(ダジャレかい!)



■ MQACD VS SACD[Audio Fidelity]


しつこくてスイマセン。

最後の対決、「紙ジャケ最終章」と「SACDハイブリッド盤」の『危機』の聴き比べです。


今回のSACDは国内盤のデカジャケではなく、米国のAudio Fidelityという会社がマスタリングした2012年のオーストリア製造盤です。

ライノ(ワーナー)が配給しました。

Steve Hoffmanという人がマスタリングしています。


このSACDは同じオーディオ・フィディリティの『90125』のHDCDとは違って、オリジナルのアナログマスターテープからデジタル変換して制作したものではないので、元の音源をたどればMQACDと同じデジタルマスターかもしれません。(デカジャケの『危機』は未聴です)


以前通常のCDプレイヤーで聴いたら「ライノ盤と大差なかった」ので、MQACD(UHQCD)が勝利するだろう、と予想しました。

今回は「シベリア」で比べました。


このSACDは、ライノ盤(2003)と同じ端整で聴きやすい音作りですが、MQACDは元気でより迫力のある音になっています。

MQACDはどちらかと言うと、同じ国内マスタリングのSHMCD紙ジャケ(2009)と同傾向の音ですが、SHMCDほど演出過剰ではないので、迫力はあるけど、聴きやすいサウンドです。


今回一連の比較でわかったことは、外盤(ライノ盤ほか)が端正なサウンドを重視しているのに対し、国内マスタリング盤(SHMCDやMQACD)はプレゼンスを強調したサウンドの傾向があるということです。

同じSACDハイブリッド盤を比較しても、おそらく同じ傾向だろうと思われます。

国内マスタリングのエンジニアは、メリハリを強調した迫力重視の音を好まれるのかもしれませんね。


今回は、MQACDの勝利とさせていただきます。

『こわれもの』を聴きくらべた結果から考えると、国内盤オンリーの「デカジャケ」か「紙ジャケ最終章」のどちらかは、持っていても損はなさそうです。


イエスの場合、本国の縛りがきつく、アプルーバルが厳しいピンク・フロイドとは状況が違うようです。

ローカルでかなり自由に音作りして再発されている印象があります。

縛りがきついとレコード会社は何度もやり直しをさせられて苦労されるようですが、緩いとファンは嬉しいけど(聴かなきゃいけないので)キツイし、どちらが良いか悩ましいですね〜。


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