マスピ顔、といわれる美少女イラストが生成AIによって量産され飽きられました。
マスピ顔の美少女をゴミ箱に入れたり、黒人にしてスイカを食べさせたりする嫌がらせまでされており、目に余ります。
まずマスピ顔の語源について、簡単に整理しておきます。
プロンプトにmasterpieceと入力すると出る絵柄がマスピ顔に短縮されて使われるのをリアルタイムで見ています。
しかしこういう絵柄のルーツが誰なのかはっきりしません。
長い間pixivを見ていますが、私がたまたま見つけてフォローした中にはこうした絵を描く方はいませんでした。東洋系の釣り目で
目尻に少し険があり、上目遣い、三白眼、困り眉(眉を下げる)という特徴があります。頬を赤らめ口を半開きにして怒り拗ねたような媚態を示します(表情はプロンプトにもよります)。
萌えは確かに日本の少女漫画から生れましたが、マスピ顔といわれる絵より目が丸っこくおっとりした印象があります。
マスピ顔と萌え絵で画像検索すると違いがわかります。
萌え絵
マスピ顔
「スパイファミリー」のアーニャはマスピ顔ではありません。
ウマ娘にはマスピ顔によくある釣り目のキャラもいますが、性的魅力の誇張や媚態はありません。二次創作ガイドラインでも性的描写を禁止しています。
日本の萌え絵=マスピ顔ではありません。
ではそのルーツは何なのでしょう?
Danbooruでmasterpieceというタグをつけられた絵だという説と、NovelAIがmasterpieceというタグをつけた絵だという説があります。Danbooruでmasterpieceというタグを含む絵を探しましたが、それらしい絵は中国のゲーム「アークナイツ」のrosa、日本のイラストレーターmasterpiece1182くらいです。
確実なソースが見つからず、中国のゲームのイラストがルーツだというネットの噂を頼りに検索してみました。前述したように「アークナイツ」には確かにそれらしいキャラがいますが、他にもあるかもしれません。
2022年以前で探すとそれらしい絵のゲームが出てきました。
2018年にリリースされたRPG「ドールズフロントライン」です。銃器を美少女に擬人化した作品で、内容はハードです。
Danbooruに二次創作が大量にありますが、多くは性的です。
それがデータセットDanbooruに入っています。
2019年リリースの人気RPG「アークナイツ」もあります。
これもDanbooruに二次創作が大量に入っています。
データセットDanbooruに入っています。
特にKernel Killer(Kornel Kosmos)というインド人ユーザーの二次創作の絵柄はマスピ顔です。
2021年リリース、日本でも人気のRPG「エターナルツリー」も女性キャラの顔がマスピ顔といわれる絵に似ています。
データセットDanbooruに中国の美少女ゲームの二次創作と公式の絵が入っていることは間違いなく、影響しています。
2021年末にリリースされた韓国のRPG「勝利の女神:NIKKE」のティザーPVもいわゆるマスピ顔に見えます。キム・ヒョンテ氏がキャラクターデザインを手がけています。韓国のイラストも影響しています。
キム・ヒョンテ氏の近年の絵柄は完全にマスピ顔といわれる顔でDanbooruにも入っています。性的魅力のある絵柄で人気も画力も抜群です。元祖の一人だと思います。
二次創作も大量にあります。
キム氏のマスピ顔のLoRAも作られています。
日本の萌え絵だけでなくアジア系の絵がDanbooruに多く取り込まれています。リアルなイラストでは中国のWlop氏や、シンガポールのGuweiz氏が好きですが、LoRAも作られており影響していると思います。
これらがNovelAIに使われ、いわゆるマスピ顔の生成に寄与したことは確かです。しかしルーツがどこの誰とは言えません。
人気と画力から見て韓国のキム・ヒョンテ氏がその一人だろうとは思います。
しかし日本の戦闘アニメの美少女キャラ、例えばアスカはマスピ顔とはいえませんが、二次創作にはそれらしい絵もあり、影響を与えていると思います。
結局わからないという結論になり、お目汚し失礼いたしました。