悠釣亭のつぶやき -550ページ目

インボイス制度という悪法

この10月からインボイス制度がスタートする。
そもそも、課税事業者(売上高1,000万円以上)は売上高から仕入れ
価格を差し引いた分に対応する消費税を国に納めていたわけで、
特に問題は無かった。

ただ、差し引くべき仕入れ価格は課税事業者からのものだけに
限られていた。
それは当然の事で、小規模事業者は消費税が免除されるから、
消費税が売り上げに加算されていなかったから。
これは小規模事業者は弱い立場だから保護するというのが主旨。


今回の変更は課税事業者が仕入れ価格に対する税額を特定できる
請求書(インボイス)を取得すれば、小規模事業者からの仕入れで
あっても、差し引きの対象とすることが出来るとするもの。

で、課税事業者はどうするかというと仕入れ先にインボイスを発行
出来るようにせよという事になる訳だ。
小規模事業者がそれを発行できるためには税務署に適格請求書
発行事業者の登録を行う必要がある。

そして適格者になれば、請求書の要件や保管義務など大変面倒な
仕組みの導入が必要となる。
ただでさえ、事務作業を縮減して利益を出している小規模事業者に
とっては大きな負担となり、死活問題だ。

その上、本来免税のはずが、消費税が特定できてるんだから、
それは国に納めろという事になる訳だ。
要すれば、課税事業者は仕入れ額減額が増えて減税になるが、
小規模事業者は今まで免税だったものが課税対象になってしまう
という事になる。

それならツーペイでしょって感じるかも知れんが、大企業にとっては
減税になるが、今まで消費税が免除されていた事業者はゴマンと
ある訳で、ここからがっぽりと徴税しようとするのがこの制度。

大手の事業者の多くは輸出で稼いでいるが、海外に売る製品に
ついては消費税がかからないから、還付があり、納めた消費税が
返還されるから、痛くもかゆくもない。


大手の事業者にとっては、国内製品に掛かる消費税額を減額するのに
大変好都合な制度と言える。
また、この制度を悪用する恐れも多分にある。
例えば、インボイスを出せない事業者とは取引しないとか、出せない
のなら、仕入れ価格を消費税分安くしろとかの圧力を掛ける恐れが
多分にある事など。


まとめると、小規模事業者は今まで収入が100円あったが、今後は
その内の9円が税として徴収される(利益が減る)。
厳密な会計処理が必要になって、そうでなくてもカツカツなのに、
よけいな手間ばかり増える(利益が減る)。
適格請求書発行事業者にならないと、取引停止や消費税分の値引き
などを要求される恐れがある(存亡の恐れ)。
どうしてもやれというなら廃業も覚悟という事業者も多いという。

消費税は「消費者からの預かり金」というようなプロパガンダも流布
しているが、アホ言え、売り上げに対する課税に決まってる。
課税されるから、その分値段を上げて消費者から取っているという
のが正しい。
消費者とて、払いたくもない税金の上乗った金額を払わされてる
だけの話で、無いに越したことはない。


この制度は小規模事業者イジメの何ものでもない。
この国の経済は大多数の小規模事業者の総合力によって成り立って
いるわけで、その規模が縮小することは経済規模が縮小する事と
ほとんど同義である。
これによって税収が増えないんなら、即刻辞めるべし。
増えるというのなら、それは正に増税だから、即刻辞めるべし。