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『タンゴ・冬の終わりに』東京公演の感想

 待望の三上さん主演舞台♪しかも、私の大好きなパルコ劇場で!『タンゴ・冬の終わりに』は2006年版を観て、(戯曲は読んでないけど)戯曲がとても良いと思っていたので、作品名が発表されたときは嬉しかった。昨年の舞台は狂言回し役とはいえ出番の少なさに物足りなさを感じていたので、発表されたときからずっと9月が待ち遠しかった。

 2006年版を観た際の自分が書いた感想は、「堤真一、秋山奈津子、段田安則の三名の演技は見応えたっぷりで大満足。(開幕直後と千秋楽を比べて)常盤貴子の演技は成長してない・・・」という様な内容だった。

【観る前の期待】
・戯曲が好き
・狂気に陥る役は、三上さんの大得意分野
・シェイクスピアの名台詞が盛りだくさん
・相手役はドラマを観て上手いと思っていた倉科カナちゃん
・最近の出演作から演技力に期待大の神野さん
・出演作は何度か観ているので、安心の岡田くんと梅沢さん

【観る前の不安】
・行定さんの舞台初演出作品『フールフォアラブ』を観た感想は、「行定演出はもういいや!」
・ユースケさんは、テレビ俳優としては問題なし。主演舞台『恐れを知らぬ川上音二郎一座』はコメディだから問題なし。でも、シリアスな作品での演技力は??

 演劇好きの友人達が抱いていた観る前の不安要素も全く同じで、さらに「倉科カナってどうよ!?」と思っていたそう。

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 東京公演初日。頭の中に蜷川演出で使用されていた『蟲の女』(歌:戸川純)が流れてきて、自分でもビックリ。薄れた記憶では「水尾は台詞が少ない役」だと思っていたのに、結構たっぷりあった。しかも劇中劇な台詞まで!どうやら常盤さんの演技が酷すぎて、記憶の中から抹消していたらしい・・・。「水尾役は"白い夢みたいな女"として登場するシーンに嵌る女優であればOK」だと思っていたのもそのせいだな。幻影の中の叔父達が安徳さんを語る場面では、2012年の大河ドラマ『平清盛』の最終回に清盛の妻である祖母と一緒に入水した悲しい最期を思い出した。

 第一印象を大事にしたいので極力事前情報は入れていなかったのに、中盤までは無意識に2006年版と比較しながら観てしまった。それでも、終盤はぐいぐいと惹き込まれ、自分が舞台上のお芝居を観ていることを忘れてしまっていた。この没入感こそ、三上さん出演作を観る醍醐味!何回観ても見飽きることなく、周囲が呆れる様な頻度で劇場に通いつめてしまうのです。

 カーテンコールでの三上さんの満足そうな表情が忘れられない。30年前の夢が現実になった日だもの。三度目のカーテンコールは、全観客がスタンディング・オベーション!最前列から後方へウェーブの様に立ち上がっていく様は、客席から観ても圧巻だった。

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 倉科カナちゃんは期待を裏切ることなく、ちゃんと舞台の発声が出来ているし、盛の別れの儀式を真似るシーンもよかった。今後益々伸びていくんだろうなという感じが、"新進女優"役の水尾にぴったり。さらに、衣装のワンピースがクラシカルな雰囲気なのに今着てもおかしくないデザインで、タンゴを踊るシーンでの動きも綺麗!

 ユースケさんは演技派の"舞台役者"だというイメージがついていないので、段田さんよりもこの役に合っていると思う。水尾との年齢差も今回の方が違和感がなくてよい。ぎんから食べかけのりんごや吸いかけの煙草を無理矢理渡されるシーンの「え゛っ!?」という感じの演技は絶妙。

 神野さんは本当に"姉さん"に見えてしまう位、包容力たっぷりのぎん。何度も観るうちに事を仕掛けた妻としてのジリジリとした怖さが際立ってきた。水尾とぎんの表情バトルがいい。

 重雄と信子のカップル、2006年版の組み合わせでは違和感たっぷりだったのだが、岡田くんと河合さんはとてもいい感じに二人の関係性を表現していた。

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 中日を過ぎた頃、図書館で戯曲を借りてきて読んでみた。年齢設定が書かれていて、大抵の役は予想通りだったが、梅沢さんの役が予想外に若かった。戯曲を読んだ上で舞台を観ると、また違ったでき方が出来て楽しい。

 幻の観客の演出を蜷川版と比べて大胆に変更されたことについて、当初は「幻の観客を丸ごとカットしてしまっていいの!?」と驚きの目で見ていた。大勢の出演者を舞台上に登場させることや役者にスローモーションで演技させることは蜷川演出の"特長的な要素"であるからこそ、あえて排除したのだと今は思う。蜷川版の幻の観客はもの凄く印象的だったので、それが登場しないことにより、スポットライトを浴びた盛の印象が強く残る。戯曲を読むと、如何様にも演出出来る余地があるト書きで、演出家の手腕に委ねられていると感じた。一方で、清水さんと蜷川さんの間柄だからこそ、あうんの呼吸でそう書いたのかもしれないとも思える。

 最初のシーンの演出、我々一般客が映写機で投影された映画をスクリーンの裏側から観る機会など無いので、映画監督である行定さんならではの演出だと思う。最終週になって気が付いたのだが、"The End"の文字を投影する映写機からの光筋が何とも幻想的。ラストシーン、(舞台上ではなく実際の)観客席に向かって投影されている映像は何なんだろう?すごく気になる。

 比較してみても、それぞれの演出家の個性が活かされたいい演出だと思う。

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 公演数も残りわずかになった頃、ロビーで演劇好きの友人と遭遇。友人といっても私の母親と同世代。平さんの初演を観ていて、「あれが良かったから、ホントは観たくないのよ。」と(笑)。現在大学院に通っていて清水さんに関する論文を書いているところなので「観なきゃダメだ!」と教授に言われたらしい。

 終演後にざっくりとした感想を聞いてみたところ、「思ってたより良かったわよ。三上さんもすごく良かった。でも、平さんの方がいい。」とのこと。平さんは実際にシェイクスピア作品を演じた経験があるし、この戯曲は平さんへの当て書き。それは、三上さん自身もインタビューで言っていたとおり、絶対越えられない壁だもんなぁ。「今、三上さん以外にこの役を演じられる役者はいないと思いませんか?」と聞いたら、「それは、そう!」と答えてくれました。

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 東京公演千秋楽。最初のカーテンコールで役者が登場する前から、会場全体総立ち。こんな光景は初めて見た!

 今の時代、三上さん以外に清村盛を演じられる役者は他にいないと思う。ファンの欲目を抜きにしても、やっぱりそう思う。

 「本当にこれが最後の舞台。」という台詞は、あくまでも盛の台詞であって欲しい。まだまだ三上さんの出演舞台を観たいんだもの。何年でも待ってますよ、三上さん。

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※()内の年齢は戯曲に書かれている設定

【2015年版】
劇場: パルコ劇場 他
作:  清水邦夫
演出: 行定勲
 清村盛(45):    三上博史
 その妻、ぎん(45): 神野三鈴
 その弟、重夫(35): 岡田義徳
 名和水尾(26):   倉科カナ
 名和連(35):    ユースケ・サンタマリア
 清村はな(47):   梅沢昌代
 上斐太:      有福正志
 北斐太:      有川マコト
 西斐太:      小椋毅
 宮越信子(33):   河井青葉
 タマミ(高校生):  青山美郷
 トウタ(高校生):  三浦翔哉
 盛の姉
 幻の観客たち

【 2006年版】
劇場: シアターコクーン
作:  清水邦夫
演出: 蜷川幸雄
出演:
 清村盛(45):    堤真一
 その妻、ぎん(45): 秋山奈津子
 その弟、重夫(35): 高橋洋
 名和水尾(26):   常盤貴子
 名和連(35):    段田安則
 清村はな(47):   新橋耐子 
 上斐太:      沢竜二
 北斐太:      塚本幸男
 西斐太:      岡田正
 宮越信子(33):   毬谷友子
 タマミ(高校生):  藤井聖子
 トウタ(高校生):  月川悠貴
 黒マスク:     品川徹
 盛の姉
 幻の観客たち

コースト・オブ・ユートピア(初日)

リボルバー

M.O.P.のセミファイナル公演。

明治初期の横浜のホテルが舞台。
中央に手動式回転ドアがあって、出ハケが面白い。

前回のM.O.P.公演を観たときにも思ったのだけど、緑子さんて客演の舞台よりもマキノさんの作・演出の方が数倍輝いてるよなぁ。かなり後方の席でも、淡々としたしゃべりがストーンと響いてカッコイイ。
有起哉さんの役は、すごくキャラが立ってて憎めない奴。

残念だったのは二幕前半で「寝ろ」と言わんばかりの照明だったので、睡魔と格闘するハメになってしまったこと。
あの外国のホテルの室内照明のような薄暗いオレンジ色の照明、睡眠不足じゃないのに眠気に襲われる。
あのテの照明はほんの一瞬だけにして欲しい。

途中のシーンを見逃してしまったことは惜しいけど、面白くて大満足。(←注: funnyじゃなくてinterestingね)
ホント、空席があるのが勿体無い。

ヴェニスの商人

書きかけでデータが飛んで、書き直す気がないままだな(苦笑)。

桜姫 (千秋楽)

観たいとは思いつつ迷っていたら、結局観るのが千秋楽になってしまった。
長塚さんが本だけで演出はしないという機会も珍しい。留学中でなかったら、実現しなかったかも?

開演時に場内から拍手が起こり!?と思って観ていたら、どうやら現代劇とはいえ歌舞伎の演目なので、客席のノリが歌舞伎と同じらしい。勘三郎さんも出演してるから、歌舞伎好きの観客が多いのかも。
そういえば、センターステージの舞台を座って観るのは初めて。これまでは、何故か立ち見だったw。
追加のZ席が気になる。一回座ってみたいかも。

視覚的なものに目を奪われていたら、台詞がスルスルと抜けていってしまう。二幕になってようやく筋を追えたかな?

千秋楽だからアドリブも随所にあるようだけど、初見だからあんましわからない。けど、客席の反応からしてこれはアドリブなのかなと推測。
二幕のブルーハワイのシーンでは、大竹さんがアドリブでグラスを倒すと、古田新太が上手く交わせずに「ノープランかっ!」とツッコんでたのがw
その時のズラが双眼鏡で覗いて見ても、本物っぽくみえるくらい秀逸。肉襦袢を脱いだ時には、古田新太が痩せて見えたw

カーテンコールは結局何回あったのかわからないくらい。
二階席だといつスタオベしていいのやら戸惑う。私が座っていたブロックはみんな座ってたし。
紙吹雪は奈落から天井に向かって吹き上げられてました。楽団による演奏もあって楽しい。

コクーン歌舞伎も行きたいけど、お高いのよねぇ・・・。
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