安田喜憲「モアイは語る」 | 近江の物語を君に捧ぐ

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近江を舞台に、近江に生きる人を主人公にした小説をひたすら書き続けている近江人、木村泰崇のブログ。






今、中学二年生のクラスの
国語の授業では、
安田喜憲の「モアイは語る」という
単元の学習をしている。

南米のチリ領である
南太平洋の絶海の孤島、
イースター島。

そのイースター島にあるモアイ像。

モアイとは、
人間の顔を彫った巨大の石像。
大きいもので高さ20メートル、
重さ80トン。
日本の種子島にも満たない
イースター島で
このモアイ像が
1000体近く発見されている。

イースター島で
モアイ像が作られだしたのは、
11世紀頃だといわれているが、
それが、
17世紀から18世紀にかけての頃
もうまったく作られなくなる。

モアイ像が作られなくなって
しまった根本的原因は、
イースター島の
[森の消滅]であると、
筆者は言う。

小さなイースター島ので
人口が増え続け、
家屋のため、薪のため、
農耕地のため、
そして、モアイ像を運ぶための
[ころ]のため、
島の森の木を切り続ける。

木を切って切って
森をどんどん
なくしていく………。

結果、
表層土壌は浸食、流失して
食べ物を作る畑が
消滅していく。
さらには、
魚をとる船を造る木材が
なくなってしまう。

…………
島に食料危機が
訪れて、
部族間抗争が
起こる。

そして、
モアイ像が作られるどころか、
島は、
人が暮らせない
死の島へと
なっていく。

筆者は、
このイースター島の悲劇を
私たちの
地球の未来と重ね合わせる。

今、地球の人口は
恐ろしい勢いで
増え続けている。

1950年代に25億足らずだった
地球の人口は、
わずか50年でその二倍の
50億を突破し、
2030年には
80億を突破すると言われている。
2050年には100億を
超えると予想されている。

今の地球の農耕地で
生活できる人口は
80億人が限界とみられているが、
ならば、
あと15年後、
地球は、
私たちは
どうなるのだろう……??

モアイ像が作られなくなった
イースター島のように、
じわじわと
死の星と
なりゆく
道をたどるのだろうか……??

考えさせられる
国語の単元である。