野口武彦と丸尾至陽の挿絵 | mizusumashi-tei みずすまし亭通信
みずすまし亭通信-至陽
丸尾至陽の挿絵原画:出典不明

丸尾至陽は大正から昭和初期に活躍したようで児童本の挿絵などで知られています。この作品を見る限りコミックスの1カットのようです。最終的にレイアウトが変更されたので、紙を貼付けて線を描き加え(もったいないことに)上半分をトリミングしてあります。ちょっと気になる挿絵画家なのですが、めったに見かけることがありません。丸尾末広の画風に似ていますが、縁があるのでしょうかね。下はネットから拾ってきました。

$みずすまし亭通信-至陽02
丸尾至陽:面白倶楽部 新年号付録(大正15年)

先日、小川和也さんが立寄られ「ツテを頼って野口武彦に会いたい」という話にはちょっと羨ましくなった。野口武彦は江戸学が専門だが視野が広く、なにより切り口が斬新で面白い。写本で細々回覧されていた「源氏物語」が江戸時代に出版されるとちょっとしたブームになるが、R指定がかかって一般婦女子には禁止本になる。逆に芸者・花魁には必読本である。そんなところからアクロバティックな演繹が開始され、丸谷才一との「源氏物語」成立縁起は上等なミステリの香りがする。