トランプ関税のもたらすもの
この9日から米国政府は相互関税の名のもとに、世界中の主な
国々に対して、法外な関税を掛けようとしている。
米国が各国の非関税障壁としている数字そのものの根拠も
曖昧だし、それに対する報復的な関税率も訳が分からんのだが、
遮二無二、法外な数字を列挙している。

中国34%、EU20%、ベトナム46%、台湾32%、日本24%、
インド26%、韓国24%と続く。
今まで、これらの国々が自己防衛として掛け続けてきた関税や
非関税障壁に対して、対抗処置をとるという名目だ。
これに対して、中国やEUは同等の報復関税を掛けて対抗する事を
既に表明しているが、大方の国々ではどう対応すべきなのか
議論中といったところである。
日本国は法外で理不尽として免除を要請しようとしているようだが、
例外を認めることはないだろう。
この影響は米国内外で多大となるだろう。
米国内では多くの日用品を輸入に頼っており、今後は関税分が
上乗せされた価格になる訳で、相当な物価高騰が予測されるため、
各地で反対デモも発生し始めている。
そもそも、米国産品の魅力が高ければ、世界中で売れるはずで、
貿易収支が良くないというような事態にはならない訳だ。
例えば自動車だが、米国産の右ハンドル、高燃費、故障が多い
車を日本国内で敢えて買おうとする人は居なかろう。
米国内の商品に比して圧倒的な魅力の製品は、たとえ高関税が
課されて値段が高くなっても米国民は買うんだろう。
フェラーリなどの高級車やニンテンドーのゲームなどがそうだ。
一般の消費財とて、同等の米国産品が無ければ買わざるを得ない。
必然的に米国内の物価は高騰することになろう。
それは良いとして、長期的に見れば、各国の輸出入の競争力が
著しく阻害されるのは明らかだ。
米国への輸出はもちろん、報復関税を掛ければ米国からの輸入も
著しく制限され、自由貿易の体制そのものが大きく毀損される。
これはとりもなおさず、世界経済の停滞をもたらすだろう。
市場は将来の経済停滞を織り込みはじめており、世界中で株価の
大暴落が始まっている。
日経平均も38,000円から、半月で31,500円へと17%も値を
値を下げた。
関税負荷を少しでも軽減するために、輸出企業は生産拠点を
米国内に移転したり、比較的関税率の低い南米や豪州への移転
を考えることになるんだろう。
それとて、気まぐれに簡単に関税率を上げられる恐れが大きい。
数年待てばという考えもあるかも知れないが、恐らく耐えられない
だろう。
もう一つの動きは対米貿易の縮小。
輸出品の仕向け先を関税の低い国へシフトして行く行動が盛ん
である。
中国でも前トランプ政権時の関税競争に懲りて、対米輸出は縮小、
対ASEAN貿易を拡大してきている。
ま、米国市場は大きいから、大幅な縮小は難しいけれど、少しずつ
米国内での品薄感は拡大して行くんだろう。
それよりも、高関税そのものを辞めさせる算段をした方が手っ取り
早いんじゃないのか。
法外で理不尽な行動にはこちらも理不尽に対応すべきだろ。
米国の一番嫌がる、最も痛い所を突くのがよい。
それは米国債だ。
米国債を大量に保有している国はというと、中国、日本、英国だ。
連携して、今回の処置を緩和せねば米国債を投げ売るぞと脅す
べきだ。

米国債の買い手がつかなければ、米国経済はすぐに破綻する。
実際にやらなくても、「このままじゃ、国債を現金化することになる」
というだけで、十分にキツイ脅しになる筈だ。
名目は、得たドルで輸出企業を保護するという理由で十分だろう。
その言葉だけで、米国政府が震え上がるだろう。
世界平和のためにも、使える脅しは最大限使うべきだろ。
国難と嘆いているより、何とか辞めさせる算段を考えるべきだ。
お願いベースで事が収まるとはとても思えない。
理不尽には理不尽で、強権には強権で、相手の最も嫌がる所を
徹底的に突くしか方法は無いし、それが自国の保全になり、
世界に安定をもたらすんだから、やりたくは無かろうけどやらねば
ならぬ必要悪なんじゃないのか。