著作者人格権不行使が普通ではありません | 牧村しのぶのブログ

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契約では著作者人格権不行使が普通だという投稿を見ました。

コメントも同意ばかりで驚きました。

 

出版契約書のヒナ型( 日本書籍出版協会)をご参照ください。

https://jbpa.or.jp/pdf/publication/hinagata2015-3.pdf

第6条(著作者人格権の尊重)

 「本著作物の内容・表現または書名・題号等に変更を加える必要が生じた場合には、あらかじめ著作者の承諾を得なければならない。」と書いてあります。

 私が現在結んでいる出版社との契約は全部これです。

 

長く出版社で仕事をしている人は著作者人格権の尊重が当たり前だと思っています。

少なくとも著作者人格権不行使が普通だとは思いません。

 

ただしこれとは別に広告に必要な改変(トリミングや反転、着色等)や、配信に必要な電子化やキャプションの追加等には著作者の許諾を必要としない、公表(出版、配信)の時期は出版社に一任するなどの条文もあります。これは著作者人格権(同一性保持権、公表権)の制限になります。

 

実際広告は従来一任してきましたし、配信開始日は出版社も指定できません。業務上必要で支障もない場合は逐一許諾を求めない(著作者人格権を行使しない)という柔軟性を持たせています。

 

しかし広告用の改変が受け入れられず抗議する人もいます。

 

そうした問題が生じないように契約書で取り決めを作っておけば良いと思います。