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<パート2>

 3人での同一行動を約束させることはできたが、大きな荷物を持たされ、初日から既に帰りたいと願いつつも、とにかく14日間、先輩たちの機嫌を損なわないぞと堅く心に決めたのであった。

 14日間の旅行記を書き出すと、超長くなりそうなので、ここからは「過酷な経験」だけを箇条書きで書いていくことにする。

 

「クソだらけ」・・・まず空港から向かったのはニューデリー。首都だ。まずバックパッカーがやるのは宿探し。スマホのない、いやインターネットすらまだ一般的でなかった時代、先輩の「地球の歩き方」1冊が頼りだ。しかし、首都なのに、車道も歩道も道全体が馬糞・牛糞で覆われており、それをいかに踏まずに歩くかが大きな課題だった。もちろん何度か踏んだりつまずいたりしたし、1時間も歩いていると、もうどうでもよくなっていた・・・。


「本場のナン」・・・「路地の奥へ奥へと入っていくのが安宿ゲットのこつだ」との先輩の説を拝聴し、怪しい通りをどんどん進むと、車も入れない路地の一角で本場のナンを作っていた。直径1mもある鉄板を乗せたかまどの上に足を投げだし拡げて座って作っている。お世辞にもきれいとは言えない真っ黒な素足は鉄板に触りそうな位置にある。そして足の間で豪快に超でかいナンをひっくり返す。何度も何度も。見とれるほど豪快な光景だ。あっナンが足に触ったぞ。あっまた触った・・・。僕は決してこの店では食べないぞ、と思ったら、先輩たちは

「よし、ここで食べるぞ」と言って店の奥に入っていった・・・。


「ホテルのベッド」・・・カレーとナンを食べ終え、さらに路地を入っていくと、「ホットシャワーあり」と書いたホテルがあった。

「シャワーはあったかくないとな」と、当たり前のことをつぶやきながら、先輩は「ここにしよう」と言って入った。まず値段交渉。負けさせてなんと一泊100円くらいになった。ホテルは殺風景ではあったが、こぎれいだった。そしてベッドに、荷物を放り投げると・・・モワッと、すごい量のほこりが舞ったのであった。


「ホットシャワーの嘘」・・・その後もいくつかの宿に泊まったが、ホットシャワーと書いてあるのはほとんどあてにならないことがわかった。シャワーでお湯が出るのは一人目だけ。二人目くらいからはそれは水と化す。僕の番は常に最後なので、インドにいる間はずっと水のシャワーだった。


「土産は最後に」・・・そういえば、僕は旅行の日程を知らない。先輩たちにどこへ行くつもりなのか聞いてみると、いろいろな地名を言われたがちんぷんかんぷん。唯一「タージ・マハル」だけ知っていたので、一日目の夜、ガラスに入ったタージ・マハルの模型のお土産を買ってしまった。けっこうでかいやつだ。買った後、先輩があきれたように言った。

「今から14日間それをどうやって持っていくんだ?」
 確かにそうである。この失敗が、この後の旅をさらに過酷にした。(③に続く)