◾️皿より料理



最後に最新作のSACD『ザ・イエス・アルバム』の音を聴いてみました。

前回ハイブリッドのCDDA(CDレイヤー)を聴いて、思いのほか音が良い、と評価したAnalogue Productions盤です。アナログ・マスターテープから新たにマスタリングされています。


【CDDA vs SACD】

全く同じ環境・機材での同一ディスクの聴き比べ。

何度も何度も聴いた慣れ親しんだ音だけに差がわかりやすいはずです。


SACDの方がはるかに音が良いのでは、と期待しましたが、どちらも良い音ですが、期待したほどの差は感じませんでした。

CDレイヤーもSACDレイヤーも元のマスターは同じ。

違いはスペックの差ですが、出てくる音に正直大きな差は感じられません。

ちょっと期待し過ぎたかもしれません。



最後に残った対決があります。


【モービル・フィデリティ盤との対決】

前回このSACDをCDDAで聴いた時に、絶対王者と「甲乙つけ難い良い出来」だと書きました。

今回はノーマルCDでありながら「絶対王者」である盤にSACDレイヤーの再生で挑みます。

最終決着をつけるべく昼間に大音量で試しました。



結果は・・・、

「絶対王者」MF盤の勝ち!


迫力もプレゼンスも、高音の伸びでさえもノーマルCDの方が優っています。(注.『ザ・イエス・アルバム』限定)

この盤のサウンドは名作が輝いています。

せっかくSACD対応プレイヤーまで買ったのに何ということでしょう。ちょっとショックです(笑)


つまりフォーマット(スペック)よりソース(音源)、皿より料理というのが自分なりの結論です。


あくまでも個人の感想ですし、限られた盤、それもロックしか聴いていないので、クラシックなどの他のジャンルや盤にも共通するかはわかりませんし、SACDを否定する気は毛頭ありません。

SACDの音の良さを実感する場面も確かにありました。

それに古い録音をSACD化するのではなく、現在の技術で新録音する場合は更に効果を発揮するでしょう。


しかし、少なくとも自分が聴くような、特に古い音楽には「CDで十分」という身も蓋もない残念でちょっと悲しい結論になってしまいました。


そう言えば、「レコードの達人」でアナログがSACDに勝利したダイアナ・クラールを思い出しました。

今度友人にも拙宅で聴いてもらおうと思います。

待ってるよ。


SACDに勝ったCD


『ザ・イエス・アルバム』にはブルーレイ・オーディオもありましたね。

ブルーレイ・オーディオはSACDやDVDAのように独自規格ではありません。BDビデオと同じ規格でディスク容量を音声データ中心に割り当てたものですから、HDMI接続のAVアンプがあればBDプレイヤーで手軽にハイレゾを聴くことができます👍 

所有しているのは昨年出たスーパー・デラックス・エディションではなく2014年盤ですが、今度比べてみます。



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