2007年にネットで殺人依頼をした女性が逮捕されました。
最初から殺人依頼が目的でネットを利用したわけではなく、引き受けた男性もそんなつもりはありませんでした。
女性は借金と夫のDVで悩んでおり、金のために出会い系で買春していました。男性も同じように借金を抱え家庭生活も破綻していました。最初は遊び相手を探すつもりで女性の気を引くために「いやな人いませんか?」と投稿していました。会って話すうちに、夫の保険金があるから1000万で殺害してもらうという約束になり、その後夫の退職金で借金返済のめどがついて殺害はやめようと思ったこともありましたが、男性を怒らせるのが怖くなりやめようといい出せないまま、共謀して夫を殺害しました。
詳しくは直接取材して書かれたドキュメントをお読みください。
依頼した女性も引き受けた男性も、最初から明確な殺意があってネットに投稿したわけではなかったのですが、出会ってやり取りを続けるうちに抜き差しならなくなっていく人間同士の闇と闇の作りだす渦が怖いと思います。女性は事件の前から誰か夫を殺してくれないかなと愚痴をこぼすことはありました。1人では実現せず愚痴で終わったかもしれません。
ネットで殺人依頼をする人は本当にいます。最近もSNSを使った殺人事件が続いています。
実は私も過去殺人という言葉を使ったコメントをつけられたことはあります。過去の事件の記録を読み、依頼する人も追い詰められていることはわかりましたが、投稿すればどういう結果になるかを甘く考えていると思います。
ネットに殺意をほのめかす言葉を書けば、仮に本気でなかったとしてもそれを実行してしまう人間を引き寄せる危険があります。書くべきではありません。
書かれた人が冗談だと受け流すことができないのは、幾度も殺人事件が起きている現実が背景にあるからです。ネットに公開することで衆目を集めた方が、孤立するより手出ししにくくなるかもしれません。生成AIに規制を求める人が殺害予告を受けて苦しんでいます。私は公開して構わないと思います。