

伊東深水の印刷ものの美人画ですが「特許バントン製版印刷」とあります。ごらんのように印刷は緻密(業界では網点・線数が細かいというのですが)で、特色刷りによる工芸印刷の一種のようです。和紙に刷られていて、かなり前の印刷のようですが不明です。昭和40年代でしょうか? つい気になってヤフオクで落札してみたものの、さっぱり分かりませぬ。


野村胡堂の銭形平次捕物控「青い眉」昭和23年、報知出版社刊の、鈴木朱雀による表紙原画です。戦後の仙花紙本の表紙ですね。こんなものがヤフオクに流れているので、ついネット検索が習慣になってしまいます。よく見ると、鉛筆による下書きが透けていたり、眺めていて飽きません。ただ、戦前の古雑誌類もやおら人気がでてきたのか、気軽に落札できなくなってきましたね。挿絵原画がだめなら古い装幀本、次が古雑誌と次善の端値品へ目先を変えてきましたが、この次はどうしますかね。
サラ・ストロマイヤー「バブルズはご機嫌ななめ(2001年)」は、久しぶりにBook Off 100円本です。記者をめざして奮闘する主人公は30代バツイチの美容師ヤブロンスキー。10代で産んだ高校生の娘といっしょに暮らしている。とにかく災厄が向こうからやってくるにぎやかなユーモア(コミック)ミステリで、アガサ賞を受賞している。前にも書いたけど、やはりギャグのセンスが日米で(たんに私が?)違うのか、なかなか馴染めません。まぁ、若い人はへっちゃらなんでしょうがね。読みやすい細美瑶子の訳でした。