続:グラボなくともインテルオンボードグラフィックでフリーソフトの動画の動画形式変換などをしてみる | やすのブログ

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元SE・PGです。

前の記事で「shotcut」という動画編集ソフトを使って動画の形式変換などを行ってみました。

今度の記事はデスクトップPCやデスクトップPCのグラフィックカードを使うとどれくらい動画の書き出し時間が早くなるかの例です。

参考にするデスクトップPCの仕様は一昔前の物でグラフィックが重いゲームが楽に動くなどの物には遠く及ばない程度のお手ごろな性能の物です。
今の新しいグラフィックボードの物ならばもっと高速に処理できると思います。

ノートPCの仕様も少し前のありがちな仕様になっています。

動画編集で時間がかる動画書き出しをしたい場合に、ノートPC(インテルオンボードグラフィック)・格安ミニPC(インテルオンボードグラフィック)・デスクトップPC(一昔前のグラフィックカード)のどれにすれば財布と釣り合うかの目安にしていただければと思います。



※追記と修正
当初「サンプル動画②」で使っていた動画のエンコードにかなり時間がかかっていましたが他の動画は一般的な「30fps」の動画だったのに「サンプル動画②」だけは倍の「60fps」だったためにフレーム数が倍で処理時間がかかっていました。

そのため従来の「サンプル動画②」は「サンプル動画②-60(60fps)」と名前を変更して新たに比較用の「サンプル動画②-30(30fps)」の情報を追加しました。

他に分かりやすいようにCPUのCinebenchの性能の数値やデスクトップPCの「オンボードインテルHDグラフィック」についての性能も追加しています。



以下に今回計測したノートPCとデスクトップPCの主な仕様を上げておきます。

ノートPC:
・CPU:Intel Core i7-10510U CPU@1.80GHz 2.30GHz
・Cinebench MultiCore:3387 SingleCore:1057
・グラフィックシステム:オンボードインテルUHDグラフィック
・メモリ:32GB
・動画編集のドライブ:SSD

格安ミニPC:(3万円しないで買えます)
・CPU:Intel N100 800 MHz
・Cinebench MultiCore:2794 SingleCore:327
・グラフィックシステム:オンボードインテルUHDグラフィック
・メモリ:16GB
・動画編集のドライブ:SSD

デスクトップPC:
・CPU:Intel Core i7-7700 CPU@3.60GHz 3.60 GHz
・Cinebench MultiCore:5336 SingleCore:1063
・グラフィックカード:NVIDIA Geforce GTX 1050
・オンボード内蔵のグラフィック:オンボードインテルHDグラフィック630
・メモリ:32GB
・動画編集のドライブ:SSD


この動画編集ソフトのエンコーダーがH264やH265-HEVCのハードウェアエンコードをサポートしている名前は以下のような物です。

オンボードインテルUHDグラフィックシリーズ:
オンボードインテルHDグラフィックシリーズ:
「インテルQuickSync」
・H264:h264_qsv
・H265-HEVC:hevc_qsv

NVIDIA Geforceシリーズ:
「NVIDIAグラフィックカード」
・H264:h264_nvenv
・H265-HEVC:hevc_nvenc
※:GTX 1050のハードウェアエンコードはBフレームという動画圧縮に対応していないので動画サイズが大きくなります

CPUでのエンコードになるもの:
・H264:libx264
・H265-HEVC:libx265


以下にサンプルの動画を使って「ハードウェアエンコード」と「CPUだけでエンコード」の「動画ファイルの書き出し」を行った時間の例を挙げておきます。

動画書き出しの時間の目安)

〇サンプル動画①-30(30fps)の時間:30分 1280x720
-出力動画の形式:1280x720 インターレース解除:BWDIF 補完:バイキュービック QVBR:45%  

・ノートPC
CPUエンコード(コーデック「libx264」):9分40秒(580秒)
CPUエンコード(コーデック「libx265」):17分6秒(1026秒)
「インテルQuickSync」(コーデック「h264_qsv」):6分2秒(362秒)
「インテルQuickSync」(コーデック「hevc_qsv」):6分59秒(419秒)

・格安ミニPC
CPUエンコード(コーデック「libx264」):11分45秒(705秒)
CPUエンコード(コーデック「libx265」):21分49秒(1309秒)
「インテルQuickSync」(コーデック「h264_qsv」):8分23秒(503秒)
「インテルQuickSync」(コーデック「hevc_qsv」):8分27秒(507秒)

・デスクトップPC
CPUエンコード(コーデック「libx264」):6分34秒(394秒)
CPUエンコード(コーデック「libx265」):11分46秒(706秒)
「NVIDIAグラフィックカード」(コーデック「h264_nvenc」):3分53秒(233秒)
「NVIDIAグラフィックカード」(コーデック「hevc_nvenc」):3分52秒(232秒)
「インテルQuickSync」(コーデック「h264_qsv」):5分53秒(353秒)
「インテルQuickSync」(コーデック「hevc_qsv」):6分1秒(361秒)


〇サンプル動画②-30(30fps)の時間:1時間 1280x720
-出力動画の形式:1280x720 インターレース解除:BWDIF 補完:バイキュービック QVBR:45%  

・ノートPC
CPUエンコード(コーデック「libx264」):23分9秒(1389秒)
CPUエンコード(コーデック「libx265」):41分24秒(2484秒)
「インテルQuickSync」(コーデック「h264_qsv」):12分22秒(742秒)
「インテルQuickSync」(コーデック「hevc_qsv」):14分9秒(849秒)

・格安ミニPC
CPUエンコード(コーデック「libx264」):29分36秒(1776秒)
CPUエンコード(コーデック「libx265」):52分54秒(3174秒)
「インテルQuickSync」(コーデック「h264_qsv」):15分16秒(916秒)
「インテルQuickSync」(コーデック「hevc_qsv」):16分0秒(960秒)

・デスクトップPC
CPUエンコード(コーデック「libx264」):14分11秒(851秒)
CPUエンコード(コーデック「libx265」):26分15秒(1575秒)
「NVIDIAグラフィックカード」(コーデック「h264_nvenc」):6分45秒(405秒)
「NVIDIAグラフィックカード」(コーデック「hevc_nvenc」):6分42秒(402秒)
「インテルQuickSync」(コーデック「h264_qsv」):9分53秒(593秒)
「インテルQuickSync」(コーデック「hevc_qsv」):11分5秒(665秒)


〇サンプル動画②-60(60fps)の時間:1時間 1280x720
-出力動画の形式:1280x720 インターレース解除:BWDIF 補完:バイキュービック QVBR:45%  

・ノートPC
CPUエンコード(コーデック「libx264」):37分44秒(2264秒)
CPUエンコード(コーデック「libx265」):1時間6分37秒(3997秒)
「インテルQuickSync」(コーデック「h264_qsv」):22分22秒(1342秒)
「インテルQuickSync」(コーデック「hevc_qsv」):28分15秒(1575秒)

・格安ミニPC
CPUエンコード(コーデック「libx264」):52分55秒(3175秒)
CPUエンコード(コーデック「libx265」):1時間23分46秒(5026秒)
「インテルQuickSync」(コーデック「h264_qsv」):30分55秒(1855秒)
「インテルQuickSync」(コーデック「hevc_qsv」):31分16秒(1876秒)

・デスクトップPC
CPUエンコード(コーデック「libx264」):24分34秒(1474秒)
CPUエンコード(コーデック「libx265」):43分7秒(2587秒)
「NVIDIAグラフィックカード」(コーデック「h264_nvenc」):13分20秒(800秒)
「NVIDIAグラフィックカード」(コーデック「hevc_nvenc」):13分28秒(808秒)
「インテルQuickSync」(コーデック「h264_qsv」):21分46秒(1306秒)
「インテルQuickSync」(コーデック「hevc_qsv」):25分30秒(1530秒)

〇サンプル動画③-30(30fps)の時間:1時間 1920x1080
-出力動画の形式:1920x1080 インターレース解除:BWDIF 補完:バイキュービック QVBR:45%  

・ノートPC
CPUエンコード(コーデック「libx264」):51分19秒(3079秒)
CPUエンコード(コーデック「libx265」):1時間34分30秒(5670秒)
「インテルQuickSync」(コーデック「hevc_qsv」):21分39秒(1419秒)
「インテルQuickSync」(コーデック「hevc_qsv」):25分23秒(1523秒)

・格安ミニPC
CPUエンコード(コーデック「libx264」):58分14秒(3494秒)
CPUエンコード(コーデック「libx265」):2時間2分38秒(7358秒)
「インテルQuickSync」(コーデック「h264_qsv」):27分47秒(1667秒)
「インテルQuickSync」(コーデック「hevc_qsv」):27分35秒(1655秒)

・デスクトップPC
CPUエンコード(コーデック「libx264」):32分33秒(1953秒)
CPUエンコード(コーデック「libx265」):1時間1分59秒(3719秒)
「NVIDIAグラフィックカード」(コーデック「h264_nvenc」):10分5秒(605秒)
「NVIDIAグラフィックカード」(コーデック「hevc_nvenc」):10分4秒(604秒)
「インテルQuickSync」(コーデック「h264_qsv」):17分41秒(1061秒)
「インテルQuickSync」(コーデック「hevc_qsv」):20分7秒(1207秒)


ソフトウェアエンコードは動画の解像度が1280x720はそんなに重くありませんが1920x1080になるとかなり時間がかかるようになります。
ハードウェアエンコードの場合は1920x1080だと1024x768より速いケースもありますがフレームレートが通常の倍(60fps)のため通常多い(30fps)の倍程度の時間がかかっていたためでした。
 

3万円しない格安ミニPCでもインテルのオンボードグラフィックのハードウェアエンコードを利用すると案外実用的に使えるものだなぁと思いました。