創造的思考と論理的思考との相違 | サポートライター みけ の独り言

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電子書籍のはなし、文章のはなし、ことばのはなし、書く事、話すこと、ゆめのたねで喋っていることなど、言葉にまつわるいろいろなことを中心に、書いてみたいと思っています。

 

今回は似て非なる「論理的思考」との相違について考えてみます。似たような言葉ですが、いったい何が違うのか気になりますよね。自分の捉え方が間違っていたら嫌だななんて思ったりもしますので、その辺りを考えてみたいと思います。

まず「創造的思考」ですが、こちらは前回も取り上げていますので、もうご存じでしょう。既成の枠組みや概念に囚われずに、自由な発想や切り口で物事を考えていこうというやり方です。このように考えることで自由に様々なアイデアを出して、問題の解決にあたろうというわけですね。

メリットとしてアイデアが出やすくなる、いろいろな発想の方法が身につく、オリジナリティが発揮できるなどが挙げられます。新たに何かを創出することが可能になりますので、ひょっとしたら今までになかったビジネスモデルを考えだしたり、そこまでいかなくてもビジネスチャンスに導いたりするかもしれません。期待が膨らむ手法ですね。

これに対して「論理的思考」の方は、物事を客観的に、論理的に捉えることで一連の流れとして捉えて、分かりやすく考えたり伝えたりする手法です。こちらの方は、誰かに物事を伝えたりするときに強みを発揮しそうですね。論理的に伝えることができる考え方ですから、筋道にムリや飛躍ができることはありませんし、つながりが良く分かるので場合によってはとても説得力が増したりするでしょう。

どこか一か所を変化させると全体の流れが変わってきますので、同じ流れから別の結果を導き出すことも可能です。議論するうえで、結構深いところまで考えることができるんじゃないでしょうか。意思決定だってスピードアップするかもしれません。

こんな説得力のある考え方、身に着けたいですよね。どうすればよいでしょうか。

まず、私たち(私だけ?)がよく使う言葉に注意してみてはどうでしょうか。日本人って、結構抽象的な言葉を使ったり、主語を抜いたりしますよね。これを全部省略せずに、具体的な名称を使ってみるというのはどうでしょうか。

まず、皆が使ってしまいがちな言葉である「あれ、これ、それ」、こんな言葉をやめて具体的に「〇〇〇」といった表現にしてみたらどうでしょう。「あれ、これ、それ」って、全然具体性がありませんから、ある程度分かっている人なら間違いも起きないでしょう。しかし、配属されて間がないような立場の人なら、トンチンカンなやり取りになるかもしれません。本人も周囲の人も笑える程度の内容なら一服の清涼剤にもなるでしょうが、切羽詰まった状況や殺気立っているほどの場合なら、こんなことになったら大変です。普段の言葉遣いから注意が必要です。

また、論理的に物事を考えたり捉えたりするわけですから、そこに理由の存在が必須になります。何か問題を解決したいときに、論理が飛躍して思いつきで解決できたことがあったとしても、これでは次も同じように処理できるとは限らなくなります。論理的に物事を考えるということは換言すれば筋道を辿ることでもあります。そこには再現性も必要になってきますよね。だとしたら、途中に飛躍があると続けることができなくなります。

理由というと少し弱い感じもしますが、根拠という言葉に置き換えると、なぜか一気に強い言葉に変わってしまいます。最近いろいろな場面で用いられる「エビデンス」という言葉の意味が「根拠」ですから、考える人の多くが論理的に捉えようとしているという事ですね。

私なりの捉え方をすると、論理的思考は階段を一段ずつ登っていくような考え方じゃないかと考えています。飛躍がないので大化けといったことはあまり望めませんが、着実に駒を進めて解決に辿り着くといった堅実な手法だと捉えています。面白味という点は欠けているかもしれませんが、新規〇〇〇といったときのアイデア出しの場面でも、使えない手法ではないとも捉えています。

創造的思考とは、互いに補い合うような関係で使えそうですね。