方丈は維摩居士(ゆいまこじ。経典の中で活躍する居士の名)の室が1丈(約3m)四方の広さであったという故事に由来し、禅寺の住職(和尚)が住む所という意味に転じました。
方丈には6つの部屋がありました。
礼の間(れいのま)は、和尚と修行僧らが集まり、公式の茶会や儀式を行った所です。
室中(しつちゅう)は、護持仏や祖師像、位牌を祀る部屋です。
檀那の間(だんなのま)は、経済面で寺や和尚らを保護し、世話をする信者と和尚が、お茶などを飲みながら親しく会う部屋です。
上間(じょうかん)の別称は衣鉢間(えはつのま)です。衣鉢とは、出家僧の最も大切な三つの衣(袈裟のことで五条、七条、九条)と鉄鉢(食器)を納める所です。
眠蔵(みんぞう)は、物をしまう所です。
下間(げかん)は、書院の間とも呼ばれます。今でいう応接室です。
方丈は人と触れ合う場所だったようです。おそらく外が明るい時間帯だけ使っていたことでしょう。
龍源院を出ました。次に続きます。