
政府備蓄米放出
14日、江藤農林水産大臣は政府の備蓄米21万トンを市場に
放出する方針を発表した。
コメの流通の円滑化を目的に政府が備蓄米を放出するのは
初めてのことで、来月半ばにも放出を始め、必要があれば
さらに放出量を拡大することも考えるとしているという。
遅きに失するという批判は当然あるんだろうが、新米が出れば
価格が落ち着くという筈だったのに、コメの価格高騰が続く中、
対策に出たことは評価できる。
ま、農薬・肥料、燃料、梱包、運送費などの高騰によって、コメの
売り渡し価格が20~30%値上がりしてるから5kgで2,500~
2,800円程度までの値上がりは予想してたが、4,000円近辺
にまでの値上がりは許容できないからね。
これには裏があって、昨年のコメの収穫は前年度比で18万トン
の増収だったにもかかわらず、市中の民間備蓄量が21万トン
程度少ない状況になっていた。
平たく言えば、コメの価格上昇を当て込んで、誰かが買い占めた
と言う事のようで、生産者から直接大量購入する事象が見られたと。
米を投機手段に使うのはもっての外だが、政府統制を外した時
からその懸念はあった訳だ。
しかし、久しく価格が低迷していたから、その旨味が無かったが、
このところの価格高騰で、買い占めの動きが出てきたという事か。
政府備蓄米は不作対策や災害対策として行われており、毎年
20万トン程度追加して累計100万トンほどを備蓄保管している。
5年の期限後は廃棄されたり、飼料米として使ったりしている。
流通食糧用ではないので、受入れ検査などを簡易化しており、
食糧として流通させるには、虫害や薬害対策のための全数検査
が必要になるため、放出と言ってもそれなりの手間とカネが掛かる
ために、必要だからすぐに放出とは行かない面もあった。
放出によって、投機筋の思惑をくじいたのが最も効果があったと
思われるが、価格の安定にどれほど寄与するかは分からない。
既に民間が購入したコメは買い付け値段が高いものだった訳で、
放出米が市況を壊すほどの、驚くほど安い値段に出来る訳も
無いからね。
ま、ブレンドして、少しは安いコメにはなるんだろけどね。
期待できるとすれば、放出量をもっともっと増やして、供給過多に
すれば良いのだが、政府が値崩れを容認する筈もない。
しかし、慌てた投機筋が買い占めたコメを損を覚悟で安く放出
した時には政府放出米と相まって供給過多状態になるから、
少しは下がるのかな。
年間需要が600万トンほどだから、3.5%程度の供給量の
増大が大きく寄与するとは思えないが、需給は気分の問題も
あるので、高止まりだと更なる放出があると思えば、一部の
引受先では安値販売が行われるかも。
小麦は実質的に政府統制下にあるのに、主食のコメが市場任せ
というのも変な話ではあるが、全農などの大手の価格調整機能が
失われつつあるという事かな。
5kgが3,000円近辺だと、消費を控える動きが大きくなるから、
コメ離れが起こり、結局は自分の首を絞める事になるのにねぇ。
