ミイラ「永遠の命」を求めて① | 散策日記Ⅰ

散策日記Ⅰ

美術館&博物館で開催された展覧会の記録、それにまつわる散策記です。

さかのぼって7月29日(木)

 

大阪南港ATCギャラリーで開催中の「ミイラ『永遠の命』を求めて」を見に行きました。

 

 

ミイラ展なら来春に神戸市立博物館でも開催しますが、そちらは古代エジプト文明に特化したもの。

 

 

今回のミイラ展は、世界中から42体のミイラが集結。ミイラを科学する展覧会です!

 

 

7月平日限定ナイトチケット(1,200円)で入館し、浮いたお金で音声ガイド(600円)を購入。大沢たかおさんの声がちょっぴりホラーでした。

 

 

それでは早速、展示内容に移ります。本文は特別展「ミイラ」の公式サイトを参考にしました。

 

 

第1章 南北アメリカのミイラ

 

まず始めに。ミイラには自然ミイラと人工ミイラがあります。

 

 

現存する世界最古の自然ミイラは、米ネバダ州の洞窟から発見された「スピリット洞窟のミイラ」。約1万年前の40歳ぐらいの男性と推定されています。

 

 

しかし、最古のミイラは、南米大陸の太平洋沿岸地帯から中央高地にかけて存在していた古代アンデス文明のミイラで、現在はNAGPRP(アメリカ先住民墳墓保護・返還法)で返還されて埋葬されています。

 

 

ちなみにアンデス文明とは、1532年のスペイン人によるインカ帝国征服以前に、現在の南米大陸、ペルーを中心とする太平洋沿岸地帯およびペルーからボリビアへつながるアンデス中央高地に存在した文明です。

 

 

また、チリ北部海岸の砂漠に住んでいたチンチョーロ族が人工ミイラづくりを始めたのは約7000年前にさかのぼります。

 

 

そして現時点では、紀元前3200年頃、チリ・アタカマ砂漠で発見された「子供のミイラ」が、現存する世界最古の人工ミイラとされています。

 

 

インカ帝国時代(1438-1533)、ミイラは社会的に重要な意味をもっていました。それを端的に示すものとして、ペルー北部の高地に位置するチャチャポヤス地方で発見されたミイラが有名です。

 

 

この地方では、インカ帝国がこの地方を征服する以前から先祖の遺骨を布で包み、崖の岩棚に安置する風習がありましたが、インカ帝国の支配後に、ミイラのつくり方が変わったことが分かっています。

 

 

古代アンデス文明では文字が残っていないため、ミイラの背景にある思想的・宗教的背景ははっきりと分かっていませんが、「遺体を保存し、生きているように訪問して敬う」という先祖崇拝の一つの在り方として理解することができます。

 

 

文字を持たなかったインカ帝国では、「キープ(紐に結び目をつけて数を記述すること)」という手法を用いて、出来事などを記録していました。解読可能になれば、さまざまな史実が浮き彫りになることでしょう。

 

 

今日はここまで。次に続きます。