イージー・ライダー 1969年 再レビュー | 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

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日々接した情報の保管場所として・・・・基本ネタバレです(陳謝)

監督 デニス・ホッパー
脚本 デニス・ホッパー、ピーター・フォンダ
興行収入:6千万ドル(製作費:34万ドル)

キャスト
ワイアット(キャプテン・アメリカ)ピーター・フォンダ
ビリー                デニス・ホッパー
ジョージ・ハンセン          ジャック・ニコルソン
ジーザス                    アントニオ・メンドーサ
カレン                   カレン・ブラック
ヒッチハイカー         ルーク・アスキュー
ジャック                    ロバート・ウォーカー・Jr
リサ                  ルアナ・アンダース
メアリー                    トニー・バジル
コネクション                フィル・スペクター
牧場主                   ウォーレン・フィナーティ
サラ                   サブリナ・スカーフ

旧レビュー

 


感想
高校生活の中で一番印象深かった映画。
その割りに不思議と観返すことをしなかった。
先日(といっても昨年の前半)にTVの録画を観て「ああ、そうだったか」と合点する事がいくつかあった。

麻薬で稼いだ金でバイクを買い、ニューオーリンズのマルディグラに出掛けるワイアットとビリー。

初見の時は、そんな事も良く分からず、ただただ二人の乗るバイクに目が釘付け。
こういった改造バイクは「チョッパー」と呼ばれ、さすがに実車では出来ないので、プラモを改造して遊んでいたものだ。

https://bikeman.jp/blogs/bikeparts/motobike75/


ガソリンタンクに金を隠すのは、全くのナンセンス。あんなチューブに丸めた札を入れても、10枚も入らないだろうし、ガソリンは浸透性が高いので、コルク栓程度ではすぐに染み込むだろう。

自由の象徴と言われたアメリカでも、保守的な地域で長髪は忌避される。前半で、バイクのパンク修理をさせてくれた牧場主の親切さと、ラストで同じ様な中年が二人を撃ち殺す。この対比。

その一方で、音楽の印象が強い映画でもあった。
ワイルドでいこう」は映画の公開と同時進行で曲もヒットし、それ以降の映画の指針にもなったのではないか。
今回レビューでも映像は曲主体で選んだ。

しかし製作費の200倍近い興行収入。

ダッサダサのポスターロゴがそれを物語っている(笑)



あらすじ
ロサンゼルス空港 着陸地付近の草原。
麻薬取引をする男二人(ワイアットとビリー)
買い手は「コネクション」と呼ばれる男。

大金を手にした二人。

二人はその金でバイクを買い、コルクで封をしたチューブに札を入れてガソリンタンクに仕込んだ。
ワイアットを「キャプテン・アメリカ」と呼ぶビリー。
バイク(ハーレー・ダビッドソン)は長いフロントフォーク。
ハンドルはワイアットのが長く、ビリーは短いストレート。
ロスから東への旅に出た二人。

Born To Be Wild

 

夜になってモーテルに立ち寄る二人だが、その風体を見て宿泊を拒否される。やむなく野宿をするワイアットとビリー。
二人はルイジアナ州ニューオリンズで行われるマルディグラ(謝肉祭)に行こうとしていた。
気楽なビリーに対してワイアットは「暗い」

ワイアットのタイヤがパンクし、牧場に立ち寄った二人。親切な牧場主は修理道具を貸してくれた上、食事に招いてくれた。
子だくさんの家族。牧場主は若い頃の夢を思い出していた。
そんな彼にワイアットは、根を張って生きるのは立派だと言う。

再び走り出した二人は、ヒッチハイクの男を拾う。
ワイアットの後ろに乗った男。
しばらく行ってガソリンスタンドに立ち寄った。

男がワイアットのバイクにガソリンを入れる。タンクに入った札を心配するビリーだが、気にしていないワイアット。
ガソリン代は払っておいたと言う男。旅の再開。

The Weight

その夜野宿する三人。麻薬を吸いながらの話。
男は都会から来たとしか言わない。

Wasn't born to follow

ニューメキシコに入り、ヒッチハイクの男は自分たちのコミューンに二人を案内した。ヒッピーが集団で自給自足している。
自由そうでも経済的な厳しさ、運営上の軋轢などが垣間見える。
リサという女性に気に入られたワイアット。


その日の夕方、村を去る時にヒッチハイクの男がワイアットにLSDの錠剤を渡した。

パレードのブラスバンドの後ろに、バイクでついて行った二人は、地元警察に捕まって拘置所に入れられた。


先客として入っていたのは泥酔した若い男ジョージ・ハンセン。
ジョージは地元の名士の息子でコネが利き、25ドルの罰金だけで出された二人。バイクを見て興奮するジョージは、バーボンを呷って「ニッ、ニッ」と腕を動かした。

 

 Indians

 

マルティグラに行くと聞いて、今までトライするも果たせなかったジョージは同行したいと言い出す。
「ヘルメットはあるか?」と訊くワイアット。

If you want to be a bird

 

アメフトのヘルメットを被りワイアットの後ろに座るジョージ。


夜になって野宿する三人。マリファナを勧められ、試してみたジョージはすぐハイになり、UFOや金星人の話を始めた。

Don't Bogart Me/If six was nine

 

ルイジアナ州に入り、ひなびたレストランに入った三人。


保安官らのグループと若い娘たちのグループがいる。
保安官たちが露骨に挑発する一方、女子たちは興味津々。


三人はレストランを出るが、女子たちがバイクに群がった。
乗せて欲しいと言い出すが、この地の差別を知るジョージが促してその場を去った。

Kyrie Eleison

 

再び野宿する三人。
ビリーが「奴らはビビってるのさ」と言うが、ジョージは
「君たちが象徴しているものが怖いんだ」と返す。
「長髪が目障りなだけさ」「いや、君たちに自由を見るから」

野宿で三人が寝入った頃、昼間の男たち(多分)が彼らを棒でメッタ打ちにした。ワイアットとビリーは何とか逃れたが、ジョージが死んでしまった。

ジョージを思いレストランで食事をするワイアットとビリー。
次いで二人で娼館に入った。マダムが二人の娘を連れて来た。

ビリーが長身のカレン、ワイアットは黒髪のメアリー。
四人でマルティグラの見物に出掛ける。

パレードの中をあてどもなく歩き回る。
四人は墓地に辿り着いた。残ったLSDを三人に分け与えるワイアット。幻覚症状の中で行為に耽るみんな。



再びバイクの旅に出る二人。

フロリダで引退しようと言うビリーに無駄だと返すワイアット。

It's Alright Ma

 

走る二人に背後から近づくトラック。

ビリーの姿を見て助手席の男が挑発する。

それに中指を立てて返すビリー。

男がショットガンを構えた。


すぐターンしてビリーの所へ行くワイアット。


胸を撃たれたビリーに自分のジャンバーを掛けると、そのトラックを追って走り出すワイアット。トラックも引き返して来た。

 
次の瞬間、銃声と共にバイクが宙を舞い、外れたフロントタイヤが転がって行った。