インスタントラーメンの歴史と思い出 | 牧村しのぶのブログ

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カップヌードルがなかった昭和に生まれましたが、袋麺はありました。

 

1958年の日清チキンラーメンが世界初のインスタントラーメンです。味のついた麺にお湯をかけて2分で食べられる便利さが受けて大ヒットしました。

アニメ「巨人の星」の星一徹もチキンラーメンを食べていますが、原作漫画にはチキンラーメンはなく、漬物(沢庵?)が描かれています。長嶋茂雄の巨人軍入団とチキンラーメン発売が同年で時代は合っています。誰でも簡単に作れる個食でした。

我が家では母親が買わず食べたことがありません。

 

1962年、麺に味はなくスープ別添えの明星食品の支那筍入明星ラーメン、東洋水産のマルちゃんのハイラーメンが発売されました。野菜や卵など具材を入れ調味料で味変できるので家庭の主婦に受けました。

翌63年、日清焼そば(焼かない焼そばの元祖)、エースコックのワンタンメン、マルちゃんのたぬきそば(和風麺の元祖)が発売され、翌年にはサンヨー食品の長崎タンメンがヒットしました。いずれも母親が買ってきたことがあり、記憶に残っています。

 

そして66年、ロングヒット商品サッポロ一番、明星チャルメラが発売されました。ここまでは麺は85gで、物足りない人はスープにご飯を入れてラーメンライスにするのが一般的でした。レンジも普及していなかったので冷や飯のまま入れた記憶があります。

子供にも物足りない量でした。そこで麺を100gに増量した駅前ラーメンが発売されました。

 

そして68年、ごまラー油をつけた出前一丁が発売されました。

大判の100gのラーメンと少し小振りなラーメンが共存する時代になりました。今も90gの商品は残っています。具材を入れれば満腹になる量です。

 

我が家もですが、家庭ではモヤシやキャベツ、葱、人参を刻んで入れ、さらに卵を落とし、海苔を乗せ、胡椒やラー油で味変

して休日の昼食にしていました。忙しい時ラーメンが夕食になることもありました。出前を取るより安く好みの具材を入れられるので便利だったのです。

 

しかし正直言えば、母親の作るラーメンは野菜が多くて水っぽく麺も少し煮込みすぎで、ラーメンらしい味はしませんでした。

一人で作る時は野菜を入れずに食べるのも別の楽しみでした。

私の好みはホタテ風味のチャルメラでした。今のチャルメラとは少し味が違います。時代に合わせて改変されています。

 

韓国のインスタントラーメンは、日本でインスタントラーメンを食べた三養食品創業者が、韓国でも普及させたいと考え明星食品の技術指導を受けて1963年に三養ラーメンを発売したのが最初です。当時は国民が小麦粉製品に慣れておらず、受け入れられてヒットするまでには2年かかりました。

 

ちなみに三養ラーメンは120gあります。日本の大判よりさらに大きく、もっと大きい130gのラーメンもあります。食べるのに時間がかかりますから、鍋から熱々で食べるのは合理的です。