春闘
毎年1月の終わりころになると来年度の給与をどうするかが
議論され始める。
昨今の物価高を受けて、今年も昨年以上の賃上げを求める
声が大きい。
労組側の組織の一つである連合は昨年にも増した賃上げを
要求しており、大企業では5%、中小企業で6%の賃上げを
目指すという。
企業側の代表の一つである経団連も「ここ2年間で醸成されて
きた賃金引き上げの強いモメンタムを『定着』させる年」として、
賃上げには前向きだが、額については企業によるとの見解。
労働者の状況を見ると、全労働者の内、組合に加入している
労働者の割合は減り続けており、今や17%程度という。
また非正規社員の割合は40%に迫るし、自営業やフリーランスを
入れると、もっと大きな割合になるんだろう。
だから、春闘と騒いでる割には全労働者への直接的な恩恵は
大きくはないようだ。
もちろん大企業の賃上げ実績が他の企業に波及し、反映される
から、労働組合主体の春闘には大きな意味があるとは思えるが。
景気が良くなるためには庶民の購買力が上がらなきゃね。
物価上昇以上の賃上げが実現すれば、消費余力があるから、
少々物価が高くても買うんだろう、
そうでなきゃ、生活を守るためには買い控えせざるを得ないでしょ。
しかし。
政府の考え方は
賃金上昇→購買力増大→景気上昇 というサイクルで景気が
良くなるという考えのようだ。
ワシはちょっと違っていて、
購買力増大→景気上昇→賃金上昇 というサイクルでないと
難しいと思っている。
そして、方策としては前者はかなり難しいが、後者なら、覚悟さえ
すれば実現はかなり容易だと思われる。
庶民の購買力増大の方策は多々あるからね。
何故前者が難しいかと言えば、大企業の賃上げにはコスト増を
カバーする販売価格の上昇が必須であって、購買力が低い時に
これをやると逆効果になり兼ねない。
中小企業においてはコスト増を親会社に価格転嫁出来なきゃ
ならない訳で、親会社にとっては賃上げと仕入れコスト増の
2重の負担になるから、共に困難だ。
では、昨今の物価上昇率はどうなってるか。
消費者物価指数(CPI)はコロナ明け以来、毎年、前年同月比で
3%程度の上昇を続けている。
肉も魚もコメもガソリンも卵もコーヒーも、酒さえも値上がりしてる。

だから、連合の言う5%は極端に大きな数字ではない。
今後の物価上昇や昨今の金利上昇(ローン世帯にとっては
実質的な増税)分を上乗せすれば、まだ低いくらいかも。
もとより、賃上げは民間が決心し、実行するものであって、
政府はお願いベースのもの。
この先のトランプリスクなどを勘案すれば、企業とて、安易に
賃上げするわけにも行かないだろう。
減税や補助金支給は政府が主体的に出来る施策。
そして、それは直接的に購買力を増大させる。
庶民が歓迎する施策でもあるのに、あの政府は税収減になる
ことは梃子でもやらない積りだから始末が悪い。
更に厳しいのは年金受給者。
CPIが毎年3%上昇しているんだから、物価スライドなら年金も
3%上がるはずのところが、マクロ何ちゃらで来年度は1.5%
しか上がらないと。
エンゲル係数の高い大半の高齢者は所得増=購買増になる
から、それこそ、5~6%の所得増にすれば、今まで買い控えて
いた反発もあって、購買力が爆増する。
何せ人口の40%近くが高齢者なんだからね。
CPIが安定する数年間だけでも実行する価値がある筈だ。
政府のやってる事は何もかもチャランポランにしか見えない。
購買力を増大する事だけが景気を拡大させる方策なのに、PB
黒字化に固執し、金利は上げ、賃上げを企業に要請するだけ。
庶民が潤う施策の一つでもやれば、少しは見直されるのにな。