現代日本の美意識+α | 散策日記Ⅰ

散策日記Ⅰ

美術館&博物館で開催された展覧会の記録、それにまつわる散策記です。

先日の続き。


 

 インポッシブル・アーキテクチャーの後は、国立国際美術館のコレクション展を見ました。


 

 

 具体美術協会のリーダーであり、抽象画のパイオニアでもあった吉原治良(1905-1972)氏。「無題(1971)」は、一度見たら忘れられない衝撃的な作品。丸を描いたのではなく、周りを塗って浮かび上がらせていたとは意外でした。


 

 

 具体美術協会のメンバーは、人まねでない奇想天外な作品を生み出しました。例えば、白髪富士子(1928-2015)氏の「無題(1955)」。和紙をくしゃくしゃにしたものを作品だと言い切れるのもすごい事です。


 

 

 井上有一(1916-1985)氏は、戦後まもなく世界的に高い評価を得た、数少ない日本の現代書家です。「愚徹(1956)」は初期の代表作。決して上手とは言えない字で敢えて愚かさを表現した作品です。


 

 

 桑山忠明(1932-)氏は、1960年代のアメリカにおけるミニマル・アートの先駆者の一人として知られている作家です。


 

 

 装飾性をそぎ落とし、単純な色や形を用いたミニマル・アート。「無題(1973)」は、空間の雰囲気を味わうインスタレーション作品でもあります。



 

 下道基行(1978-)氏の「torii(1978)」シリーズより「台中・台湾」。鳥居が横たわっているという大胆な構図が印象に残る作品です。



 

 木村友紀(1971-)氏は、写真の上に関連するオブジェを置き、過去と現在をつなぐインスタレーション作品を生み出した作家です。「無題(1996)」は、京都市立芸術大学を卒業した頃の作品。現在はベルリンを拠点に活動しています。




 

 小沢剛(1965-)氏は、アーティストグループ「昭和40年会」のメンバーです。「なすび画廊―松蔭浩之展(1994)」の松蔭浩之(1965-)氏も同アーティストグループのメンバーです。


 

 

 中村一美(1956-)氏は、独自の造形言語を用いた抽象画を描いた作家です。「破庵17『刺繍平標』(1996)」にもその特徴が見られます。2015年「芸術選奨文部科学大臣賞」受賞。現在、多摩美術大学絵画専攻油絵学科の教授になっています。



 

 「two tree songs(2006)」の作者、杉戸洋(1970-)氏は、メルヘンチックで物語性のある絵を得意とする画家です。「平成29年度(第68回)芸術選奨、文部科学大臣賞」受賞。現在、東京藝術大学美術学部絵画科油画の准教授になっています。


 

 

 小清水漸(1944-)氏は、1960年代後半から70年代にかけて台頭した「もの派」グループの中心メンバーとしても知られています。「浮島・赤い(1986)」も、ありのままの物質をそのままの形で配置した「もの派」らしい作品です。


 

 

 国立国際美術館は、地上1階地下3階の建物で見かけより広く、展示物が盛りだくさんでした。全部見るのに3時間はかかったと思います。


 

 

 国立美術館を出たのが午後4時過ぎ。満員電車を避けるため、寄り道せずに帰りました。


 

 

 不動産屋の角を曲がり、なにわ筋へ。


 

 

 玉江橋から臨んだ堂島川の景色。国立国際美術館の隣に大阪市立科学館があるのが見えます。


 

 

 こんな所に探偵ナイトスクープの発信地、朝日放送局を発見。


 

 

 芸能人が出入りする建物なので、出入口は厳重警戒体制でした。