サポートライター みけ の独り言

サポートライター みけ の独り言

電子書籍のはなし、文章のはなし、ことばのはなし、書く事、話すこと、ゆめのたねで喋っていることなど、言葉にまつわるいろいろなことを中心に、書いてみたいと思っています。

 

前回の「批判的思考」の話から、しばらく時間が経ってしまいましたが、今回はその続きです。前回の話しは「批判的思考について」、どんな考え方かといった内容でしたが、社会人として必要な資質や能力であるならば、どんなメリットがあるのか知りたいですよね。今回はそんな話です。

クリティカルシンキング(つまり批判的思考)が必要なモノならば、誰だって身につけておきたいと思うでしょう。中には、ある程度の事は分かっている人もいるでしょうし、よく知っている人だって居るかもしれません。ただ、慣れていない人も多いことだと思います。

そんな、慣れていない(かもしれない)人もクリティカルシンキングの手法を身につけようとするならば、それ相応のメリットが無ければガンバって取り組もうとはしないでしょう。先ずはメリットの辺りから考えてみたいと思います。

クリティカルシンキングのメリットを挙げていくと、個人的な応用も含めて考えるならば、

一つ目、「騙されにくくなる」ということでしょうか。これは怪しげな口コミなども含めての話になりますが、メディアによる報道やウワサ話など、私たちの身の回りではいろいろな情報が飛び交っています。その中には正しいものはもちろん数多く存在しますが、中には怪しげなモノ、にわかには信じられないようなモノ、不安を煽るだけのモノなど、どう考えてみても「誰も得をしない」おかしな情報も溢れています。

クリティカルシンキングの手法を応用するならば、懐疑的にその情報を捉えることで矛盾点や事実に合わない内容、過去からの状況の変化などと照らし合わせることで情報の誤りや偏りに気づくことがあります。ヘンだとか、この話はおかしいんじゃないかと感じたら更に深掘りをしてみるなどで考えてみるんです。そうすると、その情報が正しいのか、どこに誤りがあるのかなどの判断が出来るようになるでしょう。そうなれば、どれが正しい情報かを見極めて選択することができます。つまり、騙されたり踊らされたりせずに済むということですね。

二つ目、これに関連しますが、意思決定の質が向上するというメリットもあるようです。これは「思い込みによる失敗を減らす」ということですね。物事を考える時、誰でもその人特有のクセがあるものです。これは「鵜呑みにしやすい、信じやすい」とか、「悲観的に物事を考えやすい」、反対に「楽観的に物事を考えるので周囲がヒヤヒヤすることが多い」とか、「つい目の前の現象に集中してしまう」などの傾向って、本人もなかなか気が付かないモノだと思います。それをいったん横に置いて、懐疑的に「本当にそうか?」と考えてみるんです。そうすると、意外なところの落とし穴に気付いて難を逃れる事が出来たという事が起きるかもしれません。

物事を懐疑的に捉えることによって、話の中に矛盾や必要な情報が抜けていたりすることに気付いたり修正したりするだけに留まらず、検討しておきたいポイントが見つかり、そして深掘りも可能になります。そうやって本質に近づいていくことで、本当の課題や解決方法などが明らかになっていきます。その結果、意思決定までの時間と労力をムダにすることなく、意思決定の効果を高めることができるようになります。

三つ目、その結果として問題解決能力の向上も見込める事になるでしょう。根本的な原因(つまりボトルネック)を特定できれば、それ以後はもうその問題の解決に労力をつぎ込まなくてよくなりますから。本質は根本的な原因のところになるわけですから、それを見極める事が出来るというのは大きいですよね。

二つ目のところでも出て来ましたが、懐疑的に、批判的に考えていくことによって、
「どうしてこうなるのか」、「本当にこの考え方でいいのか」という視点で思考を続けることが、物事の本質を理解することに繋がります。そして、これは仕事上の問題や課題の解決などにも活用することができます。つまるところ、視点を変えることで新たなアイデアの発見につながる可能性が出て来るということになります。

四つ目、チームの全員が円滑なコミュニケーションが取れるようになる事も期待できます。
自分と他のメンバーとの間に何らかの認識のズレがあると、コミュニケーションはうまく噛み合いません。クリティカルシンキングを応用すれば自分の主張を正確に、説得力を持って伝えることができますので、相手に行動を促すことが可能になるできるでしょう。相手の話を聞く場合も、発言の背後にある相手の意図を汲み取りやすくなるため、円滑なコミュニケーションにつながります。

五番目、実績なども含めて仕事には必ず数字を使ったデータが必要になりますが、その数値データから的確な判断をすることも可能になるんじゃないかな。とくに管理職の場合では、「売上、コスト、利益」などの管理であったり、統計データに基づいたマーケティング戦略を立てたりする必要があるでしょう。データを見ることで「何でこの数字なんだ?」といった疑問が湧くこともあると思います。懐疑的な、批判的な捉え方をすることで、数値データが何を意味するのかを理解し、的確な判断ができるようになります。

クリティカルシンキングが身に付けば、その背景にまで理解が及ぶでしょうし、場合によっては大きな変化の前兆に気付くかもしれません。これは「良い意味で」ですよ。マズいことが背景にあると感じたならば、それは大きなトラブルやリスクの芽を摘んだことになります。

もう一つ、斬新なアイディアや新商品に繋がるかもしれない「新しい何か」の発見だって、あるかもしれませんよ。このように、クリティカルシンキングの手法を使うことで過去の経験からは思いつかないような、今の時代に合う新しいアイディアを導き出せることもあります。

クリティカルシンキングっていい事尽くめのように聞こえるかもしれませんが、正しく理解したうえで理性的に運用することで得られるメリットの可能性を書きましたので、少なくとも感情を廃した話し合いをすること、先ずはこれを心がける事から始める必要があります。

さて、これをどうやって身につけるかなんですが、そんな話をするだけのスペースが無くなってしまったみたいです。なので、その話は次回ということで・・・・。


 

 

今回は「批判的思考」という、思考法の一つの型のような捉え方について考えてみたいと思います。この思考法は一般には「クリティカルシンキング」と表現されています。これは、情報をそのまま捉えて鵜呑みにするのではなく、その内容が「本当に正しいのか」「他に解釈はないか」を、いろいろな角度や切り口といった多角的な視点から客観的かつ論理的に考えたうえで、情報の本質を見極めようという思考法です。単に非難や否定をするのではありません。そうではなくて、その情報の前提はどうなっているのかといった条件の設定から疑ってみたり、先入観に囚われたり情報に接した時に沸いた感情に流されることなく、論理に基づいて最善の結論を導き出すプロセスの事を指します。

「批判的~」と言う言葉がありますので、どうしても身構えてしまい勝ちと言う人がいるかも知れませんが、「非難」するのではありませんし、人を非難してはいけません。例えばイベントの後の反省会くらいの気持ちで臨めば、気楽に取り組めると思います。あくまで「情報を冷静に検証する」ものですから、ケンカになっては意味がありませんね。

 

「批判的思考」という名前に難があるのでしょうか、どうしても肩に力が入ってしまったりする傾向があるかもしれませんが、物事や出来事の表面的な現象に惑わされず、物事の「本質」を捉えたうえで適切な意思決定を行うための手段の一つです。ただし、「する側」も「される側」も、それぞれの立場で自身の「思考の癖(つまりその人のバイアス)」に気づき、客観的に自分の考えを吟味する「もう一人の自分」の視点を持つことが大事だとされる手法です。

話し合いをする時の混乱を避けるためにも、最初に目的を明確にしておくことは絶対に必要です。そうでないと、「今、何について考えているのか」が分からなくなります。ですから、批判的思考法で物事を考える時には、まず「課題の本質は何か」を定義するところから始めなければなりません。そうしないと、どんどん論点がズレていくことになりかねませんから。

批判的思考という名前は(先にも書きましたが)、どうしても難があるように感じて仕方がありませんので、ここからは「クリティカルシンキング」の表現で書き進めたいと思います。じつはこの二つ、同じものなんですよ。「批判的~」と言うよりもこちらの方が印象が柔らかく感じませんか。だからでしょうか、いろいろな記事を読んでいても、多くの場所で「クリティカルシンキング」となっているようです。

では、今の時代、なぜこのクリティカルシンキングが話題になるのでしょうか。仕事をする上で、もはや必須と言っても良いくらいのスキルとして捉えられていますよね。では、なぜクリティカルシンキングが必要とされるのでしょうか。これは、話し合いの場での状況を考えてみると、それなりの理由が分かるかもしれません。

こんな場面、遭遇したことはありませんか。何か課題を解決しようと話し合いをしている時に、原因がある程度突き止められたので改善策を考えようという事になった途端、担当者や関係者が口をそろえて「ムリ!」と断言してしまう光景です。「絶対にムリ!」の一点張りで話し合いも何も出来なくなってしまう状況に陥る事って、ないでしょうか。改善自体を拒否しているようにも見える、そんな言動を繰り返す人って、必ずいませんか? 個人的にはほぼ毎回そんな意見が出て「もう少し様子を見よう」で終わってしまう会議がいくつかあったような記憶もありますが。

「手間な事をして仕事を増やしたくないから、出来ない事にしておこう」ということなら論外ですが、そんな話ではなくても、人にはそれぞれ考え方のクセや偏りがあるものだと思います。ですが、それを振りかざしていたのでは課題は解決できません。また、知識やこれまでの経験がある事でそれに縛られて、知らず知らずの間に考え方が偏ってしまうこともあります。クリティカルシンキングは、そのようなこれまでの知識や経験だけに基づく考えの偏りをなくし、本質的な課題や解決策を見つけるために必要とされる思考法です。

今の時代、世の中の動きも変化も、どんどん早くなり、激しくなってきていますよね。そして、これまでのやり方では通用しないような、想定外の事象が発生する時代になってきました。想定外って、ホントに困るんですよね。どこまで準備しておけばいいんだということになりますから。とは言っても、変化が早い時代ですから中期、長期の計画がなかなか立案することが難しくなっていると思います。長期予想という話も、最近はあまり耳にしなくなったようにも感じます。

そんな世の中だからこそ、そして将来の予測が困難な状態だからこそ、これまで凌いで来れたのだからというような過去の経験に頼るだけでなく、別の視点から物事を捉え直す、枠組み自体を考え直す必要も出て来るのだと思います。そのためにも論理的に、そして懐疑的に思考することも必要になってくるんじゃないでしょうか。それは未知の問題に対処するために、必要があるから生まれてきたわけでしょうね。

 

長くなりそうなので、続きは次回にします。
 

 

今回はメタ認知能力の話の続きで、どうやって自分のメタ認知能力を伸ばすかという話です。

 

社会人として自分でメタ認知能力を高めるために行うトレーニング法としては、有名と評される方法がいくつかあるようですね。それを順に紹介していきます。

まずは「瞑想」、これは換言すれば「マインドフルネス」の実践ということです。マインドフルネスは仏教(禅宗)の禅定から宗教色を取り除いた瞑想法と言われていて、アメリカで編み出された方法だと聞いた事があります。瞑想と言っても様々な方法があるようですが、マインドフルネスの場合は「意図的に『今ここ』に注意を向け、善悪の判断をせずに自分を観察する」という方法です。

今の自分が座って目を閉じていたとして、外界の音が聞こえて来た時にその都度心が反応していてはいけません。「音が聞こえてきたな」「その音に自分が反応しそうになったな」というように自分の様子を自分で観察する、そんな事をトレーニングとして繰り返し行うんです。不思議とたまりにたまったストレスが軽減していくのが自分でも分かります。

マインドフルネスは過去の不満や未来の不安を考える事なく、「今、この瞬間の体験」に評価や判断を加えずに、ありのままの状態に意識を向け続ける心のあり方です。ストレスの軽減や集中力の向上、感情コントロールの向上などの効果が科学的に実証されており、瞑想や日常生活の動作を通じて「心の筋トレ」として習慣化できるものです。

この、自分で自分を観察する時、観察されている自分を、観察しているもう一人の自分がいます。この「観察している自分」がメタ認知能力を発揮する時に出て来る「客観的に自分を見ているもう一人の自分」なんですね。

次は、「セルフモニタリング」と言う方法です。これは文字通り「自分自身を観察する」という意味ですね。自分が無意識のうちに行っている思考や行動に対する気付きを、自分自身で得るというトレーニング方法です。具体的には、「今の状況」「思考」「気分」「行動」「体の反応」の5つの観点で自分の内側の状況を紙に書き起こすことで、自分自身を客観的に捉えることができます。こうやって自分を冷静に見つめるトレーニングをするんですね。

3番目は「ライティングセラピー」と言う方法です。これは、自分が今抱えている悩みや不安と言うようなネガティブな思考や感情を紙に書いて吐き出すことで可視化し、それを通して自分の事を客観的に捉えられるようにするトレーニング方法です。やり方は非常に簡単で、自分が今抱えている感情や思考について、10~20分間、紙に書き続けるだけです。自分にウソをついたり格好つけたりする必要はありませんので、ホンネで書く事が重要です。そのためには、なるべく手を止めず、頭に浮かんだことはすべて書き出すことがポイントになるんです。ライティングセラピーは客観的に自身を見つけることに役立つだけでなく、精神の安定化にも大きな効果があると言われている方法です。

4番目は「コーチング(認知療法)」です。これは第三者の協力が不可欠で、その人から自分が持つ思考の偏り(バイアス)などに気付くきっかけをもらうという方法です。自分の思考のクセや習慣って、自分ではなかなか気づくことができませんよね。ですから、第三者に観察してもらうことで気付くきっかけを得ると、自分自身を見つめる機会を作ることができます。ただ、コーチングや認知療法では専門の知識とスキルを必要とするため、トレーニングしてもらう場合にはプロの人にお願いする方が良いでしょう。

さて、もう一つ話題です。最近では小中学校でもメタ認知能力をアップさせるための取り組みが行われているのだとか。子供が対象なので社会人のような難しい事は出来ませんが、それでも、小学校や中学校でのメタ認知能力を高める方法がいくつか挙がっています。

一つ目は「子供が自分で学習の計画表を作る、そして必要に応じてそれを修正する」というものです。学習計画表は、「いつ」「どこで」「何を」「どのくらい」学習するか、そういった計画を立ててスケジュールを組んだものですね。「今、この瞬間」を超えた視点で学習を俯瞰する便利なツールであり、毎日のセルフモニタリングのきっかけにもなります。

二つ目、「努力した、成長をしたら、具体的に褒める」と言う方法、これは大人が子供を観察して行います。それも、褒めるなら出来るだけ具体的に。言葉で「よくやったね」と言っても、何が良かったのか、どうすれば次も良い結果を出せるのか、これが分かりにくければ、子供は「偶然よかった」と勘違いしてしまうかもしれません。具体的に褒めることで、子ども自身が何が良くて評価されたのか、結果が良かったのかが理解できるようになります。

三つ目、「失敗したら、叱るのではなくて分析をしましょう」というものです。子どもを叱ることは多いものですが、メタ認知を育てるためには、なぜ子どもが失敗したのかを大人が一緒になって分析してあげることが大切です。

分析をするためには、子どもがどのような問題に対して、どのように取り組んだのかを確認しなければなりません。ちょっと手間かもしれませんが、子どもの取り組み方で失敗につながったところを一緒に分析し、「次、同じ失敗を避けるにはどうするといいのかな」と質問をして、自分で考える習慣も一緒につけてあげてください。

四つ目は、「他人の意見の聞く姿勢を養う」と言うものです。他人の話を聞けば、その人はどう考えたかが分かります。他人が持つさまざまな視点を知ることが出来れば、自分の考え方や特性と比較したり傾向を見つけたりする事が出来るようになります。そして、より深く理解できるようになります。周りの意見が正しいか間違っているかを即座に判断するのではなく、「どのような考え方があるのか」に注目して聞けるようになるのが目的です。

そのためには、子どもの話を最後まで聞くこと、そして間違っていても即座に否定せず、質問をして本人の考えを引き出すことを意識してみてください。また、大人の側が面倒かもしれませんが、子どもから質問されたら「そういうものだ」のような答えはなるべく避けることです。出来る限り理由を説明してあげるようにしましょう。理由を説明しにくい場合は、「調べてみようか」などと提案し、子どもと調べ方を相談してみるとようでしょう。

こういった事、学校や家庭でも取り組みが始まっているようです。うかうかしていると社会人になった大人の方が取り残されてしまうかもしれませんよ。