前提を疑って考えてみる | サポートライター みけ の独り言

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今回の話題は「前提を疑って考えてみる」としました。問題を解決したいような場合、示された問題だけを見てしまう事で、前提となる条件を動かせないものとして勘違いしてしまう事って、ありませんか。ほんの少し条件を変えてみたらすぐに解決してしまったという経験は誰にでもあるんじゃないでしょうか。

これは何も前提となる条件だけの事ではありません。解決したい問題に制限を加えるような条件が、じつはさほど重要なものでもなかったということ、よくあることだと思います。もしそうなら、逆に何らかの条件を追加してみることだってできる例があるかもしれません。

条件の追加や削除はともかく、前提を疑ってみるという思考法はクリティカルシンキングと呼ばれています。日本語では「批判的思考」と訳されていますが、実際のところ「批判的」というよりも「批評的」という方が近いともいわれているようです。

このクリティカルシンキングの手順ですが、まず取り組む問題を明確にします。そのうえで、状況を確認して現状に至った理由を考えつつ、その根拠を確認します。この時に、前提となるものを疑ってみることで根拠を探ります。そして問題となっている現状とその根拠とのつながりや関係を確認するといった順序で行います。

この順で見ていくと、以外に根拠があいまいだったり、根拠はしっかりとしているにもかかわらず拡大解釈をしていたり都合よく捻じ曲げていたり、そんな部分が見つかったりするんです。そんな部分が見つかったら、当然修正しますよね。でも修正の前に、見つけなければなりません。そのためには片っ端から疑ってみる、「ホントにそうか?」と考えてみる事が必要です。

「ホントにそうか?」、出来ればこれに加えて「もし、~だったら・・・」といったことを考えてみるのもよいでしょう。条件となる制約のところを変化させてみるんです。制約自体を追加してみたり削除してみたり、さきほど後回しにした部分を持ってきて活用するんですね。ちょっと手間かもしれませんが、この作業を行う事で、制約になっていたところに対する見方が変わって来たりすることもあるんです。

土台でもある、そもそものスタートの位置がズレていたり向かう方向が違っていたりすれば、ちゃんとしたゴールに辿り着くなんて出来ませんから。それを確かめてみるというのは大切な事じゃないでしょうか。

ただ、問題解決の場合に大変なことは「何が前提になっているか」を発見することでしょう。なぜなら、前提というようなものは関わる人がほぼ全員「当たり前」に思っていることが多いと思われますので、それをあぶりだして「この前提がおかしい」と主張するのは、大変な労力や観察眼が必要になります。

ですから、その前提がおかしいと感じるのであれば、その根拠や理由が必要になります。もし何らかのデータがあって前提が決まったのであれば、その当時のデータの確認や現在の状況を確かめるためのデータ取りなども必要になるでしょう。また、なぜその前提になったのかといった思考や論理の過程を振り返ってみる、確かめてみるということも求められます。
それほど、当たり前を覆すのは大変なことなんです。

それが確認できて、初めて次のステップに移ることができるんですね。次回はフレームについて考えてみましょう。