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<パート3>

 

「インドカレーはうまくない」・・・ニューデリーでまずカレーを食べた。本場のカレーは、シャビシャビのスープとコテコテの具が皿に乗って出てきて、自分で混ぜてカレーにして、ライスと共に食べるらしい。日本のカレーとは全然違ったし、日本のカレーのうまさを再認識した。

「田舎のカレーの食べ方」・・・ニューデリーからアグラへ長距離バスで移動した。その途中、山の中の一軒家で食事をした。もちろんカレー。出てきたカレーはニューデリーのカレーをさらに素朴に簡素にした感じ。で、スプーンを待っていたら、

「そんなものはないらしいぞ」と言って、先輩たちは手で食べ始めた。

 えっっ、だってバスに乗ってから手は洗ってないし、さっき行ったトイレでも、汚い溜め水で洗っただけだし、絶対ムリでしょっって状況の中、先輩たちは他の客と同じように手でご飯を摘まみながらカレーの具とスープにつけて食べている。どう見てもまずそうだし不衛生だ。僕はどうしてもできなくて、犬のように口で直接かぶりついたのだった。

 

「クラクション」・・・インドの街中は、クラクションが鳴りっぱなし。どけっどけっって感じですぐクラクションを鳴らし合う。運転手たちはまるでケンカの形相で、日本人はとても運転できないなと思った。

「乞食」・・・歩道には、乞食がいっぱいいる。高級な店の前には必ず。子供連れのお母さんらしき人もいる。僕はついついコインをチャリンと投げ入れた。すると先輩が

「バカ、なんてことするんだ!」と怒った。僕は(なにも怒らなくても…)と思ってたら、理由はすぐにわかった。乞食のお母さんは、お礼を言うのではなく、もっとくれとばかりに、僕の足にへばりついてきたのである。おまけに近くにいた裸の子供ももう一方の足に…。

「おい走るぞ」と先輩に言われ、ふりほどいて走った。走りながら先輩に

「おまえのせいでこの通りはもう歩けんぞ」と言われた。

「路上強盗!?」・・・すごく大きな繁華街の道路のスクランブル交差点を歩いていたとき。渋谷以上の大きさと混み具合だったが、交差点中央あたりで、なにかが僕の体を引っ張っている? 見ると、僕の前の見知らぬ老人が僕のウエストポーチをグイグイ引っ張っているのである。その光景が信じられなくて、しばらくそのままにしていたのだが、いつまでも引っ張っているので、「やめろよ」って老人を押した。すると何事もなかったかのように彼はよぼよぼ歩いて行ってしまった。先輩は笑ってその光景を見ていた・・・。なんなんだ、この国!

「YMCAのドミトリー」・・・YMCAはどこの国にもある若者のドミトリー式のホテル。そこに二泊したが、一つの部屋に10人以上のベッドが所狭しと置いてあり、いろいろな国籍の人たちが泊まっていた。荷物も置いておけないし、寝るときも荷物を枕にしてがっちりガードをした。そう考えると、一泊目のほこりの舞う部屋は“豪華”だった?

 

「ビリヤード」・・・YMCAにはロビーにビリヤードがあった。泊まり客ではない近所のインド人の若者たちが遊んでいた。そのグループが終わったので、僕らも受付でお金を払いやることにした。僕はやったことがなかったので、キューを持つのははじめて。先輩たちがやり始めて、僕の番になり、もたもたしつつもさあ打つぞっていうとき、若者たちがなぜか怒り出し、僕のキューを取り上げてしまった。インド人はただでさえ強面(こわもて)の顔をしているのに、本当に怒っているのでビビったが、何を怒ってるのかわからない。僕らはその場を後にしたが、あとで先輩が受付の人に聞いたところ、自分たちの唯一の楽しみであるビリヤード台の表面が素人に傷つけられると思い怒ったらしい。お金は戻ってこなかった・・・なんなんだ、この国!

(④に続く)