
ウクライナ情勢は?(35)__ロシアへの圧力
2022年2月24日にロシアがウクライナに軍事侵攻して
以来、この戦争が間もなく4年になんなんとする。
今も、ロシアはミサイルや無人機による破壊活動を継続し続け、
市街地やインフラへの攻撃も進めている。
ウクライナも対空防戦と、主として無人機による攻撃で応戦
しており、戦線は膠着しているものの、戦闘は継続している。
最近になって、ウクライナの戦術が大きく変化してきている
ように見える。
戦線ではロシア軍を足止めする戦いを行ない、後方の支援を
断つためにインフラ、特に燃料インフラの破壊に重点を置く
ようになっている様だ。
ロシア国内の製油所を重点的に破壊し、ロシアの経済インフラ
を弱体化させるのが狙い。
この攻撃は内陸部に及び、サンクトペテルブルク近くの
ロシア西部で最大の原油積み出し港であるプリモルスク港の
攻撃では、同施設が一時的に操業停止に追い込まれた。
また、ロシア国内輸送の多くを占める鉄道の破壊も進めている。
その結果、ロシア国内では製油能力の20%程度が機能不全に
陥っていると言われており、給油に並ぶ車の列が出来ていると
いう。
また、インフレが進行し、物価高が激しく、国民の不満が
高まってきている様だ。
戦時経済で、軍事費ばかりが増大し、国内景気は冷え込んで
きており、財政赤字も大きく膨らんできているようだ。
尤も、戦費を賄っている石油と天然ガスの輸出は大きくは
減少しておらず、唯一それがロシア経済を支えている状態。
一方、米国のトランプ大統領はウクライナ紛争を収めるべく
画策を続けてきた。
アラスカでの首脳会談ではプーチン大統領との間で、和平提案
について話し合い、条件を確認したようだが、ロシアが横暴
すぎるとの印象を持ったようで、ハンガリーでの2回目の会談
について、進展が得られそうも無いとして破棄した。
返す刀で、ロシアの資金源を断つ行動に出ている。
トラジイはプー公を交渉の場に引き出すために、ロシアに
対する制裁を行なってこなかったが、ここに来てやっと、
ロシアの不誠実さを思い知ったということか。
その行動とは、即ち、ロシア産燃料輸入国への圧力とロシアの
燃料会社への圧力。
米国政府はロシア産原油の主要な買い手である中国とインドに
対して高関税を掛けると表明。
中国に対してはレアアースの輸出規制、麻薬原料の輸出制限と
ともにロシア産燃料輸出の削減を求め、関税100%の上乗せ
を示唆した。
その後、両国の製油企業はロシアとの原油取引を控える方針を
発表した。
米中首脳会談の結果、中国が停止していた大豆輸入を再開する
等の歩み寄りもあり、追加関税については20%とし、1年間
の交渉を行うこととなったようだ。
インドに対しては、輸入品に対する米国の関税を50%と
示唆したが、15~16%に引き下げることになったという。
取引の一環として、インドはロシア産原油の輸入を徐々に縮小
する。
また、10月22日、米政府はロシアの2大石油企業、
ロスネフチとルクオイルおよびこの2社の子会社の大半を
制裁リストに載せた。
制裁は発効までに1カ月の猶予があるが、採掘、精製、輸送など
全分野の企業が含まれており、ロシア国内外での燃料供給網に
大きな打撃となろう。
また、これらの企業はドル決済が出来なくなり国際取引にも
支障が出る。
他方で、米国はウクライナに対する支援として、長距離ミサイル
の供与を行う計画を発表している
巡航ミサイル、トマホークを供与するというが、これは脅しと
見るのが妥当かな。
米国内の保有数に限りがあり、艦船発射型だし、相当な改造が
必要だし、地形情報を供与することは無かろうから。
代わりに中距離弾道ミサイルは有り得るかも知れないが、
ウクライナも自国産の長距離ミサイルの開発が完了している
ことや、支援の中心が欧州に移っている事からも米国産を供与
することにはならないんだろう。
ロシアのプー公はここ数ヶ月で東部を制圧できると踏んでいる
ようだ。
実質的に占領地域を確定して戦争を終わらせるつもりなんだ
ろうが、ウクライナはそうはさせじと戦闘を継続している。
ロシアが目標達成するのか、制裁が奏功して戦闘継続困難と
なるのか際どい状況となっている。
ロシアにとっては、ここまで来た戦争をいまさら辞めることは
出来ず、さりとて継続する環境がますます悪くなっており、
早期停戦は望むところなんだろうけど、領土欲が強すぎることが
交渉の足かせになっている状況。
ワシが思うに、トラジイの行動は遅きに失したな。
ロシアを信頼し過ぎた結果が停戦を遅らせたと思える。
経済的に締め上げるしかないことは初めから分かっていたこと。
願わくは、ウクライナが更に領土保全する形で停戦が実現する
ことだが、核保有国のメンツをどう立てるかも考慮が必要なの
かも知れない。
ロシアも早く損切りしないと、国家そのものの存立にも悪影響
が出兼ねまいに。