◾️ラレ・ラーソンが弾きまくる
デジパックです
Artist:The Flower Kings
Title:Live In Europe 2023
Year:2024
Format:1CD
フラワーキングスの新しいライヴ盤を聴きました。
今回は直販送料が異常に高かったので国内ショップで売らないかな、としばらく日和っていたら、あっという間に初回ロットが予約だけで発売前に売り切れました。
限定流通なので、かなり好調な出足だったようです。
予想外の事態に慌てて4月中にはオーダーしたのに、後でオーダーしたメリット・ヘミングソンの方が先に届いてしまいました。🐸ゲロゲロ
そんなこんなでセカンドロットをようやくゲット。
発売日直前に在庫が潤沢に補充されました。
ライヴアルバムに関してはInsideOutとの契約外なので、ソニーの日本盤は出ません。ストルト自身のFoxtrotレーベル(新しく表記されているSwedish Stereosoundsという名前に変わったようです)からリリースされています。一般流通ルートではまだ買いにくいので、マーキー(ベル・アンティーク)さんあたりが輸入盤国内仕様を出してくれれば良いですね。
もしかしたらライフサインズのように限定流通にして、高い送料で強気のビジネスをしているのかもしれません。ファンは困りますが、CDが売れないと言われる時代、アーティスト目線で考えれば大手配給、大量販売、配信も活用するスタジオ盤とは違う売り方、ビジネスモデルもアリかもと思いました。
どうせファンしか買わないし、ロイヤルなファンなら買うはず、という見切りがあるのでしょう。早く聴きたいファン心理を全部まるっとお見通しです😅トホホ
本作は2011年の『Tour Kaputt』(2007年のThe Tour Of No Evil 収録)以来13年ぶりのライヴアルバムです。
アルバム『Look At You Now』発表後の欧州ツアー終盤2023年10月のオランダ公演から収録されています。
オランダ公演は2公演(27日のウーデンと28日ズーテルメール)行われています。一夜からの録音ということですが、どちらから収録されているのかはクレジットがありませんでした。ツアー終盤なので、こなれて安定した演奏を聴くことができます。
今年の3月にストルトが自宅スタジオ「コズミック・ロッジ」でミックスしています。
「過去最高の音」とストルトが語っていましたが、最高かどうかはともかく、本作は演奏とレコーディング&ミックスがとても良いライヴ盤です💮
珍しく臨場感溢れる拍手もしっかり入っています。
【メンバー】
収録メンバーは、ご存知のとおり
Roine Stolt:Guitars, Vocals
Hasse Fröberg:Guitars, Vocals & Percussion
Lalle Larsson:Keyboards
Michael Stolt:Bass, Moogbass & Vocals
Mirko DeMaio:Drums & Percussion
の5人。
『Tour Kaputt』からメンバーが3人変わっています。
25年前の初来日時に観て以来のマイケル・ストルトが出戻りましたが、自分的には名手Jonas Reingoldがギャラの高いスティーヴ・ハケットを優先して居なくなったのが残念です。
ツアー初日と二日目の地元ウプサラだけは、ハッセ・ブルニウソン、ダニエル・ランツ、ヤニカ・ルンド、アレキサンドル・ヤシンスキの4人が加わった9人の特別編成でしたが、ロードに出たのは5人になりました。
今回はTFK初のラレ・ラーソン入りのライヴです。
(できればザック在籍時のライヴアルバムも聴きたかったところです)
【収録曲】
オランダ2公演で演奏されたセットと、そのうちの収録曲は以下のとおりです。
★:収録曲(全6曲)
Ghost Of The Red Cloud [Stardust We Are 1997]
★Garden Of Dreams Medley 12:21 [Flower Power 1999]
Beginner's Eyes [Look At You Now 2023]
Church Of Your Heart [Stardust We Are 1997]
★Big Puzzle 17:44 [Back In The World Of Adventures 1995]
★The Dream 7:31 [Look At You Now 2023]
★Day For Peace 3:11 [Look At You Now 2023]
★What If God Is Alone 6:58 [Paradox Hotel 2006]
★Stardust We Are 28:53 [Stardust We Are 1997]
Encore:
Paradox Hotel [Paradox Hotel 2006]
★収録時間合計:76:43
レインゴールドが居なくなったこともあり、アルバム『パラドックス・ホテル』収録曲以外はマイケル在籍時の懐かしいクラシック曲がセットに選ばれています。
短縮版にはなっていますが、「Garden Of Dreams」を演奏するのは2014年以来9年ぶりです。
「Paradox Hotel」は2009年以来14年ぶり。
「Ghost Of The Red Cloud」にいたっては2006年以来17年ぶりのライヴ演奏になります。
1CDなので冒頭の「Ghost Of The Red Cloud」、新曲の「Beginner's Eyes」、「Church Of Your Heart」とアンコールの「Paradox Hotel」の4曲が収録されていません。残念ですが、公演は100分程度の短いセットだったので、スカスカの2枚組にしなかったのは理解できます。
そもそも最近は前回(2020年)の来日公演のような2時間を超える長尺なライヴはやっていませんしね。
新曲に関して言えば、ツアー開始初日は「Scars」 と 「Look At You Now」を加えた5曲、翌日からも「Scars」は継続して4曲演奏していましたが、その後3曲に減らしています。
ブックレットの表紙デザイン
【ミニレビュー】
本作の聴きどころはラレ・ラーソンのプレイと新曲です。特にラレは今回ピアノをたくさん弾いています。
トマス時代とはプレイスタイルもかなり違うので、旧曲も新鮮に聞こえます。
1. Garden Of Dreams Medley
メドレーは、「 Deaf, Numb & Blind 」 [これもFlower Power 1999より] のスペーシーなイントロで始まります。このツアーのためにイントロが約2分の長いバージョンになっています。この曲から「Garden Of Dreams」に繋がります。ラレのシンセサウンドも良い感じです。
2. Big Puzzle
TFKクラシックのこの曲もラレのピアノで始まります。
90年代のライヴのように原曲より長尺なバージョンにアレンジされています。
後半のギターソロの気持ち良さにドーパミンとセロトニンがドバドバ出ました。
3. The Dream
新曲。キーボードの重厚なイントロでスタート。スタジオ盤よりシンフォニックな曲にスケールアップ!
ギターソロはもちろん、スタジオ盤にはなかったシンセソロをラレが弾いているので尺が倍に伸びています。
ライヴアルバムならではの面白さです。
4. Day For Peace
これも最新アルバムからの宝石のような小品。
マリヤナ・セムキナの女声ヴォーカル・パートをハッセ・フレベリが歌っているのが面白いです。
5. What If God Is Alone
冒頭のミルコのリズムとラレのシンセサウンド。そしてロイネのヴォーカルからハッセが歌い上げるTFK中期の名曲です。ラレのピアノも👍
6. Stardust We Are
アルバム最後を飾る定番人気曲は、中間部にラレのピアノソロパートがフィーチャーされていて、原曲やライヴアルバム『Meet The Flower Kings』収録バージョンより長尺の「過去最長バージョン」になっています。
このラレのピアノソロは、過去のTFKライヴには全く無かったニューテイストなのでとても新鮮です。
また彼のキーボードは、スタジオ盤に比べて音数に全然不足がないのも凄いと思いました。
至福の77分間です。
ヨーロッパまで聴きに行くほどの根性もお金もありませんが、ライヴをまた聴きたい気持ちがつのりました。
ファンなら悶絶する心地よいライヴアルバムです。💯
夏はフェスが目白押し。10月にはファンイベントも。
TFKの今年(2024年)は、欧州のフェスティバル参加で終わりそうです。今年の来日は無さそうですね。
秋くらいからTFKの新作に取り組む感じでしょうか。
ジョン・アンダーソンの新譜が8月に出るので、期待していた『Anderson Stolt 2』も当面無さそうかな😢
※ストルトの発音に準拠して「ラーション」ではなく「ラーソン」と表記しています。
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