橋本治「窯変源氏物語」と「最後の… | mizusumashi-tei みずすまし亭通信
みずすまし亭通信-水汲み
     鏑木清方 水汲み 写

橋本治「窯変源氏物語」と「最後の“ああでもなくこうでもなく”―そして、時代は続いて行く」を交互に読んでいる。「源氏」は100円本を蒐めながらで全巻そろわない。安易に使いたい言葉ではないけれど、橋本は「天才」じゃないだろうか。現代の語り文学として破格の仕上がりだと思う。作中の相関図や当時の風俗を挟み込みながら、極めて自然に「窯変」されている。凄いなぁ。「最後の…」は広告批評に長らく連載されていたものが、雑誌廃刊によって終了した。これは最終刊。

シリーズ全5冊で、橋本の時事評論はこの作品で最後と言っているけど、機会があったら続けてもらいたい。橋本本は眼につけば読むようにしているけれど、発刊がやつぎばやで追いつかない。これほど多作でいて密度の濃い作品群を書き続ける作家を他にしらない。ちょっと、方程式文体で慣れないと読みずらいかも知れませんが、機会があったら読んでみてください。ただ、彼の小説は苦手でまったく読み通せたことがありません。なぜかなぁ?