
日米関税交渉合意?
7月に合意したはずの日米関税交渉だったが、トラジイの
発した大統領令では自動車関税が2.5+25%になってた
から、大慌てで再交渉してたわけだ。
んで、4日になって、やっと15%にする新たな大統領令が
発出され、一安心ということになった。
15%の関税は8月7日に遡って適用されるという。
従来15%以下だった物品はすべて15%に、15%以上
だった物品はそのままの関税率が維持される。
そして、日本は米国に5500億$(約80兆円)の投資を行い、
利益の90%は米国が取るという内容だった。
まず、関税率の遡及適用だが、非適用だった期間に相当
する日数は27.5-15=12.5%にするならともかく、
単に8月7日以降に払い過ぎた関税は戻入するというの
では、日本側が失った販売機会損失は戻る事は無い。
バカを見るのは8月に車を買った米国ユーザーで、次が
日本の輸出者で、得をするのは戻入を受ける米国の輸入
業者だけ。
日本の関係者は関税率が27.5%でなく、15%に下がった
って、大喜びしてるけど、何の事は無い、元の2.5%から
見れば、11倍が6倍になったというだけの、とんでもない
不平等関税であることには変わりがない。
日本側の対応が注目されるところであるが、ワシは、この
関税を吸収すべく日本からの仕切り値を下げる(米国での
売値を据え置く)のでなく、堂々と元の仕切り値を維持し、
関税分だけの値上げを実施すべきだと思う。
日本が吸収する=関税は日本が払う、となれば、トラジイの
思う壺になるだけ。
米国民が大幅値上げに悲鳴を上げるまでは、仕切り値を
維持すべきと強く思う。
ま、売れ行き懸念のメーカーからすれば、いずれにせよ、
販売奨励金を出すんだから、その分仕切り値を下げても
売れれば良いと思うんだろうけど、それは逆効果になる。
一時的には売れても膨大な貿易赤字を被ることになる。
この不平等条約がいつまで続くのかは分からないが、
日本だけが不利な訳じゃなく、どこも理不尽な関税率で、
条件は対等であり、損するのは米国民だけ。
恐らく、早々に米国民の不満が爆発するだろうから、暫くの
辛抱なんだろう。
現に、最新の雇用統計では、これを織り込んだ形で雇用の
伸びに陰りが出始めているし、経済が悪くなるという懸念が
広がり始めている。
最大の問題は日本の対米投資の問題。
米国側は、日本から米国が指定する銀行に5500億$を
振り込み、投資先はトラジイが選定するとしている。
一方、日本側は政府系金融機関が出資・融資・融資保証で
支援する枠を5500億ドルに設定、投資先は日本企業が
決定するとしており、大幅な乖離がある。
トラジイは約束が守られなければ、関税率を25%に
引き上げるとしており、本件が後々大きな軋轢となる恐れが
多分にある訳だ。
もちろん、そうなっても、日本側は主張を通すべきだとは
思うが。
元はと言えば、交渉結果を共有するものを残さなかった
ことが原因である。
多くの交渉項目がある場合、交渉のやり取りや途中変更
などで双方が思い違いすることは多いし、何日も経てば、
あれはどう決めたっけ?てなことも出て来る。
増してや、米国は膨大な数の国々と交渉してるんだから。
我々が交渉する場合でも、項目ごとに、こちらはこれをこう
考えてるよというMOU(Memorandum Of Understanding)と
いう形のメモを残すのが普通だ。
双方のサインがあるか無いかは措いても、少なくともこちらの
意思表示を明確にすることになる訳だ。
正式な契約書でなくとも、明確な意思表示はとても重い。
それを取り交わしたかどうかは定かではないが、もし交わして
いれば、ここにこう書いたよね、そちらも合意してたよねという
有力な根拠になったはずだな。
今回の交渉結果は大きく後を引くことになるんだろう。
巨額の資金をどういう流れで日本国から米国に移動
させるかという大問題が未解決(米国は解決したと見て
いる)のまま後送りになっているという印象が強いから。
まだまだ続く泥濘ぞという印象は拭えないな。