劇場版 君と世界が終わる日に FINAL 2024年 | 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

日々接した情報の保管場所として・・・・基本ネタバレです(陳謝)

過去レビュー(Season1~4)

 

監督 菅原伸太郎
脚本 丑尾健太郎

キャスト
間宮響      - 竹内涼真
柴崎大和   - 高橋文哉
羽鳥葵      - 堀田真由
未来(少女) - 英茉えま
未来(成人) - 吉柳咲良
天城ジン    - 板垣李光人
ジンの兄  - 菅田将暉
藤丸礼司    - 窪塚愛流
松山寿人    - 橘優輝
謎の女性    - 吉柳咲良
室田シンジ - 須賀健太
芹澤龍平    - 味方良介
加地裕也    - 黒羽麻璃央
西条玄       - 吉田鋼太郎
 

予告編


感想
前回TV版の紹介で映画鑑賞を「浮世の義理」と言っていたが、一応視聴した。ラジオ番宣はコチラ
TV及び配信で続いたSaeson4のラストで響が皆と別れてタワーに向かった、そちらの方の物語という事。
第二の主人公である大和と響が、以前知り合っていたという演出のため、ゾンビ以前のエピソードが挿入されている。

そして本編。砂漠で老人に道案内を頼む3人。これが実は20年後の話とは分からず、その後の響、大和らが繰り広げる話との食い付きが悪い。ただ、途中で一度その話が挿入され、ラストの場面でようやく理解出来た。演出としてはそれなりか。

公開前の予想では、新しく加わった若者5名が協力して最上階を目指す、てな話かと思っていたが、大和以外は全部敵(笑)
その大和も恋人を人質に取られて響を殺そうとするし、
大和役の高橋文哉はまだ22歳。先日紹介した映画紹介のラジオ番組でも言っていたが、竹内涼真とがっぷり四つに組んで、なかなかの役どころだった。「ぐるない」のごち新メンバーとしてこれからも注目されるだろう。

松山役の橘優輝は前半で早々にビルから落ちてしまい「このキャラ必要だった?」てな感じ。
ジン役の板垣李光人は前回の大河「どうする家康」に出ていたのでおなじみ。最初は悪い方だったが、ゴーレムになった兄を葬ってくれた響を助けるため、身代わりになって撃たれる。
そのジンの兄貴がまさかの菅田将暉。左目なんか潰れている様にしか見えないし、映画観ている時は彼とは気付かなかった。

今回の印象としては、ゴーレムをそんなに前面に押し出さず、人間ドラマの要素を膨らませている。前半の響が若者の間で妙にオッサンに見えた。竹内の実年齢は30歳で、まだ十分に若い筈だが、さすがにSeason4までこなして来て「歴戦の勇士」的な風格さえ身に付けている。今後のアクション映画にも肥しとなる。
 
映画の一番の見せ場は、これまでゴーレムに一度もやられず生き延びて来た響が、娘を守るため自らウィルスを打った場面。
そして未来を逃がして20年放置された後、その娘未来が戻って来て父を撃ち殺す。Season3でも響がゴーレム化した来美の頭を銃で撃ち抜いているが、この行為が最上の愛情表現というのは全くあっぱれな設定だと思う。

オマケ
①終盤で響が、葵の持っていた香水を利用して引火させる示唆をした時「そんなバカな!」と思ったが、調べてみると香水のアルコール度数には80%近いものもあるそうだ(よく調べてる・・)

②エンドロール後の「お前たちは、もう一つのタワーに行け」がSEASON5への導入か・・・

 

あらすじ
2019年。海岸を歩く間宮響と小笠原来美。

来美にプロポーズの指輪を渡したいがタイミングが合わない響。
車のエンストで困っている様子を見て近付く響。女性から大和と呼ばれた男性はボンネットを開けて格闘。整備工の響が見てやろうというのを拒否してケンカが始まる。止める女性陣。
何とか修理出来、二人を見送る響と来美。

とび職をしている柴崎大和は、幼なじみで看護師の羽島葵を自分が建設中のビルに呼び出し、高層からの夕日を見せる。
香水を渡して気持ちを伝えるが「私、看護師だよ・・・」
その時、ビルの屋上から人が飛び降りるのを見る二人。

そこに駆け付けると、落ちた男はしばらくして突然起き上がり、近くの人に咬み付いた。咬まれた人も変異して人を咬む。


「ゴーレムウィルス」が世界中に蔓延して行った。

倒れている老人に水を与え、人類最後の希望の塔への道案内を頼む3人。「間宮響を殺さなくてはいけない」と言う若い女性。

 

希望の塔

その1棟では研究者が集まりワクチンの開発を行っていた。
研究チーフのシンジは父 首藤公貴の研究を受け継ぎ、ウィルスに抗体を持つ奇跡の子「未来(ミライ)」を使って開発を進めていた。だが未来の血液を使った開発はなかなか進まない。


タワーの地下には最低限生存出来るためのインフラがあり、多くの者が住み着いている。

上の研究タワーでワクチンが作られているのを皆が知っていた。
ユートピアに辿り着いた大和は、タワーに必ず葵がいると確信するが、警備が厳しく侵入出来ない。声を掛けて来たジンについて行く大和だが、リーダー 加地の前に引き出される。そこに連れて来られた藤丸は、家族のためにワクチンが欲しいと言う。
加地は2人に、持っている物を全て出せと命令。
そこにもう一人連れて来られたのが響。

警備が厳しくて上に行けないと言う加地に「警備が薄くなればいいんだろ」と響。また響は大量の爆弾を持っていた。同時に研究タワーで爆薬が盗まれたと騒ぎになっていた。
リモートで車のエンジンがかかりビルに突っ込んで大騒ぎに。
その隙に、響と共にタワーに侵入する決心をする加地。
それに続く大和、藤丸、ジンと松山。

侵入には成功したがゴーレム、敵メンバー両方から追われる。

二つの棟の通路に追い込まれた。そこで響が窓を撃って割るとビル風で敵が飛ばされて行く。必死で周りに捕まる響たち。

巻き添えで松山が落ちた。荒っぽいやり方に怒る大和だが、全員やられるところだったと評価する加地。

研究室では長官の西条が富裕層からの命令を受け、シンジにワクチン開発を急ぐよう命令。そのためには未来の血液が大量に必要。「一人の命より多くの人々だ」と言う西条。
未来の世話をしている葵はその状況に、ある決心をする。

ある研究エリアに着いたメンバー。そこにはゴーレムの初期状態の男が捕われていた。それを見て驚愕するジン。研究者だった彼の兄だった。ワクチンの人体実験に使われていた。殺してくれと言う兄に何も出来ないジン。襲いかかろうとする兄にとどめを刺す響。「ありがとう」と言って息絶えた兄。

未来を連れて病室から脱出する葵。研究エリアでは響が未来を奪ったと判断し、シンジが館内放送で「間宮響を殺し、未来を取り戻した者にワクチンを与える」と言った。
加地はそれを聞いて響に銃を向ける。響を庇ったジンが撃たれて死んだ。それを皮切りに皆がバラバラとなる。
大和は、響があの時車を修理してくれた男だと思い出した。
「エンスト野郎か」と響も思い出す。一緒だった女性の事を聞かれ、今までの事を話す響。

ウィルスに侵された恋人 来美を撃ち殺した・・・

そして奇跡の子は自分の子だとも。


響と大和はゴーレムに襲われている女性を助ける。それは葵だった。そこには未来の姿も。感激しつつ近付く響だが、初めて見る相手を怖がり葵に抱き付く未来。
そこに合流する藤丸。未来を見て「奇跡の子?」と聞く。
響と大和が様子を見に出て行くと、藤丸が豹変して未来を奪い、立ち去った。

そして戻った大和に対し、葵を人質にして響を殺せと命じる敵。
やむなく響と戦う大和。その戦いの最中、葵が持っていた香水を引火させ敵を撃退する。

シンジ、西条の前に来た藤丸は、未来を引き渡した見返りにワクチンを打たれるが、急速にゴーレム化して行った。
最後に頭を撃たれて絶命する藤丸。
そこに姿を現した響。シンジが撃とうとするが、大和が姿を現してそれを防いだ。西条は「君は全人類の命と一人の命、どちらを選ぶ?」と問い「未来の幸せはどうなる!」と引かない響。
そこでジンジを三流科学者と罵る西条。シンジは「自分の開発は完璧だった。その子に抗体がなかっただけだ!」と叫ぶ。

西条はシンジを撃ち、次いで未来に銃を向ける。その盾になった響の背中に銃弾が何発も撃ち込まれる。

立ち去る西条。
倒れ込む響。まだ死んでいなかったシンジが、未来にナイフを振りかざす。死んでいる筈の響が起き上がり、未来を庇った。
まさか、と呟くシンジ。響は未来を守るため自らゴーレムウィルスを注入していた。倒されるシンジ。
足を負傷した大和が来る。爆破され始めるタワー。


響は大和に未来を託した。未来を抱いて外に出る大和。
ヘリでタワーを脱出する西条。そこにタイマーの音。爆破されたヘリーが墜落する。

それから20年後。

その地は砂漠化し、ゴーレムの姿も見えない。

三人と道案内の老人がタワーに入る。
女性が老人に「間宮響を知っていますか?」と訊ねる。

老人がマスクと包帯を取ると、それは西条だった。
命乞いをする西条だが隙を見て女性から銃を奪う。
だが銃弾がなかった。西条を撃ち殺す男。
3人がマスクを取る。大和、葵。そして若い女性。
かつての研究ラボに行く3人。「覚えてる?未来」と訊く葵。
残されていたビデオカメラにバッテリーを入れる大和。
研究のために録画されていた未来の姿が映る。その後に響が残したメッセージがあった。
「未来が生きていてくれる事が俺たちの幸せ。ありがとう」
あれから20年、俺たちはあんたが未来にしてあげたかった事を全部したつもりだ。だから今度は未来が、間宮に」と言う大和。
そして未来は目的の場所に行った。そこには鉄筋に体を貫かれた1体のゴーレムが。「お父さん、逢いたかった」
その頭に銃口を向け、撃った未来。嗚咽する未来。
「生きるよ、お父さん。私は生きる。どんな未来が待ってても」
そのゴーレムをそっと抱きしめてから去る未来。
ゴーレムの目から一粒の涙が流れ落ちる。