第1回 海の世界
感想
前回に続き、今回は陸の世界。
ヌマワニが水草に隠れる様は、実に見事。あれでは気付けない。
ヒョウの9mダイビングも大したもの。目測を誤ってシカの位置からズレて落ちたら骨折もの。まさに命懸けダ。
ベニジュケイは、まるでウルトラマンに出て来る〇〇星人みたいで、迫力がある。ただ、本当にメスを惹き付けているのか?
トキの渡りのために、モーターパラグライダーでアルプス超えとは全く頭が下がる。エンジントラブルでも起こしたら、命に関わる。しかし刷り込みの実に偉大なことよ。
内容
語り 堤真一、森田美由紀
乾期の最中のスリランカ。唯一の水場に現れたヌマワニ。
全長1.5m。狙うのはジカの仲間。1頭捕えれば乾期を乗り越えられる。隠れるのに一工夫。足、尾を動かして水草の下へ潜る。
水場に来たシカを仕留める。独特の狩りの技。
乾いた地に雨が降ると景色は一変する。躍動の季節。
アフリカのサバンナ。食う者と食われる者の攻防。
信じられない狩り。木の上で休むヒョウ。インパラが近づいて来る。地面の花を食べるため。ヒョウが近づくが、気配を察知され失敗。更に高い場所(9m)に上がって待つ(怪我しかねない)
飛び降りたヒョウ。
仕留める事が出来た。食う方も命がけ。
アマゾン。世界最大の熱帯雨林。奇妙な生き物が暮らしている。
ツメゼミ。アマゾンに数百種居る。体を震わせて音を出し、情報伝達を行っている。おしゃべり。恋の歌も唄う。
鳥たちの奇想天外なアピール術。
四川省。ベニジュケイの若鳥。恋の季節に、オスは歩き回ってパートナーを探す。メスが現れる。
アピールチャンスだが、緊張からか何も出来ずメスは素通り。
うまく行きメスと立ち去る。
再チャレンジのベニジュケイ。リズムを取って音を出す。
そして胸元の飾りを開く。
この求愛は今回初めて記録された。
ユーラシアステップのサイガ。牛の仲間。巨大な鼻が特徴。
恋の季節に役に立つ。激しく振ってアピールする。
一夫多妻制だが、気に入られないとダメ。頭に枝を被ったり。
オスの7割がこの戦いで命を落とすという。群れの掟。
ナミブ砂漠。日中は40℃超えの過酷さ。ここでダチョウの子育てを行う(天敵がいないため)だがヒナにとっても危険な暑さ。
巣を離れるメスに代わってオスがヒナの世話をする。卵に向かって鳴いて呼び掛けるオスは、翼でヒナを日差しから守る。
夜が更けると気温は0℃近くなる。肉食獣に警戒。
メスが戻った。
まだ孵化していない卵があるが、ヒナのために移動を決意。
それから間もなくヒナが孵った。
親がいなければまず生きられない。
歩き始めるが力尽きてうずくまるヒナ。
オスが何かを感じて戻り、鳴き声を出す。
聞き覚えのある声に顔を上げるヒナ。
見つけることが出来て連れて行くオス。強い絆。
人間活動により、野生動物の生活域が狭くなる。
特に森は年間150億本、木が失われている。
木を1本倒すと数千の生き物の棲家を奪う。
特にアマゾン。森林を伐採してユーカリを植林(紙を作るため)
左が原生林、右がユーカリ。
元々オーストラリア原産のため、ここではアマゾンの動物は生きられない。緑の砂漠・・・伐採は宅地や放牧地としても実施。
気候にも影響が出ている。生態系に異変。
アフリカでは数年に亘る干ばつの地域あり。
抜群の適応力があるアフリカ象でさえ、満足な食料が得られず。
乳を与えるため、子供を置いてエサを探しに行く母親。
残される子象。
だがもう限界を迎えていた。
動物たちを守るため尽力する人たちがいる。
アフリカのクロサイ。角を目当てに乱獲され、絶滅寸前。
麻酔で眠らせ移送する作戦。
1トン以上のクロサイをヘリで保護区まで運ぶ。
これまで230頭以上送られ、繁殖の成果が出ている。
オーストリア ウィーン。400年前に絶滅したオオアカトキ。
動物園で孵した28羽のヒナを野生に戻す挑戦。
それは孵ったばかりのヒナから始まる。人を親だと思い込ませる「刷り込み」のため、黄色の服を着た女性2人だけが飼育担当。
絆が生まれるまでに数週間。スタッフは親鳥を真似た声を出す。
3ケ月経つと次の段階。場所を郊外に移して刷り込みの仕上げ。
刷り込みの目的は「渡り」 イタリアへ南下するのは親鳥の導きなしには不可能。どうやって導くのか?
モーターパラグライダーを使っての先導。
刷り込まれていれば追って来る。当初乱れたが落ち着いた。
渡りを教えられそう。
目的地はこの先1000キロ。最大の難関はアルプス山脈。3000m級の峰を超える。飼育員も危険。トラブルが起きても降りられない。まずは機体を高空に達するまで持ち上げてからトライ。
そして山脈超え。1羽見失った!・・・その後発見。
最も高い尾根を越えた。目的地はイタリア中部の公園。
飼育員は語る。「人々に希望を与えたい。これが出来れば他の種でもきっと出来る」
鳥たちの姿はまさに「希望」
私たちが生き物と共に生きる。
そんな未来を築く道は、あるのです。