ラジオや無線でのUSBって何か?PCのUSB端子なんかとは違うんです | やすのブログ

やすのブログ

車、コンピューター全般、ネット関係、に興味のある記事を書きます。

元SE・PGです。

PCなんかでのUSBは皆さん何の事か知っていますよね。実はPCのUSB規格が出る以前から無線や放送でUSBという用語は使われていました、今回はこの辺の話を。

 

以下は無線やラジオ放送でのUSBに関係することです。PCのUSBの事は一旦忘れましょう。

 

まずは無線やラジオの放送を受信する際に方式を選択しなければならない変調方式という物についてです。

皆さんはラジオの放送を聞く際に「AMラジオ」や「FMラジオ」などの用語は知っていると思います。

「AMラジオ」は「中波の周波数大体500KHz(0.5MHz)-1600KHz(1.6MHz)」を「AM変調方式」で受信するラジオです。

「FMラジオ」は「FM放送の周波数大体76MHz-108MHz」を「FM変調方式」で受信するラジオです。

このようにラジオは受信する周波数が違うだけではなく「変調方式」という物も放送している側と同じ方式の物を選択しないと聞くことができません。

 

世の中にはメジャーな「変調方式」で知っておきたい方式にはもう一つありまして「USB変調方式」と「LSB変調方式」をまとめて「SSB変調方式」と呼ぶ方式もあります。

ラジオでたまに出てくる謎の用語「USB」とは「AM」や「FM」などの「変調方式」の種類なのでした。

 

そんな「USB変調方式」とか「LSB変調方式」のラジオ放送ってあるの?それを聞くにはどんなラジオを使うの?思われますが世の中マイナーな「短波放送の周波数大体3MHz-30MHz」の海賊ラジオ局なんかが採用しているそうです。

 

「短波ラジオ」なら「SSB変調方式」が必ず聞けるのかというとそうでもなくほとんどの短波ラジオ局の放送の「変調方式」は「AM変調方式」なので特に「SSB変調方式」が聞けるとか「オールモード受信機」などと呼ばないものは「短波放送」の周波数が聞けても「AM変調方式」しか聞けないものが多いです。

世の中のラジオでは「SSB変調方式」が聞けるラジオでしたら「USB変調方式」と「LSB変調方式」のどちらも聞けるものが多いようです。

なぜ全部の短波ラジオで「SSB変調方式」が聞けるようになってないのかという理由は、「SSB変調方式」を受信するための処理が複雑でコストがかかる割に必要としている人が少ないからです。

 

「SSB変調方式」をラジオや受信機で聞く人はわざわざ海賊ラジオ局の放送を聞くために持っているのか?と思うかもしれませんが実は無線の通信でよく使われています方式ですのでそのような通信を聞くための方が多いようです。

「SSB変調方式」は「短波の周波数」の「アマチュア無線」でよく使われる「変調方式」でして「SSB変調方式」の無線の電波を「AM変調方式」で聞くとモゴモゴした声のような物に聞こえます。

「短波の周波数」の「アマチュア無線」で使う「SSB変調方式」は大抵「LSB変調方式」です。

 

なぜにそんなに面倒な「変調方式」を使うのかというと「SSB変調方式」は以下のような特徴があります。

・通信で電波を使う「帯域」という幅が「AM変調方式」の1/5程度で済むのでアマチュア無線などのように狭い電波の周波数に通信する人が密集している場合に都合がよい。

(通信に使う「帯域」を狭くすると当然音質が悪くなりますので音楽を聴くなどには向きません)

 

・通信に使う電波を作り出すための電力が「AM変調方式」に比べて少なく、経済的です。

 

・「SSB変調方式」は電波の強さが弱くても通信の言葉をかなり明瞭に聞き取ることができるので電波の強さが強い大出力のラジオ局のような設備ではなく無線機での遠距離の通信に適しています。

 

・「SSB変調方式」は送信や受信する電波の周波数に微妙なずれがあると話している言葉がボイスチェンジャーをかけたように音が高かったり低かったりして周波数を正確に合わせるのに一苦労します。

「AM変調方式」は多少周波数がずれても同じ高さの音ですので楽ですが「SSB変調方式」での周波数のずれは非常に面倒な問題の一つになります。

その対策のために「SSB変調方式」を聞くことができるラジオでは周波数を変えることができる幅が10Hzや100Hzとかなり小刻みになっていますし(「AM変調方式」のラジオでは1KHz(1000Hz))、受信する周波数は原理的に揺らぎやすい物なのですがコストをかけて揺らぎが少ないような回路や部品に設計されています。

 

「USB変調方式」と「LSB変調方式」を説明すると話は難しくなりますが、電波は交流の電気の一種で+と-にまたがる波になっているのですが波の+部分を使うのが「USB変調方式」で波の-部分を使うのが「LSB変調方式」になっています。

「USB変調方式」の「U」の部分は「Upper」で上の部分という意味で、「LSB変調方式」の「L」の部分は「Lower」で下の部分という意味で使われています。

 

ということで今回はあまり一般の方になじみがない「SSB変調方式」についての簡単な説明でした。