少数与党
秋の衆院選で大敗した自民党は、単独どころか公明党を
加えても過半数に届かなくなった。
与党にとっては想定外だったかもしれないが、昔のように
何事も自公で決めれば成立するとか、強行採決で決めるとかの
横暴とも言える行為が出来なくなった。

自民196、公明24、合わせて220議席は衆議院(465議席)
の過半数である233には13議席足りない訳である。
だから、何かを決めようとすれば、立憲148の賛成はもとより、
維新38、国民28のどちらかでもを味方につけないと決まらない。
一方、野党の方も立憲+維新+国民で、214にしかならず、
過半数には19不足している。
だから他の少数党を味方につけないと、主張が通らない状態だ。
今回、国民が103万円の壁の撤廃を主張したわけだが、これを
飲まないことには、来年度予算案に賛成しかねると言われれば、
真面目に検討して妥協しないと過半数を取れなくなって予算が
通らなくなってしまう。
とはいえ、今後検討するという条件付きながら、国民が主張する
178万円とは程遠い、123万円で取り敢えずの決着。
一方、維新が主張する高校までの教育費無償化の案は検討中
だけど、これも維新が採択せねば予算案に賛成しないと言えば、
飲まざるを得ない訳だが、与党にとっては国民か維新のどちら
かが賛成なら予算が通る訳で、実現が容易な方を採れば済む
わけだ。
ここは、国民と維新が協調して、「どちらの案件も採択しないと
どちらの党も予算案に賛成しない」という作戦を取らないと、
片方だけが採択されて、その党だけが手柄を独占したように
見えてしまうんだな。
ところが、二つの党の間で、そのような政策論議がなされる
というようなお話は聞かない。
せっかくの少数与党状態をうまく生かすチャンスなんだから、
協議すべきだと思うんだが。
野党の出す政策案も同様なジレンマを抱えている。
野党3党が集まっても214議席にしかならぬのに、それすらも
纏まらない。
野党は右左に幅があるし、それぞれの確固たる思惑があって、
他の党とは根元の部分で折り合えないところがあるからね。
ま、多様性と言えば聞こえは良いけど、選挙協力や政策協議
については、かなりの妥協をしても集合すべきだし、そうで
なければ、政策は通らないし、選挙でも勝てない筈だ。
ともあれ、今の状態の良し悪しを問えば、どちらかと言えば、
良いと言えるのかな。
与党の横暴は消えたように見えるし、野党が合一すれば、
野党案を通すのも不可能ではないという感覚が生まれた。
与党側も、野党の意見や主張を無視できない状況だ。
ま、物事を決めるのに時間が掛かるようになり、期間中に採択
できる法案数が減ったというのは悪い部分かも知れんけど、
本来、民主主義は時間が掛かる物なんだし、より議論が深ま
れば、より良い政策が採択されるという事なんだろう。
振り返ってみれば、あの参院選は実に絶妙のバランスが取れた
選挙だったと言えるのかな。
与党も野党も過半数には届かず、少数政党の意見を勘案
しないと主張が通らないことになって、多面的に議論が深まった
ように感じるな。