クローズアップ現代「劇症型溶連菌」NHK5/14放送 | 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

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クローズアップ現代 急拡大・致死率3割
「劇症型溶連菌」原因は?対処法は? NHK 5/14放送

感想
つい最近TVのニュースでもやっており、実にタイムリー。
溶連菌といえば「イチゴ舌」ウチの子供も昔罹った事がある。
それと根っこが同じものが「人食いバクテリア」になる・・・
これに罹ったら1日の遅れが命取り。
締め括りにもあるように「正しく畏れる
オマケ
そういえば「グッドドクター・名医の条件 シーズン2」の第6話「歩み寄ること」でこの症例が出て来た。

バイオリニストの女性が爪の炎症で来院し迷走の末、右腕切断。

「そんなバカな!」と演出過剰を疑ったが、そうではなかった。
 

この番組ではないが、右足切断で命が助かった女性

 


内容
解説  賀来満夫 東京感染症対策センター 所長
聞き手 桑田真帆アナ

多くは子供が罹る「溶連菌」

稀に劇症化(致死率3割


足を喪った人もいる。「劇症型レンサ球菌感染症


人食いバクテリア」とも言われる。
近年それが増加傾向にある。



田畑敬愛さん。体の右側が壊死。「命を助けて頂いた・・・」


昨年11月に罹患。1日目:発熱。インフルを疑うが熱下がらず。
2日目:右肩に痛みと腫れ。近所の医者で抗生剤点滴。経験のない体調不良。救急車で搬送。炎症の値が大。腎機能低下。
3日目:転院。急性腎不全。患部壊死。
4日目:日本医科大学付属病院に転院。手術を決定。
この時点でまだ診断は確定せず。最初は壊死性の病気を疑う。
溶連菌は無菌状態の所から出ないと診断確定せず→出た
手術を8回実施。全身治療。3週間意識不明状態が続く。

2ケ月入院で回復し、やっと日常生活が送れる様になった。
感染経路は特定出来ず。

田畑さんのケースまとめ


怖い病気。この5ケ月で11人罹患。半数は感染経路不明。
50代男性は左足を切断した。心当りは僅かな切り傷。


患部が深いと急速に増殖。飛沫感染の可能性。
代表的症状 ①発熱 ②腫れ ③腎機能低下 ④組織の壊死
①での判断は困難。②がポイント。意識混濁、冷や汗の症状。
この時点で病院に直行が必要。

治療法:抗生剤投与(ペニシリン系)壊死部分の切除。

先手の治療が大切。この病気に対するマニュアルを改訂した。

リスク大の人:基礎疾患がある人、高齢者、妊婦。


子供は重症化し難い(コロナもそうだった)

溶連菌に関する研究も進んでいる。
東京女子医科大学 感染症科 菊池賢教授。
5千株以上の溶連菌を保有。劇症化する「ある特徴」
①莢膜の存在(免疫細胞からの防御)大きなコロニーを形成。


②毒性の強さ。欧州等で広がるM1UK株→日本でも確認された。


東京では既に置き換わりが進む(2割→4割)
墨田区では注意喚起が進む。医師会に協力を求める。
早期診断が難しく、病院に早く行き過ぎると診断がつかない。
あらかじめその事を念頭に置いて動く。

年代別評価:70歳以上に多い傾向の中、40代に増えている。


社会的な活動が多い一方、子供からの感染があり得る。
 

咽頭炎との関係

劇症化しない溶連菌の咽頭炎は昨年26.6万人。

うち941人が劇症。元々同じ菌(比例して増える)


溶連菌はコロナが5類に移行したと共に増えた。
社会全体の免疫力が落ちた。人流の拡大。



新たな感染の時代。どう付き合うか。
いつでも起こり得る。しっかりと理解し、リスク意識を高める。
「正しく畏れる」