僕は、サウジアラビアで働くことになった。
サウジを内側から見たその様々な「魅力」の記録第27弾。
先月行ってきた世界遺産のある「ハーイル2日目後半~最終日」です。
2日目後半
上司が、アーリフ城以外にあと二つの城があるはずだという(僕は不勉強でアーリフしか知らなかった)。そこで調べてみたところ、バルザン城とアルキシュラ城というのがあることがわかった。
バルザン城は、Gmapには“閉業”と書いてある。
※1800年代に建てられた。かつては30万平方メートル以上の面積があったが、大部分を1921年に破壊され、今では塔の一部だけが現存。
アルキシュラ城は、Gmapでは見つからない。
※1940年代に軍隊を訓練するために建てられた。一時は刑務所として使われていたこともある。4年前に政府により歴史的建造物として復元された。
閉業と書いてはあるが、バルザン城に行ってみることにした。
昨日行ったアーリフ城のすぐ北に位置していた。が、閉業というだけあってボロボロだった。下記写真の塔の中がのぞけたが、ゴミだらけでやはり廃墟だった。
※アルキシュラ城は、帰宅後、このブログを書くためにもう一度調べてみたところ、Gmap上で見つけることができた。Gmapにはアラビア語表記しかなく、見つけられなかったのだ。
<↑アルキシュラ城はこんなところ>
その後、隣にあるスークへ行ってみた。伝統的なスークらしく、全ての店で女性が売っていた。スパイスや香料や生活用品はもちろん、昔ながらの女性の服やアクセサリーなどが売られていたが、そこは屋内で、まだ客は一人もいなくて居心地が悪かったので、早々に切り上げてしまった。
夕食をとるため、街並みを見ながら1㎞半北上し、昨夜とは違うサウジレストランへ。
やはり、カプサ(※)を頼んだのだが、通常大皿でもって来るのが、竹筒のカゴに入れられてきて趣きを感じた。
※カプサは、サウジアラビアのピラフで、スパイスのきいた肉が一緒に盛られている。アラビア語にはPがないので、KABSAと呼ぶ場合もあり。
サウジ料理は、ピタパン(※)が頼まなくても必ず付いてくる(写真右隅)。昨夜はこれを食べたら肉が食べられなくなってしまったので、今回は極力抑えたかったのだが、いつもよりもっちりふっくらしたピタパンだったので、つい食べてしまい、今度はカプサを残してしまった。
※ピタパンは、中近東で食べられている、直径20㎝くらいの平たく円形のパン。なくなれば無料で追加可。
満足いく一日に感謝し、本日終了。
3日目
すでにメインの岩絵観光を満足して終えている僕らは、Gmapでおもしろそうな場所を、前夜いろいろ探してみたが見つからない。
廃墟が多いことからもわかるが、世界遺産の街だという自覚がないのか、観光業を重視していない。昨日のUberとの交渉でもそれを感じた。
それでも、帰りの列車は15:35 なので、今日一日、何かしないともったいない。
そこで、街の西側にある3つの場所を選んだ。
①ホテルから歩いて、野生動物公園を通って(車ではいけない岩山を抜ける道?)、州立公園へ。
②AjaParkという、華やかでにぎやかそうな遊園地へUberで。
10時前にホテルをチェックアウトし、5㎞先の州立公園を目指して歩き出した。2㎞歩いたところから道路を外れ、岩山群へ入るはずだったが、大きな門に行く手をはばまれた。
野生動物公園の柵なのか、ぐるっと囲まれている。でも、看板などは一切なく何のための門や柵なのかわからない。Gmapでは門の存在など記されておらず、行けるようになっているのだが…。
一応、僕は横の岩山に登ってみて、中を確認してみたが、一本道がずっと続くだけ。なんの建物もなく、動物?もいない。
しかたないので、Uberを呼び、AjaParkへ(この時からなんとなく嫌な予感はしていた)。
距離は6㎞ほどの地点だが、車で行くとUターンをして遠回りをしなければならず、14㎞ほど走った。
着いたら、やはり予感は当たっており、閉まっていた。Gmapのクチコミを見ると閉業してはいないようだが、場内は瓦礫が積んであったりして、どうみてもずっとやっていないような様子。それともこのガラクタのある状態で夜だけ営業しているのだろうか? 夜はもう寒い時期なのに…。
<こんな感じのはずなのだが…>
<これが実際の現場。どう見ても廃墟?>
せっかくなので、AjaParkの隣の建物が“見事な廃墟”だったので、のぞいてみた。大きな敷地にサウジらしい建物。何かの施設だったのか? 日本ではなかなか見られないが、“これぞ廃墟”ってかんじの館内だった。ハーイルにはこんな場所がそこら中にあるのだ。
2度裏切られ、最後の頼みの綱、州立公園を目指した。野生動物公園を通らずとも、大通りから反対側に行けるはずだ。AjaParkから3㎞半の距離なので、時間もあることから歩くことにした。
しかし、大通りから脇道に入り、きれいに整備されてはいるが、人も車もめったに通らない道を歩いていると、さすがに飽きて疲れてきた。
と思っていたら、あと半分ほどの地点で、一台の車が近づいてきた。サウジ人の年配の方が運転している。
「どこに行くんだ。」
「乗せていってあげよう。」
そう言って、その人にとっては今来た道なのに、僕らを送るために戻ってくれたのだ。車ならすぐではあるが、サウジのおもてなし文化にまたちょっと触れたようで、いい気分になった。
そうしてようやく着いた、州立公園。ショッピングモールが併設されているようだが、その立派な門がこれ。
しかし、ここもやっていなかった。立派な門と塀に囲まれている。門が少し開いており、のぞいてみると中は比較的整備されているようだ。オープン前なのか? しかし、それにしては、門の前の大砲オブジェがすでにボロボロになっているが…。
こうしてみると、今日ははっきり言ってどこも満足に観光していないのだが、リヤドにはない岩山を歩いたり、サウジ人の親切に触れたりと、ハーイルの一部に触れたようで、けっこう僕は満足だった。
その後、Uberで、昨日も行ったガーデンモールへ行き、若者がいっぱい集まっている趣のある野外カフェでゆったりとブレイクタイム。ところどころ縦型のストーブが置いてありスタイリッシュだ。
そして食事を済ませ、列車時刻1時間前にハーイル駅へ。
さて、ここで問題が。行きは通れた改札が、僕のアプリの切符では、僕の分しか表示されず二人分が表示されないため通れず、というトラブル(行きもそれが心配だったが、予約ページや支払いページを見せてクリアできたのだが、帰りはダメ)。
忙しそうにしている係の人に、どうすればいいか聞くと、切符売り場へ行けという。そこへ行ったら、多くを語らずに理解してくれ、すぐに二人分の切符をプリントアウトしてくれた。そういうシステムらしいと理解。
20時に到着したリヤド駅構内にアルバイクがあったのでそこで夕食を買い込み、21時、我が家に到着。
充実した?いい旅でした。皆さん、お付き合いありがとうございました。(終わり)
次回は、現在の単身赴任のサウジ生活の“衣食住”を紹介します。