SSDの寿命の目安の書き込み量「TBW」をテストしている環境や条件の詳しい話の記事がありました | やすのブログ

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SSDの寿命の目安となる書き込み量「TBW」(巷ではこの数値のTB量のデータを書き込める目安と言われています)のテスト環境や書き込み条件の専門的な話を要約した記事がありましたので是非見てみてください。

 

以下のリンクはImpress社のPC Watchで取り上げられていた記事です。

特集 「TBW」だけが耐久性指標ではない?キオクシアに聞く、SSDの選び方

 

上記の記事を読んでいただいての私なりに解釈できた要約を以下に。

 

基本的なSSDの動作原理として覚えておくと便利な知識は以下のようなことがあります。

 

SSDはNANDフラッシュメモリーという記憶素子でデータを保存・書き換えできるように作られています、このフラッシュメモリーはRAMの様にほぼ無限に書き換えられるものではなく書き込みデータが安全に保存出てきてある程度の長期間電源無しでも読み出しできるという性質が比較的多くない書き換え回数で劣化するという性質があります。(ここから書き換え可能回数が多くなるとデータの保持期間が短くなっていき実用的でなくなるという事で)

 

他にもこのNANDフラッシュメモリーはRAMのようにバイト単位での書き換えが可能ではなくある程度のサイズのページ単位(上記の記事によると16KBだそうです)で書き込んだり消去したりしてデータを書き換えます。

あるページの中のデータを書き換える時はこんな感じになるようです。

・書き換え対象ページをコントローラーのRAMのようなページにコピー

・コピーされたRAMのようなページの書き換え部分データを変更する

・書き換え対象ページをデータ消去する

・データを書き換えたRAMのようなページを書き換え対象ページに転送してページ単位で書き込む

ですが実際に書き換え対象のページに書き込むかはコントローラー次第です。(後述ですが多分書き換えページが少ない空きページに書き込んでいそうです)

 

とNANDフラッシュのデータ書き換えの簡単な原理は上記のような物のようなのですが書き換え回数で劣化する問題やページの書き換えなどはコントローラーというCPUの様な物で複雑に処理されているのだそうです。

CPUのような物なのでそのプログラムのような物もあり、書き換え可能なファームウェアと呼ばれています。

記事によるとそのファームウェア自体もNANDフラッシュに保存されているそうでして、いわゆるSSDが認識されなくなって死んだと言われる状態はNANDフラッシュに保存していたファームウェアが保存の能力が落ちて消えてしまった状態らしいとの内容でした。

 

コントローラーで重要な役目の一つにNANDフラッシュのページのデータ書き換え回数をなるべく均一に分散させ、SSDの外部からの多数の書き換え要求を全体のNANDフラッシュ素子の書き換えの合計で済むようにするという役目があります(ウェアレベリングという呼び名で呼ばれています)。

詳細な動作の仕組みは企業秘密なのでしょうがページ単位のデータの書き換え回数などを監視していて書き換え頻度が低いページと書き換え頻度が多いページのデータ保存場所を入れ替えして書き換え回数を均一にすることなどなのでしょう(あくまでも個人の考えです)

 

OSからSSDに対してこのデータ領域は未使用ですという命令が出されることがサポートされていまして(TRIM命令)Windowsの場合はデフラグをするとSSDに保存している空き領域に(TRIM命令)が送られることになっています。

SSD側では保存されているデータが使われているのか使われていないのかは分からないので(TRIM命令)で使っていないと認識できれば読み書き性能の最適化や書き換え可能回数の均一化時のヒントにできるため定期的に行われると性能や寿命が有利になるようになっています。

Windowsのデフラグの定期スケジュールをONにすると標準では1週間単位となっていますがあまり頻繁ではないのは(TRIM命令実行時の)消費電力や性能低下などもろもろの事情のために適度に実行されるようになっているようです。

PCの暇と時間と消費電力などの余裕がある時はデフラグしておくとPC生活の質が良くなっているかもですね。

 

他にこれも個人の推測ですが、データが保存されている利用領域があまり多くなく未利用領域が多いほうが書き換え頻度の均一には有利だろうと思っていますので個人的に未利用領域のサイズはなるべく多くするように心がけています。(そのために通常以上に頻繁に保存や消去するのでは逆効果だと思いますが)

 

記事内ではSSDの大容量化で耐久可能なTBWの量が増えていると言う話も出ていますがそれはNANDフラッシュのページ数が増えているという事になるので書き換え数を均一化している効果で集中して書き換えられる部分を全体のページで分散すると耐久度のTBWも増えると言う理屈からです。

OSのドライブ中のデータの性質としてはなかなか書き換わらない部分が多数で頻繁に書き換わる一時領域のような部分は少量という事が一般的な利用形態です。

 

記事で取り上げられていたTBW以内の書き込み量で寿命となる最悪のケースで取り上げられていた使い方は、SSDの使用領域全域に対してランダムに4KBの書き込み(16KBのページ書き換えが多数発生する)を連続するという使い方が取り上げられています。

連続ではなく散発的に通常のファイルを削除したり新規に作成する場合は1ページの16KBより大きいサイズの連続データで書き込まれますのでページ書き換え回数はさほどではないですし書き換え回数を均一化する仕組みも十分な処理時間があって寿命はそれなりに長くなると言う事の様です。

 

PCでそのような少量のファイルサイズの書き換えが多いケースとしてはWindowsのCドライブのようなテンポラリファイル(動作時に一時的に作られる作業領域)がきついと取り上げられています。テンポラリファイルの代表的な物だとWEBブラウザのテンポラリファイルなどがあります。HTMLファイルや細かなスクリプトファイルなど多数作成されます。

なるべく書き換えの寿命にあらがいたいデータでSSDに保存していたい場合はCドライブとは別のSSDにドライブを作ってそこにデータを保存しておくと長寿命に扱えるという事になります。

Cドライブと同じSSDのディスク内に別のドライブを作っても母体のディスクのSSDは同じですので書き換えの寿命と言う点ではあまり効果はないと思います。

 

他にSSDの寿命という部分でどんな状態になると寿命なのか?と言う点も挙げられていましたが書き込みできなくなるのはよっぽど使い物にならなくなっている時点とも挙げられていて、一般的には書き込みデータが保持できる時間が少なくなってデータ読み出し時に化けてきた時点が寿命と言っていますね。

 

SSDと似ているデバイとしてはUSBメモリもNANDフラッシュにデータを保存しています。

USBメモリもコントローラーがあり同じような構造ですが使っているNANDフラッシュの書き換え可能回数や書き換えにかかる時間、コントローラーの性能がSSDよりも安価な物や低消費電力仕様になっているようです。

 

この辺でいかがでしょうか?

具体的にSSDの寿命を長くして使う決定的な使い方は難しいですね。でも動作温度を低くすることはいいようですね。