感想
目からウロコの30分だった。
まず海水の淡水化。高濃度の高分子溶液で、濃度差による水分子の移行を使うとは。更に秀逸なのは、加熱により水が分離出来ること。あとは高分子成分を完全に除去し切れるか・・・
耐塩性のアズキにもびっくり(何でアズキ?)
世の中にはいろんな植物があるもんだ。
最後の電気分解は、自分が中一の時に家で実際に実験したので、興味深かった。
「二酸化マンガン」!なつかし~~
理科の実験で、過酸化水素水から酸素を出す時の触媒だった。
日本は四方を海に囲まれてる。こいつを利用しない手はない。
内容
進行 井上咲良、浅井理
解説 比嘉充 山口大学 教授 日本海水学会会長
100年後の地球を救うかも知れない液体→海水
2023年、国連水会議が半世紀ぶりに開催された。
人類はまだ海水を十分活かせていない。
夢の技術① 海水を飲み水に変える!
松山秀人 神戸大学 先端膜工学研究センター
省エネルギーな方法で真水を得るのが重要。
赤い液体と海水を正浸透膜(FO膜)を介して接触させる。
膜を介して海水中の「水」が自発的に移動。
カギは赤い液体と海水の濃度差。
赤い液体→高分子溶液(ポリプロピレングリコール等)
海水濃度:3.5%、高分子溶液濃度:80%
水分子だけが膜を通れる→濃度差を減らすために移動
エネルギーは不要。
水の混ざった液体を80℃に暖めると水が分離する。
ハワイでの実証実験では太陽熱で分離し1日50万ℓの真水製造。
1997年。沖縄に海水淡水化施設が完成。だが半透膜に圧力を加えるためのエネルギーが必要。濃度差を使うのが画期的。
廃熱が利用出来る。
海水の淡水化はジョン・F・ケネディが提唱した。
日本は膜技術で世界をリードしている。
夢の技術② 農業に海水を使う!
世界の水使用量の割合→農業用水が最大
内藤健 農研機構 遺伝資源研究センター
植物は塩害に弱い。ナトリウムが葉に入ると光合成出来ない。
海水に負けない「ある植物」アズキの仲間。
「ハマササゲ」沖縄の海岸に生えている。耐塩性が非常に高い。
ナトリウムを可視化。通常植物は葉が真っ赤(枯れている)
根からナトリウムが入るのをブロック。
耐塩性にも種々のタイプがある。
ヒメツルアズキ→葉を守るため根や茎にナトリウムを蓄積。
ナガバハマササゲ→若い葉にナトリウムを押し付けて成長。
ヒナアズキ→葉にナトリウムが蓄積しても光合成を維持。
これらの組み合わせで、将来耐塩性の高い作物の開発が可能。
海水で農業が出来る未来に繋がる。
海上作物の考えられる→日本で有利
夢の技術③ 海水からエネルギーを取り出す
次世代エネルギー「水素」
海水の電気分解
-極に水素ガスが溜まるが+極には塩素ガスが溜まる→腐食
*通常水の電気分解の+極には酸素ガスが出るが、海水では塩素ガスが選択的に出て来る
2021年→二酸化マンガンを触媒として用いる方法を発見
乾電池の材料(ありふれた物質)
電極に二酸化マンガンをコーティング加工し、更に熱処理をして表面の酸素が欠けた状態を作り出す(故意に不安定化)
メカニズム:塩素より先に酸素が結合。
オマケ
海水と淡水の濃度差を利用して発電する方法がある。
1tの海水と1tの河川水から500Whの電気が出来る。
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