80年 | mizusumashi-tei みずすまし亭通信
噂の真相79.07-08
噂の真相79.11-12
 噂の真相:1979.07-08,11-12月号

噂の真相(後に噂の〝眞〟相)は1979年4月の創刊なので、こちらは創刊第4号から最初期のもの。正直なところ後の面白さにはほど遠いようで「雑誌は一日にしてならず」というところだろう。翌年1980年6月号で皇室ポルノと題して、いきなり「皇室タブー」に挑んで、右翼から(関連会社も含めて)執拗な嫌がらせを受けたことから、広告主は引き上げる。銀行は融資から手を引く。印刷会社は印刷を断ってくる。四面楚歌の状態でいきなり廃刊に危機に追い込まれる。

とりあえず全国をかけずり回って印刷してくれる印刷所を尋ねまわり、広告は(思い切って)断念、そのかわり広告の減収分を(おそるおそる)単価に乗せた。いやいや、電力会社から広告をもらった日には〝日の丸〟電力会社を叩くわけにはいかないのだから「かえって好都合」とばかりに、権力叩きに熱がこもるのである。その結果、この何も怖れることのなきがごとく先鋭化したマイナー雑誌が、読者の強力な支持を取り付けるようになるのだから判らないものである。

噂の真相80.01-02
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 噂の真相:1980.01-03月号

そのかわり、誰彼となく斬りつけるわりでから訴訟事案がつきまとい、その経過がまた記事として掲載され読者を引き付ける。なんとも荒っぽい古武士的な雑誌ながらついに四半世紀ほどの寿命を全うし、終刊時もまったき黒字経営だったというのだから恐るべき雑誌だった。雑誌装幀はデザイン界の大御所・杉浦康平が〝手弁当的予算(面白半分)〟で担当したことで、結構格調のある雑誌になっていくのだから、素晴らしい。

ただし、初期のこのころは杉浦康平のデザインではない。表紙イラストはリアル系の山口三男で(おそらく)描かれたのはアグネス・ラムだったりするのだろうが、いまとなっては特定に苦労するばかりなのだから可笑しい。ちょっとまとまって売り立てられていたので(迷ったものの)つい買ってしまった。昨夜はさっそく味読?したところ、山口百恵と三浦友和の密会を追っていたりで微笑ましいが、まぁ結構デープな記事もあってね。35年前の記事ながら、読める。

噂の真相1979