こんにちは。

 

 

そろそろ九州北部も梅雨明けかな…と思わせる天気です。

 

 

暑いですね。

 

 

そんな時こそ、涼しい時間、場所を選んで運動して、体力を維持しておきたいものです。

 

 

 

 

さて、今回は、

「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」

の策定に携わった

澤田 亨(さわだ すすむ)先生(早稲田大学 スポーツ科学学術院 教授)

のお話を聴いて思ったことをお話します。

 

 

澤田先生とは、年齢は違いますが同じ師匠の元で健康づくりの運動について学んだという点で共通しています。

 

 

澤田先生は、世界的に有名な「東京ガス研究」をはじめ、公衆衛生の分野で活躍されています。

 

 

本日、母校で行われた談話会で、澤田先生のお話を直接伺うことができたことは幸運でした。

 

 

澤田先生は、大学3年生の時に師匠が厚生省の委員として「健康づくりのための運動所要量」の策定に携わっていたのを間近で見ておられたとのこと。

 

 

その後、

「健康づくりのための運動指針2006<エクササイズガイド2006>」

「健康づくりのための身体活動基準2013」及び「健康づくりのための身体活動指針(アクティブガイド)」

の策定に携わってこられました。

 

そして、今回の

「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」

です。

 

 

本日のお話では

ここに「基準」というものをあえて出さなかった経緯について、語ってくださいました。

 

 

「え?基準がないと、どのぐらい運動したらいいか分からんやん?

だいたいの目安でいいけん、教えてよ?」

と思われるでしょう?

 

 

ところが、です。

個別支援においては数字を用いる方が良いのですが、

これを大多数の人々に知らせる、ということになると話が違います。

 

 

なぜ「基準」を出さなかったかというと

「基準」を設けてしまうということは、「個別性」を打ち消すことになってしまうから、というのです。

 

 

つまり、統計学を正しく用いなさい、ということ。

 

 

「検定」で「有意差あり」となったとしても、サンプル数の大小で効果量は変動してしまう。

 

 

となると、1人の人の運動メニューを考える時に、そこで出てきた「基準値」は意味をなさない。

 

 

 

 

公衆衛生に携わる澤田先生の言葉は、私の胸に深く刺さりました。

 

 

 

 

 

 

健康づくりの支援現場ではよく、「だいたい私ぐらいの年齢だとどのぐらいの負荷でやってるの?」と尋ねられます。

 

 

実際のところ、あまりに幅がありすぎて、答えようがないです。

 

 

そして、その人の体力レベルに合わせた負荷で運動しないと、安全と効果の両面から良くないので、質問として意味がないのです。

 

 

なので返答としては

「人それぞれで幅があるので、ちょっとお答えしづらいですね。●●さんの今の運動状況や体力に合った負荷で運動しましょう」

ということになります。

 

 

 

 

 

 

澤田先生は、表に出てくる数字の読み取り方について、注意喚起してくださったのです。

 

平たく言えば、「無理がなければ、いまよりも多く身体を動かすようにしましょう。そうすることがあなたの健康状態を一層良くすることにつながりますよ」

です。

 

 

 

いま世の中に必要なメッセージとして、

「基準」よりも「方向性」を示すことを重視されたその想いに触れることができて良かったです。

 

 

 

 

澤田先生の60分間にわたる講義が終わった後、感想を伝えにいくと、快く応じてくださいました。

 

Yu「数字の読み取り方、とっても参考になりました。健康づくりの支援現場では、数字に振り回されて困っている人も少なからずいます。そんな方々に道を示すのが私たち運動指導員の使命だと改めて思いました」

 

 

澤田先生「そうですね。これから先、AIが発達して運動の知識を示すことはできたとしても、継続させることができるのは、人間だと思いますよ。ぜひ、若手の運動指導員の皆さんには、そのことをしっかり伝えていきたいものですね」

 

 

Yu「はい!」

 

 

同じ師匠のもとに学んだ兄弟子の言葉として、大いに励みになりました。

 

 

 

 

ここまでご覧いただき、ありがとうございました。

 

 

愛・感謝のエネルギーを送ります。