
新潟県にある大和デパート全3店がすべて撤退というニュースに驚きました。地元長岡店もたしかにお客の入りは今ひとつで、前から撤退の噂はあったものの、いざとなるとね。昭和40年代くらいまででしょうか、屋上がミニ遊園地になっていました。今でいえばディズニーランド感覚で、街へ出るときは盛装して、楽しみでした。入口脇には黒めがねをかけた白い病衣姿の傷痍軍人が、アコーディオンやヴァイオリンをかき鳴らして、首には喜捨箱をさげて、もの悲しくね。
撤退を惜しんで情報誌で特集やりませんかとのY崎さんの提案で、編集長から打診してもらうことに。店内にちょっと気になるマネキンがあるのですが、ランジェリーを着込んでいてさすがに撮影もできずにいたのですが、うまくいけば取材名目で大きな顔していけますね。そうそう、撤退についてはテナント筋も寝耳に水だったようです。なんでも、撤退はもう少し先延ばしのつもりが新聞社にすっぱぬかれて、しかたなく前倒しになってしまったそうです。まぁね…



今冬制作した「ひな人形はがき」の一枚、旧与板藩主の人形は資料館の持ち物だと思い、許可もとらずに描いたら市内コレクターSさんの持ち物と判明し、午後からおわびにうかがいました。これが蔵付きの旧家で、すっかりうれしくなって2時間ほどもおじゃましてしまいました。カメラは貸出し中で手ぶらで行ったのが、いかにも残念。再度、おじゃまさせていただきますとお願いしてきました。古い蓄音機や檜箪笥など、ありましたね。蔵の木組みにクサマキという木材が使われていて、初めて見る材でしたね。


さて、昭和11年のサンデー毎日から湊邦三「暴風雨(あらし)の男」ひいき筋・鴨下晃湖の挿絵です。継母に虐げられる姉弟、姉は美人をいいことに浜の親分の妾にと無理強いされて。しかし、姉はかつて暴風雨の夜に突然現れた若いお侍の面影が忘れられない。まぁ、シンデレラストーリー「いつか王子様がやってきて」ってやつで、筋はどうでもいいのですが、挿絵は脂がのりきってますね。横溝正史「人形佐七捕物帖」岡本綺堂「半七捕物帳」柴田錬三郎「眠狂四郎無頼控」あたりが代表作になります。