僕はわりとモテる方だと思う。
飲み会に行けば、いかにもな女の子がいかにもな上目遣いで、猫なで声で
それはそれは巧みに僕に擦り寄ってくる。
そのまま、そういうことになったりもしたことは何度かあるけれど
付き合う。とか、そういうのとは別のことだ。
僕の彼女は別に綺麗でもないし、可愛いわけでもない。
ブスでもないけど。
ただ…普通だ。
友人の多くは、「なんであの女?」と言う。
失礼な話だが、僕もそう思う。
擦り寄ってくる女の子の方が可愛いし、綺麗だ。
だけど、僕はもうずっと彼女と一緒にいる。
たぶんこのまま結婚もする。
僕が他の女と何度か寝たことを、たぶん彼女は知ってる。
知ってるけど、何も言わず知らないふりをしている。
賢いと思う。僕は彼女のそういうところが好きだ。
都合がいい。と言われればそれまでだが、大袈裟に騒いで泣きわめくような女は好きにはなれない。
彼女と歩くとき、必ず僕から手を繋ぐ。
彼女は少し嬉しそうにする。
うん。こういうところも好き。
彼女は僕に隠れて泣いている。
たまに目の下が赤いまま微笑むときがある。
そういうところも好きだ。
僕は飲み会に行く。
またいかにもな女の子が僕に擦り寄ってくる。
「彼女いるの?」
「いるよ。」
「へぇ〜。彼女いるのにこんなことしていいの?」
語尾にハートマークでもついているような言い方だ。
なんだって女ってのは、ベッドの上でそんなことを聞くのだろうか?
それを聞いたところで、今のこの状況が変わるわけではないというのに。
「ねぇ、彼女ってどんな人?」
「ん〜地味だよ。」
「うっそ!まぢ?え〜見たい。見せてよ」
女は僕の彼女の写真を見て、フッと笑った。
「え?まぢでこれ彼女?妹とかじゃなくて?」
「そうだけど。」
「えぇ〜なんでこんなのと付き合ってんの?」
「ん〜…なんでだろうねぇ?」
「え。てか、ぶっちゃけブスじゃん」
あぁ。ダメだ。これ。
イラッときた。ムカつく。この女。
「ブスじゃねーよ。お前よかずっと可愛いわ。ブス。」
僕はなぜだか無性に腹が立って、ホテル代も払わず女を一人置いて彼女のもとに向かった。
彼女は目の下を赤くして、微笑んだ。
あぁ。好きだわ。