息子を産んだのは、私が23歳のときだった。
息子は甘えん坊でいつも私の後ろに隠れているような子供だった。
初めての子育ては不安で、失敗の連続だった。
自分のいたらなさに泣いたこともある。
息子が友達とケンカをしただけで眠れない夜もあった。
そのたび、私の不安をよそにどんどんとたくましく育っていく息子の姿が嬉しくもあり、寂しくもあった。
気付けば甘えん坊だった息子はあっという間に進路を決めなければいけない歳になった。
三者面談を終えて息子と家路への道を歩く。
こうやって並んで歩くのは何年ぶりだろうか。
とくに会話もなく歩く私達を夕日が染める。
ふと、夕日に照らされ伸びた影に気付き、思わず微笑んだ。
「あんた、大きくなったわねぇ。」