最近、同僚から紹介してもらった「ゴブリンスレーヤー」1~2巻を読みました。
読み終わって、改めて振り返ってみると、なるほど「ランチェスターの経営戦略」がここでも活きてる!と感心したので、ブログのネタに取り上げてみることにしました。
いわゆる、ラノベ(ライトノベル)ですね。中高生向けかな。挿絵の女の子がかわいいから読んだわけではないです。とはいえ、嫌いではないですが。(^^;
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普通の人間(只人)だけでなく、エルフ(森人)や魔法が使えるドワーフ(鉱人道士)が出てきて、ロード・オブ・ザ・リング(指輪物語)のような世界観に加え、冒険者が魔物を退治するとレベルが上がっていくという、まるでゲームをノベライズしたような感じです。
ただ、初めに注意しておきますが、全く企業経営の話ではないですし、万人向けではありません。
初心者向けの魔物がゴブリンという設定ですが、このゴブリンの醜悪さをリアルに描写するものだから、新人冒険者がゴブリンに蹂躙されるシーンなどは、見るに堪えません。これを割り切って読める人でなければ、正直お勧めできませんし、嫌悪感しか残らないでしょう。
さて、ここからが本題。
なにが、ランチェスター的なのかというと、ちゃんと「弱者の戦略」にのっとっているということです。
ランチェスター戦略では、経営戦略を強者が取るべき戦略と弱者が取るべき戦略は異なる、と考えます。
強者とはその市場におけるナンバーワン企業で、
弱者とはナンバーワン以外のすべての企業を指します。
ゴブリンスレーヤーの世界では、冒険者のランク(レベル)があり、最上位の白金等級や金等級といったから、新人レベルの白磁等級まで、10段階に分けられています。ゴブリンは、新人向けとされていて報酬の安いし、評価が低いので、上位の冒険者は敬遠します。しかし、主人公「ゴブリンスレーヤー」は、ある過去の出来事からゴブリンのみを対象としていて、冒険者の中でも変わり者扱いされています。
しかし、そんな彼はゴブリンだけを相手にしていながら、銀等級で、実質勇者扱いの白金等級や、政府軍最強である金等級を除けば、在野最高の等級まで上り詰めています。
つまり、多くの冒険者(競合他社)がいて、白金等級や金等級(マーケットリーダー、ナンバーワン企業)がいる中で、どうやって生きていく(売上を上げる)か。
ランチェスターにおける弱者の戦略は、「差別化」です。
ナンバーワン企業の真似をしても、弱者には勝てません。規模の経済もノウハウもナンバーワン企業より少ないわけですから。差別化を図ることで、ナンバーワン企業にはない強みを顧客に認めてもらい、選んでもらう。
「ゴブリンプレーヤー」も、まさに弱者の戦略で、皆が敬遠するゴブリン退治に特化することで、他の冒険者との差別化を図り、冒険者の中で認識されていたわけです。『ゴブリン退治といえば、ゴブリンスレーヤー』 という感じで。第2巻では、水の都からゴブリンスレーヤーに名指しで依頼が来るところなど、まさに差別化による効果といえるでしょう。
というわけで、ラノベでもランチェスター戦略が使えることが証明されました。
ではまた。