燕は戻ってこない  第8話 | マタのブログ

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サッカー・・・やら親爺の独り言

分かってはいたけど、むずかしい局面に入ってきました。

 

 

 

リキは関係を持った二人の男に

「もし、あなたの子供だったら認知してくれる?」

とラインします。

 

 

 

北海道の妻子持ちの男は明らかに嫌がっています。

 

沖縄の男は何も考えていなくて、一緒に住もうよ、と。

 

 

 

リキは、草桶家から1,000万円の報酬で

代理母になる契約をしておきながら

人工授精当日の数日内に、二人の男と関係してしまい

それを草桶悠子には事実を話していました。

 

悠子は、基に対する複雑な気持ちもあってか

基にそのことを話します。

 

 

 

 

 

当然、基は「なぜ、こんなバカなことが起きるのか」と

激しく混乱し、「契約違反だ」と怒りをあらわにします。

 

怒りとは悲しみです。それだけ深い悲しみだということ。

 

 

 

中絶して、もう一度やり直す、、というのが

一般的には「非のない」基の当然の気持ちではあります。

 

 

 

 

 

基はリキに会って、それを話します。

 

 

 

リキはやっぱりダメ女です。

お金のことや「子を育てる自分の苦労」のことばかりです。

 

リキ自身は中絶したい気分なのですが、

その決断を自分ではしないで、基にさせようとします。

 

 

 

この点では、悠子も基本的に同罪です。(希望は出産ですが)

 

 

 

 

 

 

 

 

この話の本題です。

 

 

 

「命」について、どう感じるべきか。人間として。

 

 

 

 

 

生れる前なら、中絶して命を絶つことに

罪悪感を感じないのか・・・

 

誰の子供か分からない子供は育てたくないのか・・・

 

誰の子供か分からない子供は愛せないのか・・・

 

 

 

 

 

非常に重たくて、難しい「倫理」の問題です。

 

 

 

自分ならどうでしょうか。

 

 

 

 

 

基は、録画された双子の胎児の動画を

何度も何度も見ます。

 

写っている胎児は、すでに赤ちゃんに見えます。

小さな人間にしか見えません。

 

 

 

 

 

しかし、この小さな二人の胎児の父親は

契約主である基なのか、北海道の既婚男なのか、

沖縄のチャランポランの風俗男なのか分かりません。

 

 

リアルな動画を見続けた基は

「間違いなく人間である二人の胎児を殺すこと」に

嫌悪感が湧いてきているように見えました。

 

まともな人間であれば、おそらく同じでしょう。

 

 

 

ただ、自分の子供ではない子供を育てていくことに

様々な苦難が待ち受けているのは、誰が考えても

当然で必然で、「子供を愛せるかどうか」も不安です。

 

 

 

 

 

基は、自分のDNAである自分の子供をのこすために

リキへの報酬として1,000万円、不妊治療をコーディネイトする会社に1,000万円の計2,000万円を払うのです。

 

それでも、自分はその茨の道を進むのか・・・

 

 

 

 

 

世の中には、子供に恵まれず

「里子」を育てている人々もおられます。

 

ですが、自然な摂理とは違う道なので

必ずしも、関わっている人たちや子供本人が

心から幸せなのかどうかは分かりません。

 

 

 

大変に難しい問題です。