
米が高い
昔は食糧管理制度というのがあって、コメの値段は統制価格だった
から、政府が値段を決めてたんだな。
主食だから、あまりの値上がりは消費者に直接影響したし、
値下がれば農家が立ち行かないと言う所からだったんだろう。
コメ需要が漸減する中で、米価は下落一方の状態になったから、
国は農業者が困らない値段でお米を買い取り、経済状態が悪い
家庭も買えるという値段で売った。
で、当然のことながら、それは国の財政を逼迫させることになる。
で、60年代後半からは、米価を市場に委ね始めた。
生産者が政府を経由せずにお米を売ることができるようにした。
政府が売るお米が「政府管理米(政府米)」、生産者が販売する
お米は「自主流通米」と言っていた。
自主流通米が増えて、90年頃には80%を占めるようになった。
そして、「食糧管理制度」が廃止され新しく「食糧法」が施行された。
これによって、農業者はお米を自由に販売でき、価格は市場原理
に委ねることになった。
コメの国際競争力の強化という一面もあったという。
もとより、コメの値段は需要と供給だけで決まるものではない。
もしそうなら、減り続ける需要で、コメの価格は下がり続けるはず。
一番下の図を見れば、そうでないことは明らかだ。
とはいえ、完全に自由競争になったかと言えば、そうではなく、
安くなりすぎると政府が緊急にコメを買うなどして調整はしている。
そして、他にも価格調整機能がある。
コメの流通のおよそ5割を扱うJAグループや経済連が県単位で
決める「概算金」や「相対取引価格」が価格の目安になっている。
概算金とはコメを買い取る時点での仮払金で、その年のコメの
出来具合や在庫の量を勘案して決めるもの。
相対取引価格とは実際に売れた金額で、差額が農家に返金され
る事で、その年の米価が決定するという事になる。
では今年の概算金額はどの程度だったか。
ブランド米と言われているものの価格が軒並み20~40%の
大幅な値上げとなっている。
原因は様々あろうが、熱暑対策、農薬や肥料の値上がり、燃料の
高騰、梱包資材の値上がりなど、コストが大幅に上がったという。

伴なった相対取引価格も同様に値上がりすることになる。
だから、昨年は5kgが2千円前後だったのが2,400~600円
前後にはなるんだろう。
流通経費も上がってるから更に上がるのかも知れない。
それにしても、高級ブランド米ならともかくも、店頭に並ぶコメが
3,500~4,000円というのはぼったくりというしかない。
コメはまったく品薄ではないし、逼迫なんぞしていなくて、寧ろ
余り気味なんだから。
政府備蓄100万トン以外に民間在庫だけでも6月時点で115万トン、
10月以降は例年、新米追加で激増する筈なんだから。
もちろん買い焦りが値を上げることはある。
いつぞやは1ロール50円のトイレットペーパーが200円、250円でも
売れたからね。
どうも短絡的な人達が、報道に煽られて、買い焦ってるようなところも
大いにありそうだ。
報道は米不足を煽る一方だし、行政すら政府備蓄米を放出せよと
米不足を煽ってるくらいだからね。
下の図を見れば、今回の価格暴騰が如何に理不尽かは一目瞭然。
コメ需要は下がり続け、24年度には681万トンになるという。
なのに価格は1.3~1.4倍にするって事がいかに不当な事か。
消費者は買い控えるか、使用量を減らすかの選択を迫られる事になる。

1膳のごはんが今は30円ほどだが、これが40~45円になるんだから
堪ったもんじゃない。
コンビニやスーパーのお弁当やおにぎりも同様に値上がりする事だろう。
外食産業も一斉に値上げに走るだろう。
長期的に見れば、消費者の一層のコメ離れが進むだろうし、コメ農家は
ますます立ち行かなくなり、倒産・廃業が増える事だろう。
主食としてのコメを守る気があるのなら、政府が高く買って安く売る
という、昔の食管法的オペレーションをやる事も考慮するしか無かろう。
でなきゃ、昔は「貧乏人は米を食え」と言っていたが、今後は「パンに
しろ」という事になり、政府の負担も上がるばかりになり、主食としての
コメは守れなくなるだろう。
