◼️耳の娯楽か、はたまた鍛錬か?


気温が上昇して夏日になった土曜日の東京、昼下がり。

4ヶ月ぶりに岩田由記夫さんと斎藤好一さんのアナログレコードを聴くイベント「レコードの達人」に参加しました。今回は行きたいと言っていた友人とデュオで参戦。

大勢の音楽ファンやオーディオマニアの皆様が参加されて盛況でした。


例によってメーカーの担当者から使用機材の説明。

アナログプレーヤーは、創立50周年という英国LINN社のLP12モデル(まんまのネーミング)。中身は変わっても型番は50年間ずっと変わらないままで475万円。

CDプレーヤーはまだ35周年だというエソテリック社(親会社ティアック)の700万円超え(電源とケーブルを入れたら900万円)という同社で二番目に高いGrandioso K1X SEと言うモデル。金額を聞いて思わず参加者皆から笑いが漏れました。一番高いのはいくらなのでしょう?

「電源ユニット」と「マスタークロックジェネレーター(わけわかりません)」の3ピースの筐体でCDを回すという仰々しさ。家庭では置くスペースも大変でしょう。

岩田さんの愛機だそうです。

内容は前回参加の時と同じく、音源の聴き比べ(ブラインドテスト)でした。(各エントリー音源の正体は勝者が決定した後に発表。そのあと勝者を完奏して鑑賞)


【対戦カード】

第一試合

レッド・ツェッペリン「幻惑されて」

(1969 Led Zeppelin)


①リマスターLP 

② UKマト1ターコイズLP(「修正なし」市価50万)

③ リマスターCD

④ US PR工場マトC/C(市価2〜3万円)

勝者:アナログ

なおリマスターCDはリマスターLPより音が良好でした。


第二試合

ヴァン・ヘイレン「Ain’t Talkin’ ’bout Love」

(1978 Van Halen)


① CD

② プロモ盤LP

③ リマスターCD

勝者:アナログ

岩田さんがヴァン・ヘイレン初来日時の貴重なエピソードを披露されました。


第三試合

オスカー・ピーターソン・トリオ

「You Look Good To Me」

(1964 We Get Requests)


① CD1 日本盤

② LP1 1966年当時岩田さんが購入した日本盤

③ CD2 リマスターCD

④ LP2 70年代再発アナログ

⑤ CD3 SACD

⑥ LP3 ピュア・ヴァイナル

⑦ CD4 オノ セイゲン氏リマスターCD

勝者:アナログ(1回戦から6回戦までずっと勝ち抜き!)ベースの低音の響きが圧倒的だと思いました。


第四試合

はっぴいえんど「抱きしめたい」

(1971 街風ろまん)


① CD1 通常盤CD

② LP1 ロンドン・ハーフスピード・カッティング

③ CD2 リマスターCD

④ LP2 2024年再発LP

⑤ CD3 SACD(HQCDのことかもしれません)

勝者:アナログが圧勝!

鈴木茂さんも過去一の音と公言されているそうです。


第五試合

ボブ・ディラン「One More Cup of Coffee」

(1976 欲望)


① CD1 再発されたボックスセットのリマスター紙ジャケ

② LP マト1

③ CD2 SACD

勝者:SACD(僅差)

当時のディランは一発録りなんだそうです。スゲーな。


第六試合

イーグルス「Heartache Tonight」

(1979 The Long Run)


① CD1 日本でのリマスター盤

② LP マト1

③ CD2 Mobile Fidelityリマスター

勝者:アナログ

日本盤リマスターCDはメリハリを強調するあまり「キンキン」して聴きにくい音だと思いました。

モービル・フィデリティのリマスターCDはアナログに比べると「痩せた音」に聞こえました。


第七試合

ダイアナ・クラール「S’ Wonderful」

(2001 The Look Of Love)


① CD1 オリジナルCD

② LP レコード

③ CD2 SACD

勝者:アナログ

斎藤さんはSACDの敗北が納得できないご様子でしたが、CD時代の作品にも関わらず、アナログは明らかにヴォーカルの響きがふくよかで豊かだと感じました。


第八試合

リンダ・ロンシュタット「Blue Bayou」

(1977 Simple Dreams)


「マト1のLPより良い音のリマスター」(岩田さん)

① CD 2018リマスター

② LP 2018リマスター

勝者:アナログ

1回目は同点だったのに再度対戦したら大差。「オーディオのオカルトなところ」(岩田さん)アナログは何故かハイハットがCDより綺麗に聴こえました。


第九試合

佐野元春「ロックンロール・ナイト」

(1983 Someday)


① CD 

② LP 

勝者:アナログ

「制作された1982年はCD登場前だから仕方がない」


今回はアナログ勢の圧勝でした。

自宅では聴けない大音量で2時間しっかり堪能させていただきました。次回は6月22日(LP)、次々回は8月17日(LPとCD)に開催だそうです。

終了後、友人とまだ明るいうちから「感想戦昼飲み」にしけ込んだのは、オッサンあるあるです(笑)


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