できない理由を並べる人の正体(?) | サポートライター みけ の独り言

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電子書籍のはなし、文章のはなし、ことばのはなし、書く事、話すこと、ゆめのたねで喋っていることなど、言葉にまつわるいろいろなことを中心に、書いてみたいと思っています。

 

今回は表題の通り、なぜ人はできない理由を並べたがるのかを考えてみる事にします。組織とまでいかなくても、人が何人か集まって話し合いや改善策を考えるようなときには、新たなアイデアを捻り出したとしても反対したりできないことを述べたりして、せっせとアイデア潰しに励む人がいますね。必ずといってよいほど、そういった人が出てきます。

よくよく観察していると、そのような意見を出す人はほぼ決まっていて、たいてい同じ人が「あれも反対、これも反対」と騒いでいるようです。だからといって、別のアイデアを出すわけでもありません。決めつけてはいけませんが、果たしてその人は自分でも何か考えているのかと、疑わしく思うことも数多く経験しました。

できない理由を並べる人の頭の中を知りたいと思って調べてみると、いろいろなことが分かってきます。失敗が怖いといった心情もあれば能力不足ではないかというような理由まで、様々な理由がありそうです。また、ホメオスタシスといった考え方で「人間は変化を嫌う傾向がある」といった話もありました。ホメオスタシスって本来は「生体内環境の恒常性」というような、生理学的な意味だったと私は理解しているのですが、この言葉はこういった分野でも使われているんですね。

それはともかくとして、できない理由を並べたがる人の傾向として挙がっていたのは、
・失敗が怖い
・プライドが高いく、他人に訊けない
・モチベーションが低い
・能力不足やアイデア不足
こういった理由だとなっていました。加えて、先に挙げたホメオスタシスのような考え方、最近では「コンフォートゾーン」といった表現になっていたりしますね。

また、別の資料ではできない理由を並べる人の傾向として、こんなことが書かれていました。
・エリート意識が強い人にその傾向がある
・人間関係に問題を抱えた組織の中にいる
・人事評価の方法が減点方式だから、怖がって誰も動かない
・偉い人の意見には逆らえない
こんなものまでありました。偉い人がどんな意見なのかまでは書かれていませんでしたが、偉い人が慎重論の傾向であればそうなるのかもしれません。

私の個人的な体験で言えば、できない理由を出した方がカッコいいと思っていたり、ただでさえ仕事で手一杯なのに新しいことまでさせないでくれといった思いであったり、そんな例が多かったように記憶しています。なかには、「改善はどんどんやってください。ただし、私を巻き込まないでください。好きにやっていいけれども、私(私の部署)を抜きにするなら、協力はしないけど気持ちのうえでは応援します。」といった態度の人もいました。

他にも、背中に火がついていても「自分は熱くないからまだ構わない、何もしない」という姿勢の人がいたり、そもそも環境の変化などの切迫した状況が理解できていないといった人たちもいるようです。

質の悪い人たちもいました。ミーティングなどでは仕方なくやる気を見せているものの、いざ実行となると「〇〇氏が資料を出してくれないので自分の仕事が進められない」といった発言をする人も、山ほど見てきた経験があります。〇〇氏に資料を求めたくてもその人の担当分は処理可能なのですが、誰かのせいにすることで自分を正当化しているんですね。上の方の人も細かな役割分担など分かりませんから、担当者(らしき人)が言うんだからそうなのだろうとトンチンカンな檄を飛ばしてみたり、関係のない人を叱りつけてみたりして、現場がむしろ混乱してしまうような場面さえ経験しています。

表に出てはいなくても、案外このような人は多いのかもしれません。つまるところ、仕事の定義や担当内容を明確にして、他の人との業務を線引きしたり手順を決めたりしなければ動かないといった人たちなのでしょう。

マネジメントで解決できるのかといわれたら、正直なところ分かりません。できない理由に加えて、行動しなくて済むような理由を作り出す人には、お手上げなのかもしれません。しかし、組織として考えるなら生き残るための方法をとらざるを得ませんので、どこかでそういった人の言動に対するリターンがくるんじゃないかと懸念します。

今回挙げたような例は特殊なものかもしれません。しかし、よくよく見ていくと似たようなことをしている人たちは結構な数になるんじゃないかとも感じます。組織の方も対策として、あいまいな部分を可能な限り明確にしたり明文化したり、期限と役割を決めて定期的に進捗状況を報告する機会を作ったり、そんなことが必要になるかもしれませんね。