ひよどりのにっきちょう -28ページ目

軽井沢二日目

浅い眠りから覚めたのは、早起きのFさんと牧師さんの話し声とおいしそうな朝食のにおいがしたから。

ああよかった、指の痛みは消えている。白いでっかい水ぶくれがあるけれど、バンドエイドで補強すればなんとか弾けそう。偉大なり、アイスノン!


10時、オーボエ奏者のNさん、続いて弦の人々もやってくる。

リハーサルはいつものようにあわただしく、気がついたら開場30分前!


そして開演。

オープニングはダカンのノエル。バンドエイドを気にしないようにして、とにかく楽しく弾く!

そして無事に全プログラムを終了。


しかし、ここのオルガンを楽々とひくためには、もっと腹筋を鍛えなくてはいけない。

毎晩腹筋はやっているのだが、もう少しハードにトレーニングする必要があるかもしれない。


そんな反省をしながら帰宅。


夫は、ビデオの山をDVDに移し変える作業と、ビール作りに夢中。

軽井沢一日目

朝、大荷物を抱えて出発。

A大学聖歌隊のR君から激励のメール。彼らも確か今日コンサート。エールを交換する。


横浜から東海道線で東京駅へ。急いで新幹線の切符を買ってホームへ。

新幹線ホームのお弁当は、どれも食指が動かないことこの上ない!小田急ロマンスカーのお弁当のほうがよほど魅力的。

新幹線内で幕の内弁当購入。これもあんまり・・・。まあ、文句を言わずに食べる。


軽井沢着。なんと、スキー場へ来たような冷たい空気!窓の外には雪が・・・。

信濃鉄道で御代田へ。そこからはタクシー。

きりりとした空気が気持ちよい!


教会到着。すぐにオルガンの練習。

音響の良い硬い木の空間。ライル社のオルガンが豪華に響く。

暗くなるまでたっぷり練習。

ゲストハウスに移って、軽井沢で買ったお弁当(東京駅よりおいしい!)を1人で食べる。

あかあかと燃える暖炉の火の前で、温めた牛乳を飲んでいると、老牧師さんがやってきた。

93歳。でもまったく元気!四方山話に花が咲く。


7時、ソプラノのFさん到着。再び教会へ行って合わせる。


あとは寝る時間までFさんとおしゃべり。

しかし、ここで大失敗!

暖炉が気に入って、薪を投げ込んだり、悦に入って遊んでいた私、

なにげなく暖炉の鉄の扉に素手でさわってしまった!

一瞬の出来事。左手の人差し指と中指をヤケド。

いた~い!痛くて、弾くどころか眠ることもできない!


幸い冷凍庫にアイスノン発見。

ベッドに持ち込んで、指をアイスノンに触れながら眠る。


厳寒の軽井沢で、寝床にアイスノンを持ち込んだ人間は滅多にいないだろうな。

交渉、交渉

朝からゼミコンサートのために始動。ピアノを借りるために業者さんに交渉、そして成立!

Mピアノさん、いろいろほんとうにありがとうございます。

会場となるF駅前キャンパスに電話、第一回リハーサルの2月6日から本番11日までピアノを会場に置かせていただくよう交渉、これも成立!

この6日間は、あのエントランスに二台のグランドピアノが設置されます!


明後日コンサートをする軽井沢の会場に電話。明日1時からオルガン練習をさせていただくことに。

軽井沢は雪が降っているそうだ。

明日は朝早く新幹線で発ち、一泊する。


今日は洗濯、掃除。それからダカンのノエルを練習。指がまわらない~


明後日のプログラムは、

レーガー "Weihnachten"

シュッツ "O Jesu, nomen dulce"

バッハ "Nun komm, der Heiden Heiland"

ゼレンカ 教会ソナタ

ショーヴェ ノエル

ダカン  プランジュとデュオのノエル

ブクステフーデ カンタータ "Herr, auf dich traue ich"

ブクステフーデ 前奏曲、フーガとシャコンヌ


雪のクリスマス・コンサート。場所は林の中の美しい教会。よい雰囲気になりそうだ。


TV収録

1限、ヨーロッパの大衆音楽。今日はゴスペルについての学生グループ発表。

ゴスペルの発生、本質、そしてその後の大衆音楽化について、よくしらべていた。


授業後、来年春のオリエンテーション合宿の学生リーダーを募る。

聖歌隊のMちゃんをはじめ、女子6人が積極的に手を挙げてくれた。年内に決まってよかった!


2限の時間帯はチャペルでU先生と、今夜のTV収録のうちあわせ。クリスマスキャロルを一曲準備。


昼食後はゼミ学生と2月のコンサートについて相談。シンセサイザーやキーボードは使用できないらしい。ピアノを業者から借りるか?という大胆な発想がわく。早速知り合いの業者に電話して費用を問い合わせる。意外と安く借りられるかもしれない!借りられれば、「ラプソディ・イン・ブルー」は二台のピアノ(それぞれ連弾・8手)、ヴァイオリン1、トロンボーン1、チェロ2、ソプラノソロという編成になる。


学生のレポートを整理。その後、たまりにたまった事務仕事。


ゼミコンサートのチラシ原稿をゼミ生K君が届けに来る。大急ぎで350枚印刷。10日のオーケストラ定期演奏会で挟み込みをしてもらうことに。


4時20分、礼拝。

そして聖歌隊の練習。さらにTV収録。

どうも番組が私たちの活動とはミスマッチ。いきなり質問されてもなんと答えて良いやらわからない。

やたらと専門的に話すのも嫌味であろうか、などと考えると、言葉が出てこず作り笑い。

非常に疲れた。

この収録のために一番苦労したのはKちゃん。ほんとうにお疲れ様!

サティ

朝から、私が委員長をつとめる某委員会。


その前にチャプレン室へ寄って、予算のこと、聖歌隊ガウンのこと、クリスマス礼拝の流れなどを確認する。

委員会は構成メンバー3人なのに、1人が来ない・・・。結局2人で、来年度の学群合宿のことなど相談。

お昼はピアノのM先生と職員食堂で。先生、口内炎ができていて食事が大変そう・・・。お大事に。


先日の私の指揮をする姿が、今をときめく女流指揮者Nさんに似ていると、M先生ったらうれしいことを・・・。ミーハーな私は単純に喜んでしまうのであった。


3限、ゼミ。今日はサティの音楽について。

ヴァーグナーやチャイコフスキーの好きなヴィオラ少女のTちゃんと、音楽高校ピアノ科からやってきたリストの好きなHちゃんにとって、サティは快い音楽とはいえないらしい。ジムノペディなど、ずっと聴いているのが苦痛だ、とまで言う。この終わりのない音楽を好む人も多いのだが。


思うに、キリスト教の影響下に育ったヨーロッパ文化は、終末に向かって進む直線的な性質をもっていた。彼女たちが好む音楽には、ドラマがあり、終結がある。

しかし、ロマン派に反旗を翻した形のサティの音楽は、輪廻を思わせる円環を描いており、終結を徹底的に忌避している。

今の若い世代は、はっきりとした終息感のない音楽に慣れているかと思っていたが、クラシックを愛好する若者たちにとっては奇異に聴こえるらしい。


映画などもそうかも。

以前、オルガンを教えていたIさんという人は、仏文科出身でフランスのヌーベルヴァーグ映画を好んだ。しかし、私は恥ずかしながら、どちらかというとハリウッドの大スペクタクルが好きで・・・。彼女が感動する映画の良さが結局無粋者の私にはわからなかった。ストーリーのない、結末のない映画。


確かにハリウッドの大スペクタクルは現実とは無縁の作り物のドラマであり、どうにもならない人間の心を描いた結末のない映画のほうが現実に近いのかもしれない。サティの音楽のように。


4限、オルガン。

そして5限は教授会。

今日も余裕

いつものようにI短大へ。1限礼拝。そのあと、学長室でコーヒーをごちそうになる。

昼食は学食へ。この短大の学食は美味しい!

聖歌隊顧問のN先生に、先日のガウン拝借のお礼を言う。

3限オルガン。

一度帰宅して洗濯、掃除。

夜は大学聖歌隊のミーティングへ。



ちょっと余裕の日

2限、ヨーロッパの大衆音楽。今日の発表は映画音楽その2。ディズニーアニメの音楽について調べたようだが、持ち時間の3分の2は「白雪姫」のビデオを上映することに使っていた。う~む・・・


3限の時間帯は、教務関係の書類作りをしなければならないのをちょっと脇において、軽井沢コンサートの練習をする。

それからTV収録のための資料を作り、チャプレン室に送信。

さらに5限の準備。

隣のM先生の研究室から、素敵なトロンボーンとピアノの曲が流れてくる。あのトロンボーンは、私のゼミ生でもあるHぎーだな。しかしM先生、ホルン奏者なのにピアノも上手だなあ。


5限、宗教音楽史。初期バロックからバッハまで。やっとバロックまでやってきたが、この科目は週一回なので今学期の授業は残り少ない。やはり14回では足りないなあ・・・。


今日は余裕のある一日であった。

演奏さまざま

教会はクリスマスの準備で盛り上がっている。子供たちはお祝い会の紙芝居作り。

婦人会ではクリスマスカードや手作りのお人形、ブローチなどを作る。私も今日、手作りのふわふわスノーマン人形をいただいた。


ミニバザーでは九谷焼の湯のみ二個と入浴剤を購入。夫はやたらと古本をあさっている。

聖歌隊は、24日イブ礼拝の歌、25日クリスマス礼拝の歌、そしてお祝い会の歌を練習。


さあ、私は来週日曜日の軽井沢コンサートの練習に入らなければならない。これがまた盛りだくさん。


夜、ガーディナーのメサイアCDを久々に聴く。

ガーディナーは、マタイ受難曲とロ短調のCDを買って、両方にがっかりして以来、メサイアを聴く気がしなくなっていたのだが、じっくり聴くとこれは良いなあと感じる。8分の12拍子のRejoiceも楽しい。穏やかで揺れるようなBut thanks、ピアニシモのAmenの入り、ああ、なんと憎い!素晴らしい。


ピノックにしても、ガーディナーにしても、コープマンにしても、アーノンクールにしても、オリジナル楽器による演奏は、私たちのようなモダン楽器による演奏とは、当然ながら音楽の作り方が根本的に違う。世界がまったく違う。

オリジナル主義の演奏はたいそう興味深いし、修辞学に基づき、それを明確に表したアーティキュレーション(修辞学をこれでもか、と前面に打ち出した演奏も含めて)には納得させられる。勉強にもなる。一言もない。


しかし私自身はどうかというと・・・


オリジナル楽器でバロックを演奏したいと思わない私である。これは「居心地」の問題かも。


戦い済んで

8時起床。久しぶりのお休み。本当は今日、熊本へ出張のはずだった。しかしあまりに過密な私のスケジュールを知って、R先生が「大丈夫、私が行くから」と言ってくださったのだ。

今日もし熊本へ飛んでいたら、体調こわしていただろうなあ。6時過ぎには家を出ることになっただろうし。R先生ありがとう。

午前中はゆっくり洗濯、掃除。そして午後はお昼寝。

弟が訪ねてくる。きのうのメサイアにかなり感嘆した様子。「若いっていいよねえ。独唱者も一生懸命でかわいいねえ。みんな上手だし、いやあ良かったよ!」と。


夕方、A大学聖歌隊のクリスマスコンサートを聴きに、夫と二人で出かける。


ひさびさの「都会」。ちょっと贅沢に、帰りにロシア料理でスタミナをつける。

帰りの電車で沈没・・・今日はもう寝ます。

そして本番

夫は、私のあまりのどたばたぶりに、大学を休んで車を出してくれた。これがとても助かった!

午前中、I短大へ。借用願いを書いて、聖歌隊用ガウン三着を借りる。

お昼にチャペル近くで卒業アルバム用のサークル集合写真を撮る。

そして2時半、部室から今日使うものいろいろ、プログラム、32人分のガウンその他を車に乗せ、会場へ出発。部員はバスで移動。

3時、到着。直ちに舞台設営。

その間にもさまざまなハプニングが・・・。何も言わずに裏で解決のために奔走してくれた夫には、本当に感謝。

5時半開場。順調にお客様が入る入る・・・。たちまち満席に。

そして開演。


開演してしまうと、あっというまに終わったような気がする。

同じコンサートでも、オルガンを弾いているときとはずいぶん違う。

オルガンの演奏会では、大海原を一人で航海、長い旅をしている感じ。

大波のような曲、穏やかに晴れた海のような曲、さまざまな状況下で船を操縦していく。

しかし合唱を指揮しているときは、メンバーのパワーと一体になるので、強烈な光の中を飛んで行くようだ。

自分ひとりでは作りえない大きな音楽を作ることができる。一度指揮をするとその魅力にとりつかれる。


演奏は、とてもよかったと思う。若者たちの渾身の演奏が、聴衆にもよく伝わったと思う。

おとなりのA大学のN先生(法学者だが音楽が大好きで、最近は車にメサイアのCDを積んで運転の時にはいつも聴いている、という怖いお方。今日もスコア持参!!)が、大変興奮されて絶賛。なかなか帰ろうとなさらなかった。「こんなにすごいメサイアが聴けて、本当に幸せです!合唱も素晴らしいし、独唱にも感動した!ソプラノの子も、アルトの子も、テノールも、バスの子も、ほんとうに上手だ」と。


来年は二回公演するぞ!