さて、今日も本業の車の話題…
この頃、何が本業なの?
ってよく聞かれますが…
間違いなく、車の改造が本業です
今日は、マフラー交換のお話…
その昔・・・
私が免許をとったばかりの頃は・・・(38年前)
マフラーを交換する・・・というと、
限りなくアンダーグラウンドな…
暴走族風な匂いのする行為でした
なぜなら、今のような、車検対応マフラーなーんてモノはなく、
マフラーはレース用部品であって、
公道を付けて走ることは、完全なる違法行為…
実際、音も大きく…
それを装着して、街中で走る = 暴走族 的な目で見られていました・・・
まぁ・・・簡単に言ったら、付けてるヤツは、
暴走族とまではいかないけど…
限りなくアウトロー的な人達が大多数・・・
もちろん車高も低く…
年末年始のパレード前は、どこのショップも大忙し
当時の車の殆どはFR車で、マフラーはデフの上を通っていましたし、
今みたいに、頭まで上がるリフトを持ってるタイヤ屋さんなんて殆どありませんから、
皆、ウマで、車輛を上げて、寝板にのって、
両手、両足を使いながら、サンダーで、
ノーマルマフラーをぶった切って作業してました
もちろん、箱根の山を攻める、【純粋な走り屋】だっていましたが…
藤壺 や トラスト のタコ足 や マフラー の出荷の殆どは、
このアウトロー達のために出荷されていたと思います
元気のいい若者 = 車好き = 女好き = 喧嘩つおいヤツ = モテル
なーんて、法則みたいのがあって、皆、競って車の改造・・・
愛読書は…【シャコタンブギ】
古き良き時代と言っては、怒られるでしょうか
おっと、話がそれました
今日は、このゲレンデヴァーゲン = W463/Gクラスに、
特注のワンオフマフラーを取り付けるお話…
特注・・・
ワンオフ・・・
といっても、普通の方にはわかりませんよね…
先ほどちょっと触れた、車検対応で、ないマフラー の一つです。
大きな違いは、車検対応などの、量産品と違って、車輛を預かり、
一本一本、全て手作りで、曲げたり、溶接したりして、職人が作っていくモノ・・・
型とか、ジグがあって、一日何十本も作っていく量産品とちがって、
最低、1週間は車を預かり、(長いと一か月・・・)
エンジン側から、ステンレス(304)のパイプを曲げて作っていくんです
このお客様のゲレンデは、2003年のG500をG63使用に改造してありましたので、
お客様は、オークションで、わざわざ、W210/E55 AMG の中古マフラーを買ってきて、
『リアのテールエンドに、このAMGのテールを付けて欲しい…』
とのことでした。
以下は、丁度2週間まえのお客様との会話です
【その他の希望は・・・?】と私、
と聞くと、
『アイドリング時点では、あまりうるさくなく、
3000回転越えたあたりから、低音ではなく、甲高い音になれば…』
とのこと…
【トルクは、アップした方がいいんでしょ・・・?】
と聞くと・・・
『 えっ・・・? トルクアップできるんですか? 』
【 そりゃできますよ… だって、そのためのワンオフマフラーですから…
速くなんなかったら… ワンオフで作る意味ないっすよ
そのへんのツルシでも、甲高い音は無理だけど、いい音にはなるし、
車検対応にしとけば、いちいち、車検の時に、ノーマルに戻したりする必要ないから、
らくだけど・・・
ちっとも速くならないし、逆にトルクが落ちるから、あまりすすめないけど…】
『 マぢっすか
この車・・・重いから、5000ccあっても、3000回転超えるまでは、
まったく我慢大会位に、走らないんですよ・・・
本当に、もう少し無理して、G55AMGにしとけばよかったって思ってたんです・・・』
【お客さんは、ゲレンデV8用のE-FORCE/ダイレクトインテークKIT と一緒にマフラーを
ワンオフで、作るんだから、トルクアップしなかったら、マぢーから、
まず、まかせてください】
こんな会話をして、預かったのが2週間まえ…
この車輛と同じ車両は、何度かワンオフで作っているので、
ダイレクトインテークとセットで、装着すると・・・
かなりお客様が感動することも知ってましたので、自信満々で、預かりました
ゲレンデ V8 車輛の場合、ワンオフで作ると、左右2本(または4本)出しにする方が
多いし、作る方もそのほうが楽ですので、見た目も派手ですから、それをすすめます
でも、この車の一番の欠点は、
先ほどお客様が言っていた、3000回転以下のトルク不足なんです
けして、最高速を上げたいとかではないんです
市街地を走っていると、500メートルも走らないで、信号があります。
2.5トン弱ある車重を、やっと50km/hまで持っていっても、
またそこで信号です
その間に、使う回転域は1000~3000回転が殆ど…
車は、停まっているところから、動き出す時が一番力が必要なんです
一度、60km/hまで速度が上がってしまえば、
それを維持するのに1200回転くらいですむんです
ところが、停まってるゲレンデを後ろの軽自動車に煽られないように走ろうとすると、
べた踏みして、3000回転位までアクセルをふむんです・・・
でも、これが・・・
頭にくる位、トルクがない…
軽が、ターボだったら、抜かれます
ようは、トルクアップが、最大のプライオリティなんです。
その場合、左右を同調させずに独立で排気させる左右2本(4本)出しは、
当社ではすすめません
これは、左前のしたから覗いたマフラー
これは、右からセンターにいくパイプ…
そして、フレームとボディの少ない隙間を通ってデフの前に左右から1本づつ、
パイプが入ります(この隙間がかなり少ないんです)
★上の写真のしたのパイプはセンターの大きなタイコからもどって、
左後ろからでてくるテールパイプです。
ね・・・?
美しいでしょ?
美しいだけじゃないんです
音もいい
マフラーだけで、しばらく試走しましたが、確実に抜けもよくなって、
トルクもアップ、パワーもアップしています
さすが職人・・・
当社が、お願いしている職人以上のマフラー屋さんを私は知りません…
そりゃ、雑誌などで、有名なマフラー屋さんのマフラーを付けてる車はいっぱい乗りましたが、
比べる次元じゃないんです
この職人も、私のアライメントの時と同じで、
まず預かったら、しばらくお客様の了解を得て、ノーマルで走り込みます
そうしないと、トルクがどれほど太くなったか・・・
拭け上がりが、何回転で、引っかかるのか…などがわからないからです
ですから、たまに、納期が3~4日、いきなり延びることもあります…
それは、できあがったマフラーが、自分の思った通りでない場合です…
そんな時は、徹夜してでも、やり直します
私が、夜中1時に仕事を終えて、前を通ると、溶接の火花がいつも見えます
その位、仕事に、責任とプライドをもった職人なんです
いつも、ワンオフの予約は、2ケ月位待たせていますし、
レースの時期は、3~4ヶ月待たせてることもしばしばですが…
いっこうに、キャンセルする人は、いません
さて、そんな職人の作ったマフラーに、E-FORCE/ダイレクトインテークKITの装着…
いったいどんな変化がおきたのでしょうか・・・
長くなりましたから、続きは次回に…
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