相手を気遣う | サポートライター みけ の独り言

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電子書籍のはなし、文章のはなし、ことばのはなし、書く事、話すこと、ゆめのたねで喋っていることなど、言葉にまつわるいろいろなことを中心に、書いてみたいと思っています。

 

今回は、言い換える時に言葉を選ぶという意味で「相手を気遣う」ところに注目したいと思います。言い換えることで相手の理解をより良いモノにするという努力は良いのですが、ともするとその言い換えたことで相手が傷ついたりショックを受けたりすることがあるかも知れません。ケンカをしているわけではないので、もうちょっと別の表現や例えがあるだろうと思うことはありませんか。私の場合だけではないんじゃないかな。

これは言い換えの時だけではありません。相手への気遣いの言葉が一言あるだけで、受け取る側もずいぶんの印象が変わってきます。そんなちょっとした言葉の一つが有るか無いか、言い換えるにしても相手が素直に耳を傾けてくれるような表現であれば、スムーズに流れていくはずです。もし、例え話がシャレにならないような内容だったとしたら、話し手の方の信用に関わりかねないことになります。

何かの表現を言い換える場合、単なる例え話でよければ問題にはなりません。少々おかしなものになったとしても笑って済ませることが出来ます。しかし、そんな表現も相手によります。目上の人に対しての言葉遣いに気をつけているのに、例えに出した話があまりにも無神経な話題だったりしたら、聞き手は心中穏やかではいられないでしょう。

それと同じく、説明を受ける側が悩んだり困ったりしている事がある時に、それにつながるような例を出したりするのもNGでしょう。「そんなこと知らないよ」と言われるかもしれませんが、そもそも例え話であっても内容に配慮する必要はあるんじゃないでしょうか。

言葉を選ぶといっても、選ぶ語彙の範囲には限度があると思います。それを超えての表現を求められても、それは無理な話でしょう。別に難しい言葉を選ぶ必要はありません。丁寧で分かりやすい言葉であればそれでよいので、相手の理解を引き出すために工夫していることが伝われば、気を悪くされることはないでしょう。

使えそうな語彙や表現の幅を広げるということは、単に類語辞典が手元にあれば済むというわけにはいかないかもしれません。実際に人と接して言葉のやり取りをしながら学んでいくものだと思います。その方が実践的ですし、自分自身が違和感を感じることがあるなら、それはふさわしくない表現だったという事になるからです。

現役時代、私は営業の担当者が訪ねてきてくれた時に応対する立場にありました。しかし、ビジネスマンなら社員教育などで学ぶ機会があるでしょうけれども、私は技術者の立場だったこともあって、その様な教育を受けた記憶はありません。当時はビジネスマナーを外に学びに行くという事自体、頭にありませんでした。でも知識くらいは身につけておかないといけません。

そこで考えた挙句、訪ねてくる営業担当者の言動を観察することにしたんです。私は顧客の立場になるので、営業担当者は言葉使いや表現、仕草などでおかしな真似は絶対と言っていいほどしませんでした。それを観察しながら、自分も必要に応じて同じような事が行えるようにと考えたんですね。どれくらい役に立ったかは分かりませんが、何も知らない粗削りの対応しかできない、粗野な人物といった評価だけは避けることが出来たと思っています。本当かと訊かれたら分かりませんが・・・。

言葉一つでマイナスポイントも長所に置き換えることが出来る、そんな例を何度も体験しました。それほど、言い換える時や考える時に言葉を選ぶという事は、大事な事なんですね。